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魔法設置〜異世界行ったら不労を目指す〜  作者: yuki
第5章 歴史の転換点編
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第2話 ベルゼ

「暴食だよ」

低く響く声で男はそう言った。


「そうか。で、お前も()()を?」

アルベルトが指す先には、紙が一枚魔法で封じられていた。

「そうだ。それは、遺物の一部だからな」

一部・・・・。集めて一枚の羊皮紙みたいになるのか?


「だがそれを頂くのは、お前の複数の大罪能力を全てもらってからだ!」

そう言った瞬間、男は、距離を詰めてきた。

「・・・・・・」

男は、反応してないと思ったのかニヤリと笑い槍を突き出した。


キィィィィィィン!!!


「なに!?」

アルベルトと槍の間には、以前ラキナが使った魔力による障壁ができていた。

「できたぞ!ラキナ!」

アルベルトは、男のことを気にすることなく子供らしくラキナに報告した。

「できたな」

ラキナも成長を喜んでいた。


男は相手にされていないことに憤ったのか、叫ぶように言った。

「お前!!何もんだ!!俺は、人類最強だぞ!!」

”人類最強”誰目線だそれは。

「俺は、アルベルト。この前十一歳になった子供だ」

「そうか・・・・・・」


「殺す!!」

男の体に大量の魔力がまとわりついた。


「それが、暴食・・・・・」

周りの魔素を喰いまくっている。

「そうだ。これでお前はもう魔力を使えねぇぞ!」

あ〜、なんか申し訳なくなってきた。


「ヒノカグツチ!!」


アルベルトは、いきなり特大の魔法を放った。

「は?」

男は、信じられないものを見るように、その魔法を凝視した。

「なんで・・・・・魔法が・・・・」


「あーっと、ほんとごめん」

魔素とかそう言うの関係ないんだよ。


「ちくしょうがっ!」

男は、槍に暴食を纏わせヒノカグツチの魔力を喰おうとした。

「ガァァァァ・・・・・・・・!!」

槍が悲鳴を上げ始めた。

魔素を喰える暴食にも限度があるのだろう。


パキィィィィィィィィィン!!


とうとう砕けた。

「かはっ!」

男も腕に多くの傷を負い、だらんとしていた。


「おお、すごいな・・・・」

アルベルトは、素直に賞賛した。

”人類最強”に上から褒める11歳児。

側から見たら、おかしいところしかない光景だった。


「テメェェェ!!そんな力どこで!!」

そんな男の叫びにアルベルトは・・・・・。


「そういえば、名前なんだっけ?」


・・・・・・・・・・。


「おい、アル坊。流石にそれは・・・・・・」

ラキナもこれには呆れた。

目の前にいる男の顔を見て、かわいそうだと正直に思った。


「な、なん、だと・・・・・・・・・・」

男は口をパクパクさせ、思考が追いついていなかった。

「ごめん、ほんとに名前分かんないから」

あ、俺はアルベルトね、と付け足した。


「・・・・・・・ふう」

男は、深く深呼吸し

「ベルゼだ」

名前を教えた。


「そうか、ならベルゼ、俺たちの旅を邪魔するなら殺すぞ」

ベルゼは、腕に重傷を負いながらも、気を引き締めた。

明らかに、アルベルトの雰囲気が変化したからだ。


「いくぞ」

音もなくアルベルトの姿はかき消えた。

「ゴフッ!」

ベルゼの腹に拳を突き立てるアルベルトの姿を捉えた瞬間、彼は吹き飛んでいた。


ドゴォォォォォォォォォン!!


「うん。気も調子がいいな」

「なんじゃ、”気”も使えたのか」

「そうなんだよ」

「ほ〜、これは鍛えがいがありそうだな」

「え!?」

ラキナは、アルベルトが”気”を使えると知ってこれからの鍛錬を楽しみだと、笑っていた。


対してアルベルトは、やってしまたと後悔していた。

ラキナの鍛錬は、ひたすら実践だ。

自分の成長につながるのは、間違いではないがただただ辛い。


「ええ〜・・・・・・・」

アルベルトは、表情を歪めラキナを見た。

「なんじゃ?」

「いえ、なんにも」


「ああああああ!!!」

ベルゼが叫び声を上げた。

「タフだな」

「じゃな。妾は離れておくぞ?」

「ああ」


「くそっ・・・・なんだってんだ」

ベルゼは、歯を食いしばりアルベルトを見た。

「俺は最強だぞ・・・・こんな・・・・」

こんな子供に手も足も出ないなんて。



◇◇



俺は、子供の頃に自分の力を自覚した。

両親を早くに亡くした俺は、聖教国の裏側、暗黒街と呼ばれる街で育った。

そこには、荒くれ者や教会に逆らった者や、異教徒、国にとって邪魔な者がいる。

そんな街で、俺のような子供は目立った。


「はぁ・・・・・」

目の前には、数人の男たちがいた。

「なんだこのガキ」

「さぁ・・・・・」

「まぁ、いいサンドバックにはなりそうだな」


男たちは、拳を鳴らしながら近づいてきた。


「はぁ・・・・・・」

ドカッ!バキッ!ドンッ!

人を殴る音がその場に響いた。


「「「うう・・・・・」」」

先程の男たちが地面にうずくまり、立ち上がれずにいた。

「くそっ・・・・・・!」

そのうちの一人が、魔法を発動した。


元・魔法師か!?


魔法師は、聖教国軍に属する魔法を主力とする魔法師団の団員のことだ。

聖教国に生まれた魔法の才のあるものは、誰しもがそこを目指す。

しかし、魔法師団には、黒い噂が後を立たないと聞く。


「はっ、これでも食いやがれ・・・・・」

雷の魔法が、目の前に迫る。

俺は、欲した。その才を、力を。

その力があれば、ここを・・・・・。


ほしい、ほしい、ほしい、ほしい・・・・・・・・・・・・・・・・・。


・・・・・・喰ってやる!!


『ユニークスキル』

暴食を入手しました。


瞬間、魔法は消え俺の中に入ってきた。

そして、これまで感じることのできなかった魔素を感じることができた。

これが、魔素・・・・・。


「なっ・・・・・!」

魔法を放った男は、後退りをしながら逃げようとした。

俺は、その男に手のひらを向け、先ほどと放たれた魔法をイメージして放った。


「ぎゃっ」

男は、一瞬でその命を落とした。

その後残る二人も殺し、その場を離れた。


その後も、襲ってくる奴らを力と魔法で次々と屈服させたり、時には命を奪ったりした。

そうすることでしか、生きていく方法がなかった。


気がつくと十五歳の頃には、暗黒街の頂点に立っていた。

俺は、暗黒街から表の世界へ影響力を広げて行った。

ある日のこと、魔法師団長を名乗る男から、魔法師団に入らないかと誘われ様子を見に行った。


こいつらが魔法師団?

明らかに、魔力が少なすぎる。

まだ、暗黒街にいた荒くれ者たちの方が多いくらいだ。

隣に立つ魔法師団長に、その真偽を聞こうと顔を伺うった時、違和感を感じた。


こいつ、魔力の質が複数ある・・・・。

どう言うことだ?

暗黒街にいた元魔法師団の奴らから、魔力の質は一人一人違うし、一人一種類だと聞いていた。

元に目の前にいる団員たちは一種類だけだ。


なのにこいつは、それが複数。

どう言うことだ?


「ん?どうしました?」

団長が笑顔を向けながら聞いてきた。

「・・・・・いや・・・・!!」

なんだこれは、魔力が抜かれ・・・・・!!

団長の目を見ると赤く光っていた。


「それは・・・・・・なんだ・・・・・」

「ああ、ようやく気づきましたか」

男は、こちらに目を向けたままーーー


ーーー「私はね、吸魔の一族なんですよ」


「吸魔・・・・?」

「ええ、人間の魔力をじわじわと吸い取り自分のものとする。それが吸魔です」

魔力を吸い取る?

なら、団員たちの魔力が少ないのは・・・・・。


「あいつらの魔力もお前が?」

「ええ、魔法師団に憧れて入ったものたちは、それなりに魔力が豊富ですからね」

糧になってもらわないと、と笑っていた。


「腐ってやがる」

暗黒街の奴らの方がまだマシだ。

「あなたが言いますか。でも、知られた以上ただでは帰せませんね」

あなたには、死んでもらいます。


魔法師団の訓練場で、二人の戦いが始まろうとしたその時、

「暴食:グラトニー。喰らい尽くせ」

「何を・・・・・!?」


暴食を魔法師団長一人に集中させ、魔力を喰らった。

「相当溜め込んでんだな」

「くっ、まさか同族!?」

「なわけねぇだろ」


俺は、どんどん吸い尽くしていった。

魔法師は、魔力を吸われると何もできなくなる。

魔素を取り込み体内で魔力を作り、魔法を発動するが、その魔力ができた瞬間から外に吸われているため、魔法を発動しようとしても魔力の流れはそう簡単に制御できない。


魔法師団長の魔力を吸い終わった俺は、そのまま殺した。


その後、幽閉されるなど、色々あったが元団長の種族がわかり、釈放され、新たに魔法師団長に就任した。

聖女の護衛として任を全うしていく間に、暗黒街の奴らを表舞台に少しづつ立たせ、魔法師団長として表から、暗黒街の頭領として裏社会から、この国を支配するようになり、いつの間にか人類最強の二つ名を得た。


そんなある日、英雄の遺物について知ることがあり、最強の次は、英雄を欲した。


そしてついに、一つ目の遺物の在処を突き止めた。



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