第17話 精霊メイド増える
マールさんから身分証を受け取ると同時に神殿の衛兵さんからいくつかの注意事項の説明を受けた。
その後、ボクはなぜか神殿関係者専用門の通行を許可された。
今後は身分証をここで出せば神殿経由で自由に通っていいらしい。
それと滞在したい場合は神殿内の宿泊所を使えるとのこと。
なんだかマールさんに出会ってから良いことばかり起きている気がする。
今度マールさんに何か贈り物をしようかな。
それにしてもマールさんの影響力強すぎないですか?
イストーの街を出て森へ行き、例の廃墟から領域へと戻る。
さっそく下界のお土産を渡そうとアクアを探したところ、建築中の建物の前で発見。
アクアが誰かと話していたので声を掛けるのは後にしようかと思っていたところでアクアに無事捕まる。
「お帰りなさいませ、狐白様。お話しておりました同僚を連れてまいりました」
アクアにそのまま運ばれ、ボクは5人の女性の前に連れていかれる。
「ルビーだ」
「エメラルドと申します」
「トパーズだよ」
「ダイアモンドですわ」
「オニキス」
見知らぬ女性に囲まれ、ボクは若干混乱気味。
とりあえず情報を整理しよう。
ルビーは短めの赤い髪をしたアクアよりは若干背の低めの女性。
勝気そうな感じで姉御オーラが漂っている。
火の属性らしい。
エメラルドはアクアと同じようなメイド服に身を包んだ黄緑色の髪の女性。
身長はアクアより高く、髪は肩口程度で揃えられている。
とても真面目そうな雰囲気がある。
ちなみにアクアは背中まで長い髪をしている。
エメラルドがキリッとした目つきなら、アクアは若干穏やかで優し気な目つきになるのかな?
トパーズは黄色の髪を後ろで束ねた身長低めの女性だ。
でもボクよりは高いので150cm以上はあると思う。
元気そうな感じの職人っぽい雰囲気をしている。
あとオーバーオールを着ているのが特徴。
ダイアは白い髪を長く伸ばした小柄な少女という見た目をしている。
全くそっくりな見た目の黒バージョンがオニキスという少女のようだ。
身長はトパーズより高くアクアより小さいので155cmかそこらだと思う。
どうしてみんなボクより身長が高いのか。
感情が薄そうな目つきをしているのはオニキスと同じ。
もしかして双子?
オニキスはダイアの色違い。
完全にそっくりなので双子なのは確実だと思う。
自己紹介の際の言葉数の少なさから、淡々と話すのではないかと推測する。
「よ、よろしくお願いします。【狐宮狐白】です」
とりあえずボクも自己紹介をし、そのまま契約の流れになった。
なぜか桃花がそわそわしているのが気になるけど、もしかして上司とかですか?
「あ、人数分のお土産はないかもですが、チョコレートが売っていたので買ってきました。食べられそうなら食べちゃってください」
「ありがとうございます。私たちも食べられますのでご安心ください」
とりあえずチョコボールは12粒入っているみたいだから安心かな? ガルドさんたちの分は大蛇の涙でいいか。
「ところでご主人様」
不意にルビーに声を掛けられる。
「どうかしましたか?」
「いや、大したことじゃないんだが、あたしの眷属が契約精霊にいないのはなんでかなーと思ってな。火の精霊はいいぞー? 何ならトパーズの眷属と協力すれば色んな鍛冶にも応用できるからな次はぜひ火の精霊と契約してやってくれ。あんま森にはいないから別の場所がお勧めだぞ」
「まぁルビーの言ってることは正しいかもね。あたし的には土系統の精霊が2人も契約されてることに鼻が高いけどね!」
「いくら森の同格が存在しないからといって植物の精霊を自分の系譜とだけ言ってしまうのは問題がありますよ。土と水と風の系譜と考えるべきです」
「えー、そう? じゃあ本人に聞いてみよーよ! ね、桃花ちゃんはどの精霊王が好き?」
「え? あぁ、えっと……。わ、私は主様の眷属ということで……」
「もうー! それじゃつまんなーい!」
トパーズとエメラルドに詰め寄られて返答に窮してしまう桃花。
なんとなくしっかり者のイメージがあるだけになんだか新鮮だ。
「あ、主様ー! たすけてくださーい!」
「はいはい。あまり桃花に迫らないであげてくださいね」
耐えられなくなって逃げて来た桃花を抱きしめてなでてあげる。
みんな優しいことは分かるけど決められないんじゃ仕方ないしね。




