第3話 しまった!やらかした!
私は、特にその場でやることも無く、スマホで求人サイトを見ていた。いつものように。お気に入りに入れたり、外してみたり。
この場所は1時間300円だというので、とりあえず、1時間で出ようと思った。スマホを弄りながら、周りの人の様子をチラチラと伺っていた。
あの眼鏡の人はパソコンで仕事してるのかな?フリーランス?
あの手芸をしてる女性は沢山作っているし、ハンドメイド作家かな?
大きな卓袱台では何やら、会議をしているようだ。
皆、仕事か……。私は……何してるんだろう……。
「今、経理の子が辞めちゃってさ、探してるんだよ。誰かいないかな?」
え?
「うちは、CAD出来る子が辞めちゃってさ、俺、手描きの図面しかひけなくてさ。誰かいないかな?」
「うちも、SNS?あれ出来る子が辞めちゃって困ってるんだよ。」
そんな会議の話が聞こえて来た。ここって何??
「SNSなら私やろうか?」
小林さんが会議に加わった。
「僕、CAD出来る人知ってますよ。」
眼鏡の人も加わる。
「経理は流石に居ないか……。」
「あ、あの、私……。」
思わず私も加わってしまった。
一同の視線が私に向く。
(しまった。やらかした!)
俯く私に小林さんが、
「彼女は木村さん。今日から皆の仲間。」
「え?」
思わず顔を上げた。
「そう。木村さん、よろしく。」
「よろしく。」
「宜しく。」
「あ、よ、よろしくお願いします。」
「で?木村さん、誰か経理出来る人知ってるの?」
小林さんが優しく尋ねる。
「私……その……補助ですが、経理をやってました。簿記2級を持ってます。」
言ってしまった!!
「おおーーー!!」
「すごーい!」
「助かるー!」
その後はお茶で乾杯した。
皆、笑顔で迎えてくれた。私も笑顔がこぼれた。
これが、私のこの小さなプロジェクトとの出会い。
続く




