第67話 いざ宇宙船へ
更紗さんを連れて領域に帰ってきたところ、アクアにものすごい目で見られました。
桃花たちはワイワイしながら更紗さんのバニーガール姿を見てかっこいいだのすごいだの言っていましたけどね。
「狐白様? まさか悪い遊びをしていらっしゃるのではないでしょうね?」
「違いますから! 誤解ですから! ちょっと別の世界に行っていたんですよ。更紗さんはそこの星兎族といううさぎ系種族の人です。この服はそこのお仕事着だそうですよ! ちなみにいかがわしい場所ではなく健全な場所です!」
「本当ですか?」
早速妙な疑いをかけられる羽目になるボク。決して変な遊びはしてないんです信じてください!
「はい。私達の街ラビットシティでは一般的な服装ですね。もちろん他の服もありますよ? たまたま案内役という立場でもありましたので」
「変わった世界もあるのですね。いかがわしい場所でなければ問題ありませんが今度視察させていただきたく思います」
「えぇ。もちろんおいでくださいな」
もはや教育係兼メイド長と化しているアクアによる厳しい追求を逃れたボクは、そのまま転移用の宝玉にミーティアから指定された座標を入力する。
「狐白様、またお出かけですか?」
「はい。星兎族の大事な品物の修理のためにミーティアのところに向かいます。あとでまた戻ってきますので開拓状況の確認とかさせてください」
「はい、承知いたしました。報告も色々とありますので。お気をつけていってらっしゃいませ」
「はーい」
アクアに軽く挨拶をし、更紗さんの手を引いて再び光の道へと歩みを進める。
次に出たのは金属質のどこかの部屋のような場所だった。
「ひえっ!?」
「えっ?」
「マスター! ようこそいらっしゃいました! ここは【ルピナス級次元航行艦1番艦ルピナス】の転送室内部です」
そう言って現れたミーティアの周囲には銃のようなものを所持したミーティアと同じような身長の少女たちがいた。
ボクたちをずらりと囲うようにして少し厳しめの表情で待機している。
警戒中っぽいけど大丈夫なのだろうか……。
「申し訳ありません、マスター。マスター以外の部外者の立ち入りということで少々警戒させていただいております。今回は例外的な事情ということでグランドマスターにも許可を頂いておりますのでご安心ください。こちら、星兎族の方用の特別入艦許可証です。確認しましたらそちらのボードにお名前の記入をお願いします」
「は、はい。わかりました」
更紗さんは許可証を受け取ると何かを読み、半透明のボードにサインをする。
あの半透明のボードってなんなんだろう? 未来的なタブレットとかなのだろうか。
「ねぇミーティア。周りのミーティアに似てる子たちは誰なんですか?」
周囲で警戒中の少女たちはみんなミーティアくらいの背格好をしていた。見た目もなんとなく似ている気がするけど……。
「はいマスター。彼女たちは私と同系統の人工生命体です。つまり妹分となります。形式は汎用警備型のシリーズになりますね」
「お初にお目にかかります、マスター。ミーティアお姉様の部隊の警備担当をしています、【フィリカ】と申します。以後お見知りおきを」
ミーティアが紹介すると、1人の少女が前に出てボクに自己紹介をしてくれた。
どうやらこの【フィリカ】さんが一応のリーダーとなっているようだ。
「狐白です。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします!」
周囲にいた少女たちも一斉に同じように返事を返してくれた。
それにしても人工生命体かぁ。SFチックな世界観だなぁ。
「ところでこの次元航行艦ってなんなんです?」
ちょっと興味があったので尋ねてみることに。さすがに答えられないものなら濁すだろうけど。
「はい。この【ルピナス級次元航行艦】はいくつか姉妹艦があるのですが、基本的に新規宇宙の開拓や新世界への入植などに用いられる開発用の大型航宙艦となります。内容ごとに各部位を切り離して投入できるよう設計されております。主な内容は【工業】【農業】【開発】【医療】【素材合成】【素材研究】【環境研究】などです。ほかには【殲滅型深次元航行艦フリージア】【大型入植用移民船アネモネ】などがあります。【殲滅型深次元航行艦フリージア】についてはこの宙域には現在おりませんが、待機する場合は文字通り深次元で待機する形を取っています。非常に大型で攻撃力の高い艦船ですので惑星に影響を及ぼす可能でいがありますので」
「へ、へぇ~……」
言っていることが全く持ってわからなかったのは内緒だ。たぶん相当やばいものなのだろうことだけは分かった気がする。
「さて、では工業区画の星光収集区画へご案内しますね。こちらです。更紗さんは基本的に私たちから離れず行動をお願いします。トイレなどの際はご相談ください。特別入艦許可証は単独行動を禁止していますので、場合によっては拘束される可能性があります。ご注意ください」
「わ、わかりました」
「ではこちらです」
言葉の端々に怖い単語がくっついてくるけど、何をやったらだめなのか教えてくれているので相当優しい気がしている。
ボクもあまりあちこちいかないほうがいいかな? なんか怖いし……。
そんなことを考えながらミーティアの後を付いていくと、不意に警備隊の少女の1人と目が合った。
非常に可愛らしい少女はボクを見るとにこやかに微笑みかけてくれる。
ちょっとドキドキしてしまったけど、同時に疑問も湧き上がる。
なぜ少女ばかりなのだろうかと。




