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狐宮狐白の異界開拓記 のんびりしつつ便利な妖種ネットを駆使してお手軽物資調達で生活を豊かにしていきます  作者: Jまる


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第62話 異世界組と妖種組 仁義なきモフモフ吸い合戦

 ボクによるあまりにもな説明に大いに凹んでしまっていたアイリ。しかし今はだいぶ気持ちを持ち直してくれたようだ。前向きでとても強い女の子だ。ちなみに山田さんはアイリよりももっと切り替えが早かった。


「なるほど。狐白さんとあんずさんは妖狐族という妖種と猫又族という妖種なんですね。そして日本にもこっそりいるけど普段はわからないようにしていると。現実にケモミミがいたことに驚きですよ」


 どうやら山田さんは妖怪とかケモミミとかそういう人外な部分に興味を持っているようだ。

 妖精郷はどんな感じなのか、どうすればいけるのか住めるのかを聞いてくる。

 まぁ人間の移住者は多くはないけど少なくもないといったところだろうか。


「無事に戻れたらそっちの道に進んでみるのもいいかもしれませんね」


「あっちに戻るとこちらで得た能力やスキルはすべて失いますので新たな能力獲得にはいいかもしれませんね。ボクたちのようにある程度学びを得られれば人間でも寿命が相応に伸びますし、こういった異世界にも自由に来られるようになりますから」


「そうなんですか!?」


 ボクの言葉を聞いて田中さんが驚きの声を上げた。

 実はある妖種学校である一定の成績を収めると異世界への通行許可が発行されるようになるのだ。

 これがあると領域を行き来したり妖精郷と日本、また別の世界にも自由に行くことができる。

 落ち着いたタイミングでそんな世界を見せてみるのもいいかもしれない。


「まさか、そんな世界があるなんて……」


 世の中まだまだ知らないことだらけなんですよ。高天原もね。


「こはくちゃーん、たーすーけーてー!!」


 田中さんといろいろ話してる間中ずっとあんずちゃんの助けを求める声が聞こえていたけど、ボクはあえて無視をした。なぜなら今手を出すととても面倒なことになるからだ。

 ちらりと視線を向けると、そこには「不安解消するため」と言い訳をしたアイリによるセクハラ行為が行われていた。まぁ言い方は悪いけど尻尾とか耳とか吸われているのである。いわゆる猫吸い。猫じゃないけど。


「精神を落ち着けるために必要らしいですよ? 猫吸い」


「だからあたしは猫じゃなくて猫又だってばああああ」


 でも猫又って猫ですよね?


「猫又でも猫って入ってるから猫なんでしょ?」


 アイリはめげない。


「猫だったのはずーっと前のご先祖様ですよ! 今は普通の尻尾が二つある猫又系少女ですううう!!」


 実は現代の猫又は本当の意味での猫又ではなくなっている。ボクたち妖狐族が狐ではなく、妖狐というのがそのまま種族化してしまったのと同じだ。猫又族なのだ。これにはもう怪異じゃないのでは? という意見もあるのだけどボクたちは昔ながらの妖狐と同じく妖力の量によって尻尾が増えるという特徴を持っている。猫又もそうで妖力が多くなればその分だけ何度でも復活出来たりする。

 なんだかんだで怪異も色んな方向に進化してしまっているのが現状だ。

 ぬりかべさんも昔は壁の怪異だったはずなのに今は人型になったりしている。

 結局怪異も子を残して増える道を選択したのだ。


「そういえば気になっていたんですけど、妖狐族や猫又族はなんで昔の姿を失ったんですか?」


「昔の姿というと狐や猫という意味ですよね? でしたら人間との交配が原因ですよ」


 人と交わることが増え人の因子を取り込んだ結果人型が通常の状態になったのである。

 ちなみに妖種は母親の因子を良く引き継ぐが、人間母と妖種父だと人に近い子が生まれ、妖種母と人間父だと妖種に近い子が生まれるそうだ。

 さらに面白いことに、ハーフ妖種とハーフ妖種が結婚するとその子は妖種により近くなるらしい。

 これは妖力が影響するという研究結果が出ている。


「なるほど。だから昔の姿を失ったのですね」


 一応動物に妖力を与え続ければ何%かの確率で妖種に生まれ変わるそうだけど、大抵死んだあとになるそうなので実験する人は少ない。倫理的にも色々とね?


「はー。堪能したー」

 

「うぅ……。汚されました……」


 哀れあんずちゃん。本日2回目の猫好きによる猫吸いだ。

 息も絶え絶えで倒れ伏してしまったあんずちゃんをボクは介抱しに向かう。


「うぅ。ありがとうございます……」


「いいですいいです。よく頑張りましたね」


「えへへ……」


 倒れ伏したあんずちゃんを撫でていると、不意に背後に人の気配を感じた。


「こはくちゃんも吸いたいな~」


「ふむ」


 ボクはそれだけ口にすると、すぐさまその場を逃げ出した。

 しかし結局捕まったのは言うまでもないだろう。


「ぼ、ボクを吸っても面白いことはないですからね!?」

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