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狐宮狐白の異界開拓記 のんびりしつつ便利な妖種ネットを駆使してお手軽物資調達で生活を豊かにしていきます  作者: Jまる


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第44話 ようこそダラムへ2

 ダラムINN内部は2つの建物に向かって廊下が伸びていた。多分外側から見た隣接した建物に向かっているのだろう。

 内装はというと、反対側はわからないが和の空間というだけあって日本の旅館のような印象を受ける。

 どこで買ったのかはわからないけど壁には竹細工の装飾、行灯などが設置されている。床面は木の床で所々に竹を切った門松のようなものも置かれていた。

 ダラム周辺には日本人が来ているという話も聞いているので、やはりこういったものを作る人たちもいるのだろう。1回見に行ってみようかなぁ。


(こっちで長く実績を積んだ人なら損失無く帰れるでしょうし、帰りたい人がいたら検討してみましょうか。もっともこっちで過ごすほうがいい人もいると思いますけど)


 ちなみにボクとの出会いは向こうに帰ると忘れるので注意が必要。


「ふぅん。これが最近の流行りねぇ~。初めてだわ」


 カルラさんたちにとっては新鮮なようで、あたりをきょろきょろと見まわしている。

 通路をしばらく進むと大きなサロンに辿り着いた。ここにも竹細工の物も多いようでいすや机にも使われていた。


「ここから各お部屋への通路が繋がっているようね〜」


「最近流行と冊子には乗っていましたが、なかなか興味深い。自然との調和を意識してるのですかね」


 いろいろな意見はあるだろうけど、自然重視という意味では間違ってないと思う。

 少なくともこの場所には木や竹由来の製品が溢れているのだから。もう1つのほうはおそらく石材で色々と作られているような気がするので、かなり対象的な作りになっていそうな予感がする。


 サロンになっている部屋からは各部屋への通路や露天風呂、大浴場に続く通路が存在しているようで浴衣を着ている人が見受けられる。というか浴衣なんて誰が作ったんですか?

 迷い人がいるとはいえ異世界という概念が頭にあるボクには安心するより逆に混乱が先にくる。

 軽く階数表を見てみると屋上露天風呂との記載があった。1階には大浴場があるらしい。

 

「露天風呂? どういうものなのでしょうか」


「大浴場って広いのかな? 広いお風呂ってどんなのだろう?」


 他のメンバーは単語の意味がよくわからないようなので説明してあげた。すると「よく知ってるのね」と感心されてしまう。説明はしたけど露天風呂でさらに驚くことになるんだろうけど。一応説明したときは「あはは、そんなまさかぁ」という反応だったけど。


「さて、お部屋へ向かいましょう。みんな一緒の大部屋だから楽しいわよ〜」


 ウキウキ気分のカルラさんは誰よりも早くお部屋に行きたいらしい。

 続いて他のメンバーもお部屋の方に向かって歩き始める。

 それにしても、なんでボクまでお泊りすることになったんだろう。そんなことを思っていると館内にアナウンスが流れる。なんと館内放送が完備されているようなのだ。


「団体でご宿泊のお客様の狐白様。ご家族の方がフロントでお待ちです。至急フロントまでお越しください」

 

 館内放送で呼び出されたのはなんとボク。まさか呼ばれるとは思いもしませんでしたよ。というかご家族IS誰!?


「あれ? 狐白ちゃん家族と来てたの?」


「納得」


「え? でも18だって」


「いやいや、まってください。ボクはそもそも1人でしたよ。18も本当ですって。むしろご家族が誰なのかのほうが疑問ですからね!」


 みんなしてボクを子供扱いしてくる。というかエミルさん、納得ってなんですか? やる気ですか? たしかに妖種としては子供ですがちびっこ扱いはやめていただきたいのですが。


「まぁまぁ。とりあえずみんなで行ってみましょう。騙りだったら対処必要でしょ」


 というわけでカルラさんの一声でボクたちは全員でロビーへと向かった。


「いやぁ申し訳ございません狐白様。こちらの方がどうしてもということで……」


 困り顔のマイクさんが示す方向には小さな子供。もとい、メルディアがいた。マイクさんに大きな結晶を突きつけて現在進行形で抗議している。


「あ、フェアリーノーム」


「出会ったら逃げなきゃ瞬殺されることで有名な存在!?」


「フェアリーノーム様。初めて間近で拝見しました」


「ノームっていうのにノーム感がないのはなんでですかね」


「フェアリーノーム様珍しい」


 各々フェアリーノームに関する感想は様々だ。ただ「出会ったら逃げなきゃ瞬殺」は初めて聞きましたよ。


「メルディア。何をしてるんですか? よくここが分かりましたね。おっと」


 ボクが声をかけるとメルディアは結晶を押し付けるのをやめてボクに抱きついてきた。

 どうやら心配してくれていたらしい。

 それからジェスチャーや筆記などで意思疎通を図った結果、ボクがどこかに連れ込まれたようなので追ってきたとのこと。入館料が必要ならこの結晶売っていいから入れろとマイクさんに押し付けていたとも。


「マイクさん、よく喋らないのにわかりましたね」


「はい。わたくしこれでも支配人。お客様のご要望はどんな言語であろうともコミュニケーションで聞き取り解決することをモットーにしておりますです」


 見上げた根性である。なんだかマイクさんを尊敬したくなってきましたよ。


「フェアリーノームといえどお泊りは一向に構わないのですが、代金にと押し付けられた結晶。これは【精霊結晶】という非常に高価な結晶でして。当宿ではお釣りが出せなくて困っていたのですよ」


「へぇ〜。ちなみにどのくらい高いのですか?」


 なんとなく興味が湧いたので値段を確認する。すると驚きの価格がでてきたのだった。


「現在の相場ですと10億クレムですね」


「……」


 とりあえずメルディアさん。宿の代金に10億突きつけるのやめてもらっていいですか。

 

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