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恋よ咲け  作者: Lilly
恋が咲いた後のお話
21/27

第二十一話 ありがとね、るーさん

 デートの日は、次の日曜になった。


 一度好きという感情を理解してしまうと、色々と大変だ。感情が今までと違って、荒ぶってしまう。


 今日も、荒ぶってしまった。

 帰り際、涼さんに頭を撫でられただけで、一日その事を忘れられなくなってしまっている。


 私、こんなに弱い女だったっけ。


 それとも、恋というのは、愛というのは、人を弱らせるものなんだろうか。


「それは違うよ、みーさん」


 るーさんは、そう言う。


「人を弱らせるんじゃない。人を強くさせるの」


 るーさんは、誇らしげにそう言った。




 制服をしまうために、自分の部屋のクローゼットを開けた。

 そこには、あまり服はなかった。


 ・・・あれ、これダメじゃない?

 私、次の日曜にデートに行くのに、あんまり服ないのって、ダメでしょ。

 今クローゼットの中に入っている服は、この前お父さんとご飯を食べに行った時に来た服と、水色のパーティードレス。それと、中学時代の制服。

 あんまり外出はしないし、服にもさして興味もない。流行りの服とか分からないし・・・。

 あ、いっそのこと着物とか着ちゃう?

 ・・・いや、絶対ダメだ。

 そもそも遊園地に行くには、どんな服を着ればいいの?

 分からない、何も分からない・・・!!


 そうだ、るーさんに連絡しよう。


 るーさんはワンコールで出た。

『あ、みーさん。どうしたの?』

「ちょっと、るーさんに聞きたいことがあって・・・」

『何〜?』

「えっと・・・その・・・、涼さんと、今度の日曜日に・・・」

『日曜日に?』

「遊園地に、デートへ行くことになりまして・・・」

『え、デート!?それも遊園地!?いいじゃん、いいじゃん!』

「あ、うん。いいんだけどさ・・・」

『何か問題でもあったの?』

「服が、なくて・・・」

『え』

「だから、るーさんと一緒に買いに行けたらなぁと思いまして・・・電話しました」

 気づいたら、敬語になっていた。なんなら、電話しながら正座してしまっている。

『分かった!!行く!!ついでに自分の服も買う!!じゃあ、明日の放課後ね!!』

 るーさんは、謎のハイテンションで返事をしてきた。

「ありがと。じゃあ、切るね」

『は〜い!!』

 電話を切る直前に、るーさんが「楽しみだなぁ」と言っているのが聞こえた。

 次の日の放課後、私はるーさんと一緒に最寄り駅の一駅先まで行くことになった。

 最寄り駅の一駅先の駅は、大型ショッピングモールが多く、流行りの服とかもたくさんあると聞いたことがある。


 いざ、大型ショッピングモールに入ると、キラキラしていて私はあまり馴染めないような場所だった。

 どこを見ても、人、人、人。クラクラしてきた・・・。

「遊園地だもんね、スカートよりズボン系の方が良いよね」

「そ、そうなんだ・・・」

 ショッピングモール内をぐるぐる回りながら(ついでに私の目も回りながら)、るーさんはデニム生地のガウチョパンツを見せてきた。

「これとか、よくない!?」

 今は秋。調節のしやすい服装がいいらしい。

「あ、あのガウチョパンツとさ、このカーディガン合わせたら良くない!?」

「そ、そうだね・・・」

 もう、訳わからない。どれも同じに見える。

「みーさん?大丈夫?」

「あ、ごめん。ぼーっとしちゃってた」

「・・・みーさん、服選ぶのやめようか。何か、甘いの食べよう」

「え?でも、服選ばなきゃ・・・」

「私が選んじゃ意味ないでしょ。それに、みーさん私の話聞いてないでしょ」

「あ・・・」

 バレてしまった。

「デートするのは、私じゃなくてみーさんなんだから、みーさんが主体となって選ばなきゃ」

「うん、そうだね・・・」

「ということで・・・とりあえず甘いの食べよう!!何食べる?」

 正直言って、るーさんの気遣いが嬉しかった。

「ありがとね、るーさん」

 私がそう言えば、るーさんは太陽のように笑った。

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