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Muder World Amazing  作者: 黒澤 ユウ


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3/3

Ep1 青眼少女、街へ降り立つ その2

 街の上空を駆ける。

 装着した機器をかけて、辺りを確認する。

 このマダラースコープは、

位置情報や周辺のあらゆる

細かな情報を収集できる。


「高度確認、気温、天候どれも問題なし」


 天気や高さだったり


「近くには……彼女の体温はなし。こっちにはいないか」


 サーモグラフィー、熱の情報によって

人を的確に判別してくれる。


 今いるところは

親友、理奈は感知できなかったので

いないということになる。


 他にも多彩な機能があるが

とりあえず、それはまずおいておく。


 転々と場所を変えながら

絵美のくれた情報をもとに行く。

オカイドキスーパー前。


 駅のある十字路。

商店街周辺だが、あそこでいったい

なにをやっているのだろうか。

 いつも人だかりが密集する場所

だが。


 まあ探すのに苦労することは

まずない。

 私たちが持つこの

マダラースコープは精密性が極めて高い。

 誤りなんてまずありはしないのだ。


「D地区到着。さてと」

「人にぶつからないよう、降りてっと」


 雑踏の中へと飛び降りる。

当たらないように開けた場所へと

着地。


迷惑がかからないところにしたほうが

効率的だ。


 狭い路地へと降りて。


「理奈が行きそうな場所。場所。あそこかな。

あの子ならいつも立ち寄りそうだし。いってみよう」


 さすがに、街中で勢いよく疾走するのは危険。

 都市内でも、人気(ひとけ)のある場所では

速度制限が設けられている。

 もしこれに反すると、

周りにいる警備ロボ――マダロイドに

捕まり、罰金が課せられる。


 人型の二足歩行のその機体は

量産型にかかわらず

 とても高性能だ。

 技術工と工廠工がいつも手を取り合って

作っている機体のため、

その安全性は折り紙付き。


 ハズレは今まで一度もない。


 私たち殺人者は、

尋常ではない速度が出せるので

公共の場では、こういった制度が設けられている。

 お互いにルールは守りましょうね

といったところだ。


「駅のコンビニに反応。あそこか」


 駅側に彼女らしき反応があった。

特殊な動力Xエナジーと呼ばれる

組織が人各々には備わっている。

 それを識別して街歩く人の中でも

特定することができる。


 時間もかからないし

近くにいればすぐだ。

 おや、そうこう考えていたら

見慣れた人影が目に入った。


「見つけた。ここにいたんだね」

「蒼依ちゃん、急にどうしたの。もう任務終わった感じ?」

「予定より早く終わってね。そのあとあなたの姿が見えなくて

探しに来たんだけど。スマホ切ってた?」


 送信はしたが反応がなかった。

電波不良とは到底信じがたいけど。


「あぁごめん。使う必要ないかなって一旦切ってた」

「え、そうなの?」

「てっきり誰かに襲われたのかと」

「過保護だね、大丈夫だって。それになにか

不審な動きがあっても周りにいるマダロイドが

なんとかしてくれるよ」


 全く問題はなかった。

 駅前のすぐ横にあるコンビニ。

 そこで立ちながら理奈は休憩を取っていた。


 彼女が私の親友――『黄美江理奈(きみえりな)』。


 膨らんだ断髪をしており、

見るからに、絶やさない朗らかな笑顔

をいつも視線から送ってくる

前向きな性格の持ち主だ。


 組織でも、彼女がいつもみんなに

優しく接してくれて、気を和やかにさせてくれる

私の同級生。


 なので彼女は組織に

必要不可欠な存在他ならない。


「大袋抱えて今日なに買ったの?」

絆手(ばんて)でしょ、MRE何種か、飲料

……とそれから」


 彼女の両手から掲げられた

その袋には

たくさんの物が今でも溢れかえり

そうなくらい多かった。


 全て組織のみんな用にと買った物

だと思うが

 そこまで買い込まなくても

いいと思うよ。


「ちょっとここで待ってて。すぐ戻るから」

「あ、ちょっと蒼依ちゃん?」


 手を差し出すも

私は早々とコンビニの中へと入った。


「すみません、大の袋を1枚下さい」


 料金を払って大の袋をもらう。

さすがにあそこまで多く

かさばった1袋を、帰るまで見物しようなんぞ

拷問のように思えて、返って背徳感しか

残らない。


 なら分け合ってやったほうが

互いのためにもなる

と思う。


 コンビニを出て袋を開け。


「はい」

「え、そんないいよ、悪いし」

「でもとても重そうだし、私にも背負わせてよ」

「……ありがとう、なら少し持ってもらおうかな」


 少々、目を側め顔を赤くさせた。

恥ずかしそうに戸惑いの様子も

見せたが、

 恐る恐ると開けた1枚の袋に

たくさんの物が入ってくる。

 あれ、思ったより多いのだけれど。


「多いとは思ったけれど、ここまでとは」

「だからいいって言ったのに」


 あっという間に袋は満杯に。

 そこまでというわけではないが

家――組織まで距離がある。


『……だから大丈夫だと言おうとしたのに』

「ごめん聞くべきだったね」


 電話で報告すると、

呆れたような顔をする、礼名の顔が映り込んだ。

 隣では政希さんが

うんうんとひたすら頷く様子があった。

 何か言ってくださいよ。


『まあいいんじゃないか。それにお前ずっと

こもっていても暇だっただろ。

タイミングも相まって、逆に良かったんじゃないか』


 さっきまで弱音吐いていた人が

なに言ってるんですか。


「その礼名、政希さん? 絵美と美咲は」


 目を泳がせながら

うまく話を逸らそうと話題を変えようとした。

 だが一向に礼名はこちらを睨んでばかり。


『反省してます? 話題変えてごまかそうとしてないですか』


 図星ついてくるな。


(痛いところつかれちゃったね

蒼依ちゃん)


 横から小声で言いながら、

軽く肩に手を乗せてくる理奈。

 ドンマイと。


『まあ大目にみてやれよ礼名。気にかけるのは

良いことだよな。理奈、蒼依』


「はい」

「はい」


『2人は今菓子食べに地下に行ったぞ』

「へぇー呑気ですねぇ」

『顔怖いぞ……お前』

「き、気のせいでっす! ふん」

『すねちゃいましたね、政希さん』

『……すまん蒼依』


 べつに羨ましがっているとか

そんなことはない。

 こっちも構ってほしいとかそんなのも。


「ねぇ(りき)入っちゃってない? 大丈夫」

「へーきよへーき」


 帰ったら美咲に言いたいこと

言おう。


『話は変わりますが蒼依さん』

「うん、なに?」

『関沢指揮官から聞いた話

なんですけどね』


 私たちに指示をしてくれる

尉官の方から伝達?

 上層部――アマンドでいったいなにか

大事(おおごと)になる話でも

あったのだろうか。


 近頃、要注意殺人者は

出てこなかったが漏洩情報でも

流れてきたのだろうか。


……嫌なことに巻き込まれないと

いいのだけれど。

 横目をやり、首を傾げる理奈のほうを見た。


「蒼依ちゃん?」

『真相は定かはわかりませんが、

闇で暗躍している集団がいるみたいです』


 集団?


『顕著な情報がないので、一概には言えませんが

不測の事態に備えて注意してくれ

とのことでした』


 情報が少なくなんとも言えない。

怪しく思った私は、考えを巡らせ

眉を閉じる。


『そう今は難しく考えるな。今は蒼依、理奈と一緒に

帰ってくるのが先決だ』

『今抱えている量、道中、ファミレスで時間潰

してもいいからちゃんと2人して帰ってこいよ』

「はい、なるべく遅くならないようにはします」


 とても私の俊足を駆使しても

中身が無事で残る可能性は

ないだろうし。

ここは政希さんの言葉に乗じようかな。


 グチャったら大変そうだしね。


『ですね、何かあったら、すぐさま駆けつけるので

お願いしますね。……それでは』


 通信が途絶える。

 さてどうしたものか。


「……近くにファミレスあるけれど」

「楽デリア(:破格の人気ファミレスチェーン店。

幅広い年齢層に好評)あるね、入ろうか」


 昼も過ぎているし

時間もちょうどよかった。

 ご飯を抜くこっちがいいかもだし。


 楽デリアの入り口。

 人はそこまで込んでいない。

 弓状のガラスからは、おいしく料理を食べる

客層が窺えた。


 自動ドアの前ふと高層ビルの上を

見つめる。


「どうか……した?」

「……ううん、誰かに見られている

そんな気がして」


 不思議に思いながらも

中へと入った。

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