第37話 ミリアたちの特訓
▼惑星ウル イストーの街 近郊の森 廃墟の館近辺
狐白様と別行動した私たちは、メルディアさんの案内で実践訓練を始めることにした。
目的は狐白様の護衛兼一緒に冒険するため。
私ことミリアと水の精霊のアルカ、光の精霊のイリス、闇の精霊のアルマは接し方は違っても思っていることは一緒だ。
「それにしてもこはくちゃんって不思議だよね〜」
「アルカ、その呼び方は失礼じゃない?」
「そんなことないよ〜。こっそり聞いたらいいって言ってたし〜」
「それならいいですけど。一応主なんですからね」
「ミリアちゃんは相変わらず固いんだから〜」
アルカとイリスとアルマ含め後数名同じ時期に精霊になった子がいるけど、みんな総じて仲が良い。
属性など気にしないでお互い好き同士で集まっているのだから当然か。
他には火の精霊の子や土の精霊の子もいるけど、彼女たちは今狐白様の領域で作業のお手伝いをしている最中だ。
向こうでのお手伝いが落ち着けばこちらに合流してくることになっている。
「それにしても〜精霊王様たちの判断にも驚いたよね〜」
「精霊王様たちが誰かのメイドになるなんて想像もできませんでし、私たちの世界である精霊界はそのままにこは様の領域へ移住するって判断されたことも驚きでした」
「オニキス様曰く、こはちゃんからは創造主の血筋を感じるって。創造主様が去ってから長い年月が経ったけど、オニキス様たちはずっと創造主様の帰還を待ってたから」
精霊王様たちが移住を決めたきっかけは間違いなくアルマの言う通り、血筋が戻ってきたことだろう。
まぁエメラルド様が話すには創造主様は一箇所にずっといるわけではないらしいですけど。
私たちの知らない世界を自由に渡り、様々な世界にその痕跡を残すそうです。
私にはよくわからないけど、私たちの主となった狐白様は柔らかい雰囲気を持った私たちを引き付ける存在であることは間違いない。
「はーい。お話中悪いんだけど〜、メルディアちゃんが戻ってきたよ〜。一角猪1頭来てるから気をつけて〜」
「おっと。じゃあ手はず通りにまずはアルカが先行でね」
「りょうか〜い」
私たちはアルカの言葉を聞いてそのまま戦闘態勢のまま待機した。
しばらくすると合図と同時にメルディアさんがこちらに飛び込んできたので、アルカがすぐに水の盾を展開して突進してくる一角猪を妨害する。
突然水の中に突っ込む形になった一角猪はそのままジタバタと暴れ、水の盾から抜け出す。
「じゃあ行きます!」
次に一角猪が体勢を立て直す前に私の剣の一撃で斬りつける。
一角猪は皮膚が硬く厚めの脂肪があるので肉を切り裂くまでには至らない。
なので風を纏わせてさらに深く、さらに鋭く切り込ませていく。
「ブギィィィィィィ!!」
肉を割かれる痛みに耐えかねたのか絶叫を上げる一角猪。
そのまま剣は骨まで到達して止まる。
やはり骨は硬い。
「補助行きます! 【ブレッシング】」
イリスの掛け声と共に身体から力が沸いてくる。
光の精霊の力の1つである強化術【ブレッシング】が掛けられたのだ。
これによりさらに強く、深く切ることができる。
「うりゃあああああ!!」
気合一発。刃は一角猪の身体を切断するに至った。
身体を断たれた一角猪はそのままよろよろと動き、やがて地面に倒れ伏した。
ちょっと時間はかかったけど、討伐完了だ。
「ふぅ。やはり慣れないときついですね。刃が思った以上に通りません」
「いい感じだよ~。一緒に慣れていこうね~」
「まずは最初ですから。わたくしももう少し早めに補助をかけるようにしますわね」
「出番なかった。でも今回はミリアちゃんの練習だから問題ない」
「ふふ。ありがとうございます」
こうして一回目の討伐が完了した。
でも次もまだあるんですよね。
だってメルディアさんめちゃくちゃやる気ですし。
そんなこんなでしばらく猪相手に戦いコツをつかんだ頃、メルディアさんがお手本とばかりに一角猪を目の前で討伐してみせた。
大きさは縦だけでも狐白様くらいありそうなサイズだ。
それをメルディアさんはどこからか取り出した鋭そうな大斧で一刀両断してみせる。
それから、「やってみろ」と言わんばかりに両断された大きな一角猪を指すのだった。
フェアリーノームって可愛い見た目に反してめちゃくちゃ強くないですか!?




