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狐宮狐白の異界開拓記 のんびりしつつ便利な妖種ネットを駆使してお手軽物資調達で生活を豊かにしていきます  作者: Jまる


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第80話 先住猫と廃墟リフォーム

 密室で2人でひたすら怪しげな薬を作り続けている、そんな光景。他の人が見たら扉をそっとじするような光景だろう。

 そんな中、扉の外からこちらを伺っているあんずちゃんの姿が確認できた。

 あんずちゃんはまるで信じられないものを見たかのように目を皿のように見開いている。


「なに、してるんです?」


 気になって仕方がないので声をかけてみると「わひゃっ!?」という驚いたような声が聞こえてきた。そしておずおずと扉を開くとボクの方を見る。


「あたしとのことは遊びだったんですか!?」


「あなたは何を言っているんですかねぇ」


 今日のあんずちゃんはどうかしているようだ。しかしその目はボクからルーシャさんへと移りじっと見つめている。

 そういえば友だちが言ってましたっけ。先住猫には気を使ってあげなさいって。


「な、なんかすごく可愛い子にものすごく見つめられているんですけど!? も、もしかして好かれちゃいました!?」


 ルーシャさんはルーシャさんで違う方向にフルスロットル。猫がじっと見つめてくるときは警戒が多いと思います。


「あーもう、あんずちゃんこっちおいで」


 作業を中断してあんずちゃんに手招きをする。ルーシャさんから視線を外さずにこっちに器用に寄ってくる様はなんとなく猫っぽい。

 どうせなので寄ってきたあんずちゃんの頭を軽く撫でると、「むー……」という唸り声が聞こえた。それでも視線は変わらずルーシャさんに向けたまま。


「主様、薬草持ってきました。ってあれ? なんですか? この状況」


 このよくわからない状況にはさすがの桃花さんも困惑気味の様子。ふと扉の方に顔を向けると瑞葉が恐る恐る部屋の中を見ていた。


「これはなんでしょう? 先住猫と新人の争いですか!?」


「あんずちゃん人見知りだからねぇ。なのに寂しがり屋だし」


「寂しがりでもいいじゃないですか。こう見えて友達は少ないんですからね!」


 あんずちゃんはボクの腕の中で訳の分からない主張をしている。さて、そろそろ解決をしなきゃですね。


「あそこにいるルーシャさんは派遣の錬金術師さんですよ。新しい住人というわけじゃないです。まぁあんずちゃんが来るかはわからなかったので定位置のお仕事をお願いしてるだけですよ」


「本当ですか? う~ん……。なら少しだけ場所を貸してあげます」


「あはは、ありがとうございます~」


 やっぱり先住猫に対する配慮は常に必要なんだって、この時ボクは思ったのでした。


「じゃあ続きをやっていきますよ」


 それからしばらくポーションの作成作業を続けていると、端末から建築完了を知らせる合図が届いた。

 どうやらメインルームが完成したらしい。


「こはくちゃん、どうしたの?」


 一緒に作業していたあんずちゃんが気になったようで話しかけてきた。


「いえ、最近あっちの世界にある廃墟の修繕をしていたのですが、次の修繕が完了したらしいんですよ」


「おぉ!」


「あんずちゃんも見に行きます?」


「いくー!」


「わかりました。ルーシャさんは適度に休憩していてくださいね。欲しい素材があったらあとで教えてください」


「はーい、わかりました」


 そんなわけでルーシャさんたちに後を任せてボクとあんずちゃんは向こうの世界へと向かった。

 

「さてと、再びここにきたわけですが、どうなってますかねぇ」


「おぉ~。なんかすっごくきれいな感じになってる!」


「中はもっとすごい感じになっていましたよ。とりあえず入ってみましょうか」


 というわけでさっそくあんずちゃんを伴って入り口から入る。まず見えてくるのは大きめの少しだけ長い玄関ホールだ。

 ここには色々な物を置けるようで次にあるホールまでの入室待機所みたいなイメージになっている。

 ソファーなんかも置けばゆっくり待てるのではないだろうか。


「白い大理石に金縁の白い扉……。豪華な感じです!」


「ですよね~。ここに家具を置くのはまた今度にしましょう。次に行きますよ」


「はーい」


 次に来たのはホールだ。ここは左右に弧を描いた階段が配置されているおしゃれな場所となっている。玄関ホールにもあったようなシャンデリアが豪華さに拍車をかけている。


「これはあれですね。この奥で舞踏会とか開かれたりするような、お城っぽい雰囲気を感じます!」


「分かりみが深いです。でもダンスホールはないんですよね。食堂とかキッチンとかそんな感じのが奥に続くようです」


「ほー」

 

 ホールの扉を開くと、1階は食堂、右側にキッチンスペース、左側には小さな庭のような物がついていた。外が見られるような屋根付きの場所で、テーブルとイスを置けばくつろぎスペースになるかもしれない。


「長い食卓って漫画くらいでしか見たことないですよ? 需要なさそうですよね」


「住む予定なのは田中さんとアイリくらいなので無駄に広いかもしれません」


 いっそ田中さんがハーレムでもしてくれれば活用できるのかもしれないけども。なかなか堅実そうなんですよね。

 そんなことを考えながら2階へ上がるとそこには同じような構造だけど違った施設が付属されていた。

 真ん中にはサロンのようなくつろげる談話スペースが用意されており、さらに左右には小さいけど多くの本が収蔵できそうな背の高い図書館が建っていたのだ。どうやら図書館だけでも3階までの高さがあるようだ。

 どうやら本格的に豪華な建物となってリフォームされてしまったようだ。

 

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