第6話 精霊たちの興味
「ご主人様、ありがとう! あたしにも名前をください!」
残っていた水色の下級精霊の子と契約。
とても元気な感じの可愛らしい女の子が誕生した。
大きさは桃花と変わらないので下級精霊はみんなこのサイズなのだろうか?
なんにしてもボクより小さいのはいいことですね。
「じゃああなたは瑞葉です」
「はい! あたしは今日から瑞葉! 水の精霊です!」
「お二人にはボクの領域というか世界に移住してもらって開拓のお手伝いをしてもらいたいと思っています。何でしたらお友達の精霊なども誘ってくれていいですよ?」
ボクの領域は絶賛移住者募集中なのです。
どんどんウェルカムですよ?
そんなことを考えていると桃花がボクの方を見ながら口を開いた。
「ありがとうございます、主様。この森に主様が降り立ったときから気になって様子を見に行こうとしていたのですが、封印の祭壇のせいでたどり着くことができなかったのです」
「あの封印はず〜っと昔からあって、大精霊でも近づくことはできなかったんです! だからずっとずっと困ってたんです!」
2人が話す内容をまとめると、あの祭壇はずっと昔からここにあり、精霊たちは誰も近寄ることができなかったのだという。
原因はおそらくあの気持ちの悪い視線を発していた水晶の目とそこに宿っていた存在だろう。
まぁ今はそんなものはもうないのだけど、もしかして他にも同じような場所があるのだろうか。
「なるほどです。その原因はたまたま取り除けたようです。もしかしたらこの世界にはまだまだ同じような場所があるのかもしれませんね」
2人には簡潔にそう説明する。
万が一、同じようなものが見つかったときはまたボクが出向いて対応するとしよう。
「ところで、ボクの領域には建築できる職業の人がいないのですが、2人のどちらかは建築できたりしません?」
「建築ですか? いえ、私たちはどちらもできません」
「あ、でも建築が得意そうな人知ってますよ?」
「いるんですか? なら、紹介してもらってもいいですか?」
意外にも瑞葉の知り合いに建築できる人がいるらしい。
ちなみにボクは建築はできない。
ゲームの中での建築はできるんですけどね?
「多分大丈夫だと思います!」
「瑞葉ちゃん、そんな人いましたっけ?」
桃花には心当たりがないのか瑞葉に確認しているが、瑞葉は「なぜ知らないの?」と言わんばかりの顔できょとんとしている。
そして口を開くと「中級精霊のノームたちだよ?」と桃花に答えていた。
「ノームたちって大地の中級精霊ですよね? 下級精霊の子ならわかりますけど、担当の違う中級精霊と話す機会ってあまりないと思うのですけど?」
「あたしはこう見えて上級精霊ともお友達だったりするんです! 色々なお話が聞きたくて! たとえば人間と契約してみたときの話などなど」
「瑞葉ちゃん、意外と社交的ですものね。まぁ興味があるのはわかります。だから私もこうやって瑞葉ちゃんの誘いに乗って気になる気配を追うことにしたんですけど。そのおかげで相性の良い主様に出会えましたし」
と、瑞葉と桃花は楽しそうに経緯を話している。
どうやら瑞葉は行動派のようだ。
「主様。ノームたちはお酒と面白いことが大好きです。彼らの興味を引く物がたくさん作れるようになれば快く協力してくれると思います」
「精霊王様たちは密かに移住準備を進めてるって噂もあります! まずは何かノームが喜びそうな珍しいものはありませんか?」
「珍しいものですか……」
桃花たちの助言を聞く限り、何か珍しいお酒を用意する方が良さそうだと思う。
であれば【妖種ネット】を活用して何かを取り寄せよう。
「じゃあ一旦ボクの領域に行きますよ。そこでお酒を取り寄せます」
「はい」
「はーい」
じゃあさっそく2人を連れて一度帰ることにしますか。
良いお酒を取り寄せられるといいけど。




