第79話 派遣錬金術師と契約してみた
向こうの人間たちがダンジョンで出会ったのはラミーさんで確定した。どうもほかの世界に仕入れに行っている最中だったようだ。
ラミーさん、本格的にこっちを拠点にしている気がする。
「3時間経過。出来上がったのは大理石のホールですか。ふむ」
ホールリフォーム開始3時間後に再び廃墟までやってきた。ホールは大理石で建てられており非常に豪華というか荘厳というか、そんな感じになっている。
「うわぁ……」
玄関から玄関ホールに入ってみたところ床には赤い絨毯が敷かれていて、天井には金色のシャンデリアがぶら下がっている。
扉は白い木材のような素材に金縁の装飾、真鍮のドアノブが付けられていた。正直豪華である。
その扉を開けた先には同じようなシャンデリアがぶら下がった左右に弧を描くような階段が設置されていた。さらに一階の奥、階段の先には扉が3つある。
「ここがホール。なんか成金チックですね」
そんなことを考えながら奥の扉を開けると廃墟と外が広がっていた。
「うん。ものすっごく虚しいです」
今までが豪華絢爛で白を基調としていた建物内だっただけあって、その後に現れる廃墟は軽くホラー感がある。
夢ではすごい良いところにいたのに目が覚めてみたら地獄みたいな場所だった。まさにそれ。
「えっと、次はっと。メインルーム、食堂、図書館、キッチンがまとまった館本体ですか。20万ポイント。はは……。わかりました、ポチりますよ。作業時間は4時間っと」
これで少しはましになるはずだ。ただこれで終わりじゃないところを見るとまだまだお金がかかりそうではある。東棟西棟、最後に奥が待ち構えているらしい。
「確実にお金足りませんね。つらい……」
新たに稼ぐ方向でがんばることにしよう。とりあえずエメラルドが頑張ってくれているのでボクも下働き並みにポーション作成をしなければならない。
「あっ、そういえば錬金術師の派遣なんてものもありましたね。ちょっと調べてみますか」
アイリたちは今外に出ているようなので、早速領域に戻り例の怪しいサイトにアクセスする。
とりあえず新人のFランクを見ていると、同じ新人でも契約料と給金が違うことがわかる。
例えばとある魔女っ娘スタイルの錬金術師の場合だ。
ランク:新人
契約料:月5万ポイント
給料:金銀財宝、もしくは月10万ポイント分の素材
というように表示されているのだ。つまるところ、契約料はポイント制だけど給料自体は金額が決まっているだけで内容は応相談ということになっている。
「うちで出せる10万ポイント分っていうと、まぁそこそこありますかね。とりあえずお試しで契約してみますか」
というわけで早速お試しで1契約分、約1年くらいの契約を試してみることに。
初回2か月分支払うので10万ポイントを出し、次に月5万ポイントを支払う。給料は別に出す形で1人契約してみた。
そしてしばらく後……。
「錬金術師派遣サービスからやってきました、新人錬金術師の【ルーシャ】です。よろしくおねがいしま~す」
やってきたのは魔女っ娘スタイルの可愛らしい銀髪の女の子だった。短いスカートを翻し、箒ではなく杖を持っている。
髪型はツインテールにしているようだけど、基本的にはお尻くらいまでの長さのあるロングヘアのようだ。
エメラルドのような色合いの瞳が魅力的に見える。
「よろしくお願いします。基本的にはポーションの作成ですけど、出来ないこととかあったら言ってくださいね」
「はい! ポーションの作成って、私低級のしか作れないんですけどいいですか?」
「問題ありませんよ。触媒を使って品質の底上げもできますので、気にせずのんびりやってください」
「おぉ。なんかすっごくまともな職場だ。雇い主さんも可愛いし、これは当たりか!?」
何やらある程度ブラックな職場も覚悟していたみたいだ。うちはまぁまぁやることはありますけど基本的に自由ですしね。
何なら副業してもいいですよ。
「じゃあ早速ですけど、そこに束になっている薬草を薬研で粉にしてください」
「はーい」
こうして派遣錬金術師とのポーション作成が始まったのだ。




