第23話 精霊とイストーの街
イストーの街は相変わらず人で賑わっている。
市も前に来た通りの人の多さだし、売っている物も多少の入れ替わりはあれどそこまで差異はないように思える。
ちなみに、周りの人は誰も気が付いていないけど人の中に人の姿をした精霊が混じっていることがある。
ボクたちは割と敏感に感じ取れるけど、『精霊です』という主張するような力は完全に隠されているようだ。
そんな精霊の彼らも武具を身に着けて、ここでいう【探索者】に身をやつしているようだ。
「精霊といっても様々です。精霊自体は【根源精霊】以外は基本的に人間と同じように生活しています。精霊界では人の姿ですけど、こちらでは光の球の姿になってしまったりしますね」
そう教えてくれるのは風の人型精霊であるミリアだ。
彼女は黒髪の中学生くらいの美少女で革鎧と剣を手にしている。
ちなみにこの武具はトパーズからの支給品だ。
精霊王から貰うからといって特別な効果はないらしく、王様から貰うひのきの棒みたいなものらしい。
なお、剣は錬鉄製とのこと。
「調べたところによると、こちらではお金がない人向けに青銅武器も製作販売しているそうです。さすがに銅武器は耐久力に問題があるようですが、どうしてもお金がない場合は一応作ってくれるそうです」
どうやらミリアは色々と調べているようだ。
「お腹が空くにおいがしますね~」
のんびりした口調のアルカはサポート兼盾役だ。
金髪の中学生くらいの身長の美少女なのだが錬鉄製の武器防具を装備している。
使う武器は棍棒、まぁメイスでもいいらいし。
殴れるリーチが長い武器が欲しいといっていたので、お金が貯まったら金棒を買ってあげようと思う。
鬼族おすすめのいいやつをね。
「ちなみに私たちのような【根源精霊】ではない精霊を【精霊族】と呼んだりします。人間たちが召喚するのは基本的に【根源精霊】ですね。私たちも呼び寄せたりはしますけど、【根源精霊】はむき出しの力ような存在ですのでじっくり付き合っていかないと希望したような結果を出してはくれません。半面、仲が良くなるとちゃんと指示通りに動いてくれますよ」
「精霊って属性以外は基本同じだと思ってました」
ボクの中での精霊といえばふわふわ浮いてたり、色々な姿をしている若干妖精に近い存在だった。
ゲームの影響と言われればそうです。
「分かれるポイントは最下級精霊です。最下級精霊はいわゆる精霊の卵の状態でして、最下級精霊から下級精霊になるタイミングで私たちのような【精霊族】になるか【根源精霊】になるかに分かれます」
どうやら精霊にも色々な事情があるらしい。
「ということは、意思が芽生えて人の姿を取ろうとする方向に進むか、それ以外の方向に進むかで分かれると」
「そういうことになります。【根源精霊】は基本的に快か不快か、好きか嫌いかで判断することが多いですけど」
精霊って思ってたよりも複雑なんですね。
最下級精霊からどう分かれるのか、一度見てみたいです。
「さて、精霊の話は一旦一区切りにして今回の探索のメインは商品の仕入れです。とはいってもそれだけでは何なのでそれぞれの組合も見ていきたいと思います」
というわけでイストーに存在する【商業組合】と【探索者組合】を見ていこうと思います。
それ以外にも色々な組合があるらしいのですけど、頭がこんがらがる気がしますので。
そんなわけでボクたちはさっそく【探索者組合】を見学しに行くことにした。
「【探索者組合】かい? それだったら広場の噴水から南に伸びている大通りを進めば見えてくるよ」
「ありがとうございます」
通りかかった中年男性に場所を聞いて目的地を確認する。
イストーの街は中央にある噴水広場から東西南北に大きな道が通っている。
ちなみに神殿があるのは噴水から見て北西側とのこと。
北の目印は噴水広場からすぐ目の前にある大きな塔だ。
「まぁ最近色々な人が増えて来たから気を付けなよ。女性だらけのパーティーなんて狙われやすいからね」
もしかして絡まれるイベントが発生したりするのでしょうか?
ちょっと気になります。




