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第144話 そうだ、ゲームをしよう!

「ねぇねぇ、蒼太くん。美月が一緒にゲームしたいって言ってるんだけど、今日ってうちに来れないかな?」


 学校に向かうバスで優香と一緒になると、すぐに優香がそんなことを言ってきた。


「もちろんいいぞ。何のゲームをするんだ?」

「それは内緒にして欲しいって、美月に言われてるの。ごめんね」


 優香が申し訳なさそうに、顔の前で両手を合わせる。


「ははっ、美月ちゃんらしいな。きっと優香に伝えてもらうんじゃなくて、自分で直接言いたいんだろうな」


「多分ね。あの年ごろの子って、そういうところあるから。かくいう私も昔はそうだったから、人のことは言えないんだけど」


「あるあるだな。俺も出たばかりのおもちゃを買ってもらった時とか、いいだろーって言いたくて言いたくてしょうがなかったもんなぁ」


 美月ちゃんの可愛くて子供らしい考え方に、俺はなんともほっこりしたのだった。


 というか優香は今だって、ラインで連絡をくれたらそれで済むのに、こうやって直接話したがるよな。


 もしかして俺と直接、話をしたいからだったり――なんてことを、優香のことをことさらに意識するようになっている最近の俺は、少しだけ考えてしまう。


 もちろん俺の勝手な思い込みだ。

 優香は真面目だし、お願いをするんだから顔を合わせないと失礼、みたいな考えなのかな?


 ま、俺的には優香のお願いなら、ラインだろうが矢文だろうが、天気がいいからと前触れもなく呼び出されようが、二つ返事でOKなんだけども。


「じゃあ今日の放課後にお邪魔するな」

「ありがと♪」



 そして学校が終わってから優香の家に遊びに行くと、


「おねーちゃん、お帰りなさい。そして蒼太おにーちゃん、いらっしゃいませ」


 玄関を開けるとすぐに美月ちゃんが小走りでやってきて、礼儀正しくお出迎えをしてくれた。

 帰りに優香が家にいた美月ちゃんに電話をしてくれていたので、美月ちゃんは俺たちが来るのを待ち構えていたようだ。


「ただいま美月」

「美月ちゃん、こんにちは。お邪魔させてもらうな」


 優香と俺は笑顔でそれに応えると、


「それで、あの! 今日は蒼太おにーちゃんと、一緒に遊びたいゲームがあるんです」

 早速美月ちゃんが本題を切り出してきた。


「優香から聞いてるよ。でも何をするかは聞いてないから、教えてくれるかな?」

 はてさて、美月ちゃんは一体何のゲームをしたいのかな?


「美月がしたいのはこれです」


 そう言うと、美月ちゃんはずっと後ろ手に持っていた何かを、得意げに見せてくれた。

 それは1枚の大きなシートだった。

 シートの表面には、4種類の色をした小さな円がいくつも描かれていて、とてもカラフルだ。


 これって――、


「ツイスターか」


 ツイッターと名前がよく似ているが、Web作家が投稿小説で微妙に名前を変えて使うパチモンSNSとかではなく、複数人で遊ぶ、アメリカ発祥の有名なパーティゲームだ。


「はい! この前テレビで見て面白そうだなって思ったら、パパが会社から持って帰ってくれたんです」


「会社から……?」

 ってことは、2人のお父さんはおもちゃ会社に勤めているのかな?

 タ力ラトミーとかバソダイとか?


 それとも宴会の余興かなにかで使うんだろうか?

 宴会部長をやってる的な?

 まぁ、大人の宴会とかよく知らないから、なんとなくのイメージだけど。


「どうかしましたか?」


「ごめん、なんでもないんだ。えっとルールはたしか、触る色を指示する人の言葉に従って、2人が色のついたサークルを交互に触っていくんだよな」


「はい、だから遊ぶのに3人いるんです」

「なるほど、だから俺が呼ばれたわけだな」


 美月ちゃん、優香。

 そして2人の共通の知り合いである俺。

 納得の理由だった。


 でもそっか。

 そういう意味では、今の俺ってかなり特別なポジションにいるんだよな。


 優香の友達がみんな美月ちゃんの友達ってわけじゃないだろうし、逆もまた然りだ。

 なにせ高校生と小学、年齢は7歳差。

 交友関係はほとんど被らないはず。


 2人の交友関係を深くは知らないから推測だけど、俺は優香と美月ちゃんの両方が気兼ねなく付き合える、数少ない存在なのかもしれなかった。


 およっ?

 よくよく考えてみたら、今の俺って超絶に破格のポジションにいるんじゃね?

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― 新着の感想 ―
[良い点] ツイスターゲームって、えっちなトラブルしか起きない・・ゲフンゲフン
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