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第24話、戦争



 目の前に戦争が近づいたが俺の本音は戦争などしないで本職の農業を改革したい。


 戦争が終わったなら先ず、今のお米は不味くはないがパサパサして甘みがないので品種改良をして前世のお米のようにもう少し粘りと甘みのあるお米に改良したい。


 どうしても砂糖の原料を探して砂糖を作りたい。砂糖があれば食生活も変わるだろう。


 その他にも醤油、味噌、俺の大好きなマヨネーズなどを作るために材料となる大豆や家畜を探し、やりたいことが山ほどある。


 少しでも早くバーカビ国王を倒して農業に専念したいものだ。




 見張り番からやっと王国軍が動き出したと連絡があり、俺も砦の屋上に上がって見ると、王国軍が進軍を始めた。


 俺は作戦通り、砦の前に敵を誘い込む為に兵士を千人砦の前に布陣した。


 敵の先陣は思った通り指揮官は王国の将校だが兵士は装備から見て奴隷兵だ。


 谷間は幅が1kmくらいしかないので王国軍は一度に多くの兵士を進軍させられずに5千人くらいの兵士が進軍してきた。


 俺の読み通りでやはりここに砦を作って正解だ。




 敵はこちらの兵士が少ないので砦に近づき300m先に来た時、味方の弓部隊が一斉に矢を放った。


 これは敵を誘い込むための攻撃で本来なら100mに近づいたなら矢を放つところだがわざと300m先の敵に矢を放ったのだ。


 弓部隊が矢を放って敵の進軍が止まった隙に砦の前にいた兵士を砦の中に退却させたのだ。


 入れ替わりに今度の戦いの主役の騎馬部隊を出陣させて俺は砦の屋上から手作りの双眼鏡で見ている。


 敵は100頭の馬を見て初めて見る騎馬部隊の恐ろしさを知らなく、少ないので前進を始めたがこの世界の馬は3mもあり頑丈な馬だ。


 その馬に乗った兵士が猛スピードで敵に向かい走り、敵に近づき先頭の騎馬隊が馬の上から剣で敵の兵士を血祭にすると、次の騎馬隊の馬が敵の兵士を跳ね飛ばし跳ねられた兵士は5mも吹き飛んだのだ。


 敵の兵士は騎馬部隊の恐ろしさを見て恐怖で逃げ惑ったのだ。


 それを見たバレンが大声で。


「奴隷兵を殺す気はない。武器を捨てて降参して保護するので砦の中に逃げ込め」


 数人の奴隷兵が武器を捨てて砦に向かって走り始めると、奴隷兵は雪崩をうったように武器を捨てて砦に向かって走り始めた。


 敵の指揮官が焦って剣を振り回し奴隷兵の1人を切り殺し大きな声で。


「降参するな。敵と戦えー! 降参すると殺すぞ」


 その指揮官にバレンが向かい馬上から槍を突き刺し。


「馬鹿目! 死ね! 」


 指揮官はバレンの槍の餌食になったのだ。


 敵の奴隷兵は2千人くらいいるが奴隷兵100人に1人の命令役の将校がいて奴隷兵を動かしている。


 バレンがそのことに気が付き騎馬部隊に指令して命令役の将校だけを狙い倒している。


 バレンの動きを見て俺が心配した猪武者でなく戦場全体の動きを見て騎馬隊を動かしているので感心した。


 敵の奴隷兵は砦の門に殺到し砦の中に逃げ込んでいる


 戦場に残った敵は正規の王国軍の兵士でその数は3千くらいだが、バレンに従う100騎の騎馬部隊はその3千の兵士の中にものすごい勢いで突入していった。


 騎馬部隊はたった100騎で敵の兵士を蹴散らしている。


 それを見た敵の兵士は恐怖で我先に退却したというよりは逃げ出したのだ。


 砦の屋上から俺と一緒に見ていたオーロラさんと側近たちの中でアニーが感嘆の声を上げて。


「凄い! たった100騎の騎馬部隊で5千の敵を追い払っている。信じられない」


 オーロラさんが自慢げに。


「私の言った通りになったでしょう。でもこれほど騎馬部隊が強いとは思わなかったわ」


 デニスも騎馬部隊の活躍に驚き。


「いやー、驚いたよ。あのバレンが騎馬部隊を纏めて敵を粉砕するとは思わなかった。それにしても騎馬部隊があそこまで活躍するとは思わなかった」


 逃げる敵の兵士を追いかけている騎馬部隊に引き上げの合図の銅鑼を叩きドドーン、ドドーン、ドドーン3回鳴らすと騎馬部隊は進撃を止めて反転して砦に向かって来た。


 騎馬部隊は1騎の損傷もなく100騎とも無傷で俺の想像以上の戦果を挙げて馬の上で拳を突き上げて喜んでいる。


 味方の兵士も砦の外に出て歓声を上げて騎馬部隊を出迎えている。


 俺たちも騎馬部隊を出迎えてバレンに。


「バレンよくやった。素晴らしい活躍だった」


 バレンが馬から降りて。


「見たでしょう。俺はアラン様の言いつけを守り指揮官に徹しましたぜ。でもこんなに完勝するとは思いませんでした」


 騎馬部隊は兵士たちに手荒い歓迎をされてもみくちゃにされていた。


 初戦は勝ったが明日は王国軍が今日の戦いをどのようにとらえてどんな戦いをしてくるのだろう。


 敵の様子を見て来たイアンたちが報告に来て。


「王国軍は騎馬部隊を見て逃げ出す貴族もいます。バーカビ国王は貴族たちを叱り飛ばしているだけで明日の戦いの準備もしていないようすです」


 イアンの報告を俺と一緒に聞いていたデニスが。


「明日にはもっと利にさとい貴族が逃げ出すでしょう。様子を見て総攻撃をしましょうか」


「うーん、イアン、王国軍がどう出るか様子を見て知らせてくれ。王国軍がどう出るか見たうえで決めよう」


 今日の戦いは完勝に近い勝ち方をしたにも関わらず何故かその晩は色々考えて眠れなかったのだ。


 やはりモーガン伯爵との戦いと違い本格的な戦争に疲れたのか、それにしても俺は戦争などの戦いには向いていないとつくづく実感した。


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