第73話 建築と錬金術
いやっふー! 楽しい建築の時間だー!! って言いたいところなんですけど、単身者用ばかり増やしても問題じゃないですかね?
いや物すっごく作りたいし使いたいんですよ。あっ、アイリたちの家を作る? でも設備は個人用テントの方が圧倒的に上なんですよね。やはりちょっと保留にしましょう。
「主、なにを考えてるの?」
「いえ、使い道を考えてました。今後のことを考えるとどういう風に使うのがベストかなぁと」
「ふぅん? 主の考えてる建物がどんなものかわからないけど、複雑すぎる材料を使う建物は止めておいた方がいいと思いますよ」
「ですよねぇ」
トパーズの言葉を聞いて、地球風建築は断念することにした。だって素材が調達できないんだもん。
科学技術の産物って素晴らしい。
「じゃあ単身用、家族用みたいにしますか。そういえば精霊も家族っているんですかね?」
「おぉ? あたしたちに興味あるの? 当然いますよ! ちなみに精霊の発生方法は2種類です。1つ目は自然発生。こっちは光の球として生まれるので管理精霊になるか根源精霊になるかはその子の素質次第ですね。2つ目は男女の交配で妊娠することですね。こっちは管理精霊が生まれます。下の世界みたいなところでは自然発生した精霊しか生まれないので精霊界限定のやりかたですけどね!」
「へぇ~。子作りもするんですね」
というか人間界と精霊界で精霊の生まれ形に違いがあるとは思わなかった。ちなみに妖精郷にいる精霊は普通に交配してた気がするけど、軽い話程度にしか聞いたことがない。詳しく聞こうとすると母が笑顔になるので。
「そういえば精霊にも男女いましたしねぇ。あれ? もしかして人間界で自然発生した精霊は性別が決まっていなかったり?」
なんとなく契約した桃花と瑞葉は女の子だったけど、出産みたいな形を取らないのなら性別はいつ決まるんだろう。
「自然発生した精霊の性別はその子がどの性別になりたいかを意識した瞬間に決まりますよ? 例えば桃花ちゃんや瑞葉ちゃんは主といっしょにいたいという気持ちが強かったので女の子担ったんだと思います」
「なるほどです」
精霊の性別はなかなか奥が深そうだ。もう一方の根源精霊には性別はあってないようなものなんだろうなとなんとなく思った。
その後ボクたちはいくつかの家を建てて回った。建てるたびに移住した精霊たちからお礼を言われ、何かのプレゼントを貰ってしまったので小屋に戻るまでにものすごい量のプレゼントで溢れてしまっていた。
特に嬉しいのは精霊石や精霊の涙などの特殊結晶体。これはあとで錬金術に使う予定だ。
というわけで早速レッツ錬金術。
「お母様、何をしているんですか?」
「これは確か魔法錬金とかいうものでは」
「そうですよ。精霊石をたくさんもらいましたので人間界で販売するためのポーションを作ります」
というわけで早速魔法液を作成、人間界で言うところのクリネを乾燥させてすりつぶしたものを釜に投入。ここに魔法石の粉末を入れて精霊石の粉末を微量追加する。
こうして出来上がるのは上級の魔力回復ポーションの原液だ。これを後ほど薄めて中級まで落とす必要がある。
精霊石は基本的に素材の効果を引き上げるために使うので少量だけ添加すれば問題ない。
ちなみに疲労回復ポーションや傷薬は別の薬草を使う。
「主様、クリネとアルムとソーンの乾燥が完了しました」
「ありがとう、桃花」
「えへへ」
ちょうど作り終えた頃、桃花が追加の薬草を持ってきてくれた。この薬草は人間界で生えている薬草をこっちで栽培したものだ。すべて桃花の畑で管理されていて、水に関しては瑞葉が手伝っているという恵まれた薬草でもある。
「じゃあ同じようにすりつぶして……」
アルムは疲労を回復する効果がある薬草で、ソーンは傷に効く薬草となっている。
先ほどと同じようにすりつぶした薬草を魔法石の粉末、精霊石の粉末と混ぜて錬金。
再びできた溶液を瓶に移して完成。この瓶に入ったものは原液なのであとで若干薄めて出すことにする。
ちなみに出来上がったものを調べると上級と表示されていた。
「精霊石は媒体としては万能ですね。使って良し混ぜて良し」
「それならよかったです。主様のお役に立てるならみんな喜びますから」
桃花は嬉しそうに微笑みながらそう言葉にした。




