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側室出身王女と正室出身王女の世界転覆  作者: 空色 蒼
第一章 貴族院編
28/43

28. 5日目 病気?

誤字報告ありがとうございます。

修正させて頂きました。

□■□



 「さて、レイラ。今更だが紹介しよう。彼女は私の専属侍女を務めているルーナだ」


 「ルーナです。以後お見知りおきを」


 あれから数十分後、ようやく別邸に着いた私達は居間へと場所を移し、休息を取っていた。


 「……ねぇ、アンタのさっきの姿って何なの?ニンゲンのくせに、耳と尻尾があったよね?」


 「あ、あれは……その―――」


 「あれはルーナの魔法さ。風系統魔法の探知魔法の一種だ。確か名前は…」


 「探知魔法で『獣の遊戯』です。この魔法は風の動きを鋭敏に感じ取る事が可能となり、さらに風にのって運ばれる匂いを嗅ぎ分ける嗅覚の強化もしてくれるモノです。ただ…その代わりに獣の耳と尻尾が魔法によって一時的に創り出されてしまうのです」


 ルーナはそれが嫌みたいだが、私は可愛いと思うぞ?今はレイラがいるから気を張っているみたいだが、いつものおっとりした彼女の雰囲気にとても似合う姿だ。


 「嗅覚…っていうことはボクの匂いを追って来たのか?でも、ボクはオマエと会ったことも無いのにどうやって?」


 「ん?それは単純に「あー言わないで!」レイラの服をルーナに嗅いでもらっただけだが?―――何か言ったか、ルーナ?」


 「あ~もう。ライリー様のばかぁ…何で言っちゃうんですか!」


 「いや、何でと言われても実際そうしたことを話したまでなのだが」


 もの凄く睨まれた。意味が解らないぞ。…ふむ、従者心は難しいな。


 「ヘッ」


 「へ?」


 「ヘンタイだ!気持ち悪い!ニンゲンは人の服の匂いを嗅ぐのか!?おまえら獣よりも獣じゃないか!」


 「違います!これは不可抗力です!私だってこの魔法そんなに好きじゃないんですよ!?」


 「そんなことボクが知るか!というか、実際に嗅いだくせにイイワケするなよ!!!」


 あーなにやら言葉の応酬が始まってしまった。確実に原因は私にありそうだが、この会話に入ると更に厄介な事になりそうだし……それにレイラの捜索を急いでいたのには理由があるんだからそろそろ話題をそっちに変えさせてもらおう。


 「レイラ、喧嘩よりも先にやることがあるだろう?」


 「やること?」


 「まったく…自分の事はしっかり把握しないと駄目じゃないか。口づけだよ。忘れたのかい?条件付けに一日一回すると教えただろう。そうしないと君の魔力は回復しないんだ。そろそろ日も暮れる。身体が重く感じていると思うんだが………そうでもなさそうだね。どうしてだ?」


 「どうしても何も、すでに朝オマエにキスは済ませた。ホントに気付いてなかったんだな……オマエ朝弱すぎるぞ」


 「ライリー様は昔からそうですので、致し方ありません。この方の起床は起きていただきたい時刻の三十分ほど前から始めるのが鉄則です」


 えっ?そうだったのか…そうすると今まで早起きしなければならない日はかなりルーナに迷惑をかけていた事になるな!?申し訳ないな、そこまで自分が朝弱いなんて知らなかった。まぁ、だがそうか…口づけが済んでいるんだったら、レイラの魔力の心配をする必要はないな。


 「けど―――それなら早くにルーナを呼びつける必要はなかったんだな~」


 「貴女様のそういう詰めの甘いところもルーナは知っていたので大丈夫ですよ。可愛らしい一面があるからこそ、私はライリー様の侍女でありたいと思うのですから」


 「褒められているのかは微妙なところだが、主として従者に慕われていて嬉しいよ。ありがとう、ルーナ」


 「それは良かったです。…すみません、ライリー様。少し休ませていただいてもよろしいのでしょうか?そろそろ…限界……」


 「ルーナ!!!」


 ―――危なかった。

 急に倒れこむルーナを何とか胸で受け止め、抱きしめる。レイラも咄嗟に反応していたようで、椅子から立ち上がって腕を伸ばした体勢だった。


 「レイラ、そのソファに置いている枕を端に寄せてもらえるか?」


 「わかった…これでいいか?」


 「あぁ大丈夫だ。そこにルーナを寝かせよう」


 どうした?朝から動いてもらったとはいえ、そこまでの重労働ではなかったはずなんだが。とにかく楽な姿勢をとらせてやらないと。


 「…軽いな。ちゃんとご飯を食べているのか?」

 

 持ち上げたルーナの身体は驚くほど軽い。これでマクシミリアン兄上と同じ17歳とは到底信じられないのだが。


 「どうしたんだコイツ?大丈夫なのか?」


 「いや、私にも訳が解らないんだ。彼女に持病はなかったはずだし…とにかく休ませてそれでも目を覚まさないようなら医療魔法師を呼ぼう。幸い、呼吸は安定しているようだから、そこまで酷いものではないのではないか?まぁ素人判断でしかないから、逐一様子を確認しよう」


□■□


 それから四十分が経った頃、ルーナが目を開けた。


 「ライリー様……」


 起き上がろうとする彼女の両肩をそっと押して、寝かせたままにする。彼女の不安げな表情に私は笑みを浮かべて安心させる。


 「大丈夫だ。少し疲れが溜まっていたんだろう。急に倒れだしたから心配したぞ」


 「ホントだよ。あんな倒れ方、下手したら大怪我してた。まぁ、コイツが床に倒れこむ前に受け止めてたから何もなかったけど……」


 「そうでしたか…。ライリー様、そしてレイラ。お二方ともご心配をおかけして申し訳ございませんでした。ですが、もうだいじょう―――んっ」


 起き上がろうとしたルーナは頭を押さえて、再びソファへと背中を預ける。…これはただの疲労からきた体調不良ではないかもしれないな。


 「医療魔法師を呼ぶか?」


 「いえ……それには及びません。これは先程の魔法のせいなので」


 魔法のせい?


 「探知系統は術者への負担が大きいのか?だが、そのような事実は耳にしたことがないぞ」


 「…今回私が使った魔法は極限まで嗅覚を高めるものです。そのため匂いに敏感になりすぎて、脳への影響が大きいのです。今日一日はこの頭痛は収まらないでしょう」


 「つまり鋭敏化された嗅覚による頭痛が引き起こされたという訳だな?わかった…レイラ、君はもう寝なさい。私はルーナの看病をする。もう浴場の場所は教えたし、ご飯も昨晩と同様に摂ってくれれば問題ない。それでいいか?」


 「わかった。べつにオマエの世話がなくてもボクは大丈夫だから、ソイツの側にいてやるんだな」


 「ありがとう」




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