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異世界でかけあがれ!!  作者: れのひと
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 入学試験がすべて終わり俺は宿へと戻っていった。借りている部屋に行くとまだ誰もいないので多分何かギルドで仕事を受けて外へ出ているんだと思う。


「ふぅ…」


 ベッドに横になり今日受けた試験の内容を思い出してみる。筆記試験は知らない内容が出てきて少し焦ったが、ある程度出来ていると思う。戦闘技能は力技とかじゃなく勝つことが出来たので問題はない…というかむしろよかったのでは? 魔法技能ははっきり言ってよくわからない。最後だからってなんであんなことをさせられたのだろうか? 疑問だけを残し何も説明がないまま解散。確か試験の結果には反映されないと言っていた。


「あれ…じゃあ俺の魔法試験はどうなったんだ??」


 思い出した内容に俺はベッドから飛び起き若干顔を青ざめる。そういえば学園に入れなかったら俺またしばらく3人の世話になる…んだよね。ここまで連れてきてもらったのにとんだ無駄足じゃないか…


「あ、シオン帰って来てた!」


 ロザリが扉を開けて部屋へと入ってくる。その後ろにはトールとクラックが。


「あ、お帰りなさい。あとただいまです」

「おう、試験はどうだった?」


 何気ないクラックの言葉にさっきのことを思い出し視線を逸らす。これで試験落ちていたら本当に申し訳ない。


「えーと…ちょっと予期せぬことが」

「予期せぬこと…何があったんだい?」

「ねえ、どうせ話すなら食事しながらにしようよ」

「そうだな、ちょっと早いが食堂へ行くか」


 ロザリの提案にうなずいた俺たちは食堂へと場所を変え、食事をしながらお互いの今日の出来事を話し合う。どうやらクラックたちは依頼を受けていたわけじゃなく、王都の町の中を見て歩いていたらしい。俺が過ごすことになるかもしれない王都の色んな店をチェックてくれたということだ。その言葉に俺は食事の手をとめてしまう。


「それでシオン試験はどうだったんだ?」

「えーと…筆記と戦闘技能と魔法技能だっけ?」

「僕の時もそうでしたし、確か今回もおなじはずですね」

「じゃあまず筆記はどうだ?」

「一部わからない内容があって…自信がないですね」

「どんなことがわからなかったんだい?」


 自信がないといった俺の言葉にトールが聞いてきたので魔法で少しわからない内容があったことを伝える。すると意外な返答が帰ってきた。


「魔法か~…あれは人によってとらえ方が違うから同じ魔法が使えるわけじゃないんだよね。だから解答された内容が実際に使用可能だと判断されれば正解になるんだよ。まあ間違っていてもその発想自体は評価されるはずだから大丈夫」

「相変わらず魔法はめんどくせぇな~ んじゃ戦闘技能は何をしたんだ?」

「あー新3年生との対戦ですね」

「なるほど、それはわかりやすい。もちろん勝ったんだろう?」

「クラック…勝てばいいわけじゃないんだよ」

「そうなんだ?」


 やっぱりそうなのかとトールの話に耳を傾ける。現在どんなことが出来るのかを評価されるという話だった。


「あとは魔法技能だけど…もしかしてそれが予期せぬことってやつ?」


 不思議そうな顔をしてロザリが聞いてくる。それに対し俺はうなずくことで返事を返した。


「試験内容は?」

「的あて。発動速度、精度、威力をはかるものだった…」

「うわぁ…お前やらかしたのか? ドカァーンっって」

「む、してないよ! 最近は精度も上がって当てるだけならちゃんと出来るようになったしっ」

「じゃあ一体なに?」


 3人がじっと俺の次の言葉を待っている。


「実は…」


 俺はいきなり複合魔法を使ってみるように言われたこと、この結果が試験に反映されないこと、そして使った複合魔法の内容とその結果を話す。


「複合魔法って…ありえない。一応中等部で習うが、習うだけで使える必要がない魔法なんだ」

「どういうこと?」


 俺もだけどロザリも首を傾げる。使えなくてもいいから教えるって意味が分からない。どうせなら覚えたほうがいいと思うんだが…


「魔法ってイメージが重要で使いかたがわかっただけでは使えないんだよ。それともちろんその魔法を発動するための魔力も必要だ」


 それはもちろん分かっている。だから誰もが魔力があるのに使えない人もいたりするんだ。現にロザリやクラックは魔法を使っているのは見たことがない。


「教えられたときは使えなくても覚えていればいつか使えるかもしれないのも魔法だ。そのために基本的なことを教えてくれるのが学園になる。だからその場でちょっと教えただけで使えというのがおかしいんだよ」


 そう言われても実際に起こった出来事だし、もう終わったこと。俺はどうすればいいんだろうか?


「トールの言うことはわかったんだけど、それで俺の試験結果はどうなっちゃうんだろう…」


 一番気にしていたことを口にすると3人は顔を見合わせ俺の方に向き直ると、


「「「受かったね」」」


 同じ言葉を同時にしゃべった。それに驚き俺は瞬きを繰り返す。はっきり言ってどこに受かる要素があったのか俺には全然わからなかったのだから。

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