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魔法設置〜異世界行ったら不労を目指す〜  作者: yuki
第6章 霊峰探索編
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第4話 冒険王の手記

なんでこれが?

先程、記憶の中で見た小瓶が今、手の中にある。

中には、白い球体が入っており、マルスの魂と思われるものが入っていた。


歩みをやめ、小瓶を見つめているアルベルトを、ラキナはなんとも言えない表情で見つめていた。

「これも、運命(さだめ)か・・・・・」



◆◆



アリスたちと合流し、今度こそ『霊峰』に向けて旅立った。


「ねえ、どこにあるか検討はついてるの?」

アイナが、誰も指摘しなかったことを口にした。


・・・・・・・・・。


「はあ・・・・・。やっぱり・・・」

最大限の呆れられ方をされた。


「しょうがないじゃん。何も情報がないし、あるかどうかも知らないし」

「そうでもないのよ。はい、これ」

アイナから手記の様なものを手渡された。


「これは?」

「王家に献上された”冒険王・ペルカルト”の手記よ」

「冒険王?」

また新しい情報が飛び込んできた。


「アリスが受けたがった”大陸クエスト”。あの、討伐対象の()()()()()した唯一の冒険家よ」

「マジで?」

「ええ、でも唯一『不死鳥』だけは全容が確認出来なかったらしいの」

「なんで?」

他の四体が確認出来たなら、掴めてそうだけど。


「全容は確認出来てないけど、ヒントはそこに載ってるわ」

「ヒント?」

手記をペラペラとめくり、『不死鳥』の記述のところで止めた。


「天を突き抜けるほどの山の山頂が、時折、聖火が灯ったように光り輝くことがある。私は、そこに可能性を感じ、その山を登ろうとした。しかし、山頂に近づくにつれ、環境がありえないものとなってきた。時には、灼熱の業火に焼かれたような暑さ、時には、極寒の冷気に凍らされているような寒さ。この環境が無造作に襲ってくる。ただ一つだけわかったことがある。山頂が輝く時、灼熱の業火が襲ってくるのだ。きっと、あそこに『不死鳥』がいる」


『不死鳥』に関する情報はこれだけだった。


「この”天を突き抜けるほどの山”って・・・・・」

「そうよ。セナたちと話し合ったのだけど、確実にクレメンス山のことだと思うわ」


クレメンス山は、この大陸のどこからでも、その姿を確認できるほど大きな山だ。


「どう?行ってみる価値あると思わない?」

「すごいな、アイナ。行ってみよう」

おそらく、俺たちはアイナがいなくなったら、のたれ死んでしまいそうだ。


「決まったか?」

眠たそうに目を擦っているラキナが聞いてきた。

「ああ。・・・・大丈夫か?」

「運んでくれ」

両手を広げ上に乗せろと言ってきた。

「はいはい・・・」


ラキナを肩に乗せアルベルトたちはクレメンス山に向け、歩き出した。





「なあ、全然近づいた気がしないんだけど」

「だねー」「そうね」

「仕方がないだろうな。あの山はでかいが、大陸と比べたら、小さいからな」

サクラが冷静に分析していた。


「飛べばよいじゃろ」

いつの間にか起きていたラキナがそんな提案をした。

「飛ぶ?」

「ああ、転移しまくって山の近くまで行けばいいじゃろ」

「え、でもそれって冒険って言わなくね?」

「いいんじゃよ。これ以上疲れとうない」

ずっと寝てたやつが何言ってんだか・・・・。


「もう、それでいいんじゃない?」

「わたしもそう思うー」

アイナとアリスもラキナの意見に賛同した。

サクラとセナの方を向くと二人も頷いた。

わかったよ。飛べばいいんだろ飛べば。


「よし、全員手を繋いで」

「「「はーい」」」

ラキナは頭の上に乗っているため手を繋ぐ必要はない。

問題は他のみんなだ。


「あの、そう言う意味じゃないんだけど」

「えー、いいじゃん別に」

「そうね」

「だな」

「ですね」

アリスやアイナは分かるがセナやサクラまでもが、アルベルト一人の手を握っていた。

つまり、アルベルトが全員と手を繋いでいる。


「・・・・・まあ、いいか。じゃあ、飛ぶぞ」

「「「はーい」」」

アルベルトは、山を目指して転移を繰り返した。




◆◆




「ふう、辿り着いた・・・・」

転移を繰り返し、やっとのことで着いた。

「お疲れー、アル君」

アリスが労ってくれた。


「でかいな」

山の入り口から()()見上げ、山の頂上を見ようとしても、それは叶わなかった。

あの、巨人よりはでかい。


「これ、登り切るのにどれだけかかるんだよ」

「それなりの時間を覚悟しておかないとだな」

セナがため息をつきながら言った。

登る前から、もう嫌だ。


「行くかー・・・・・」

「元気出してアルくん!」

アリスは、いつでも元気だなー。


「止まれ、アル坊」

山に登ろうとした時、ラキナがいつになく真剣な表情で言った。

肩車さえ、されていなければかっこいいのに。


「どうした?」

「山頂付近をよく見ろ」

「ん?」

目に魔力を込めて見るが、まだ届かない。


(アダム、ハナ。お願い)

((はーい))

二人に、精霊としての力と、神力を目にこめた。


「お、見えてきた」

「アル坊、その目・・・・」

「それは、今度ね」

今は、山頂を確認する。

お、あれが『不死鳥』なのか?


「何か見えた?」

「んー、多分あれが『不死鳥』だと思うよ」

アイナの問いに答えた。

「え!?ほんとにいたの!?」

「うん、なんかそれっぽいとしか言いようがないんだけど」


「どんなやつだ?」

今度はセナが聞いてくる。

「なんか、全身炎で、その炎が神炎レベルで、周りがその炎の光で輝いててーー


ーーこっちをじっと見てる」


やばい、もう気づかれてる。

「それって、大丈夫なのか?」

セナも、額に汗を流しながら聞いてきた。


「大丈夫なんじゃない?殺そうと思ったら俺たちなんて一瞬で殺せるだろうから」

「それは、大丈夫じゃないような気がするが」

サクラも心配してるみたいだ。

「おい、妾は殺されんぞ」

ラキナが張り合うように頭を叩いてきた。


「じゃあ、あれに勝てる?」

「・・・・・・・・・」

「無理なんじゃん」

「うるさい!何回かやれば勝てる!!」

それ、最初の一回目で殺されんじゃん。


「まあ、ここで止まってても何も始まらないし、行こうよ」

「そうだね!」

アリスは、相変わらず楽しそうだ。



”キュアアアアアアアアアアアアア”


『不死鳥』の声が響いた。

その歓迎でもするかのような声に、


「あー、やばいなー」


そんなことを思いながら、山を登るアルベルトたちであった。









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