第18話 王都動乱③
王都に着いたアルベルトは王都中の魔素を掌握し、敵の数、場所全てを把握した。
「よし、やるか」
アルベルトは、魔力で刀を作り、かき消えた。
◆騎士視点◆
我々は、天使相手に優位に戦えていた。
しかし、空から光が降り注いだ時、一瞬で意識を刈り取られるレベルの攻撃を受けた。
「な、なんだ・・・・・これは」
目の前に立っているのは、六枚の翼を持った天使。
それはまるで『英雄物語』に出てきた悪魔に従いマルスと戦った大天使長。
それが持つ鎌は一振りで天を割き、海を割ると物語では描かれていた。
そんな存在が目の前で、鎌を振り上げ、王城を狙っている。
「やめ・・・・ろ・・・」
しかし、最初の一撃で立ち上がることすらできない。
「愚かな人間よ。我が一撃に沈め。天の裁き」
天を割く一撃が放たれた。
誰もが終わりを覚悟したその時
ガキィィィン!!
大天使長の一撃が一つの影によって止められた。
「おっと〜、なかなか」
「ほう、我が一撃を止めるとは、何者だ貴様」
大天使長は、感心するように尋ねた。
「えーと、あー、あ、アレス?」
目立ちたくないアルベルトは、偽名を名乗った。
騎士団だけなら良かったが、他の人がいる中で本名を名乗れば、この国での自由もなくなる。
そのため、今のアルベルトは、仮面をつけ顔を隠していた。
信じてくれるかな?
「アレスというのか」
信じたー!良かった〜。
「我が名はラフィール。どうやって我が一撃を止めた?」
ラフィール?
名前持ち。ステイタスがあるのか。
まぁ、どうでもいいけど。
「えーと、こう、刀で?」
アルベルトは、刀を横に構え受け止めた時の構えをした。
「そうか答えたくないのか」
えー、別に隠してないし、嘘もついてないんだけど。
「ならば死ね。マモン様の敵となるものには我が裁きを・・・・・・・」
「あー、いいよそういうのは」
アルベルトは、一瞬で詰め寄り、刀を一閃。
大天使長ラフィールは何もできずに消滅した。
「す、すごい・・・・」
騎士は、目の前で起きたことを信じられず呆然としていた。
年端もいかない少年が大天使長を倒した。
最初は、魔道具を作れるだけの少年だと思っていたがこんなにも強いとは・・・・・。
「団長を頼みます」
騎士の声にアルベルトは振り返り
「任せてください」
とだけ応じ、その場を去った。
◆エリス視点◆
エリスは、原初を使い、アルベルトにもらった腕輪で回復も常にかけながらマモンと相対していた。
しかし、体力的にも余裕なマモンに比べ、エリスは傷は少ないが体力が限界に来ていた。
まずいな・・・・、このままでは。
「もう限界ですか〜?」
「ほざけ、私はまだ戦える」
本当は、もう限界に近かったが、過去の後悔が奮い立たせた。
「・・・・ん?」
マモンが何かに反応した。
「これは・・・・、大罪能力か?」
大罪能力?まさか・・・・!!
「よっと、大丈夫ですか?」
二人の間にアルベルトが降り立った。
あれが、大罪能力者か・・・・・。
でも、サタナキアよりちょっと強いぐらいだな。
「エリス、あれ斬っていい?」
なんか因縁がありそうな雰囲気だったから窺うように聞いた。
「ああ、私はもう限界だ・・・・・」
なら、いいな。大罪能力も欲しいし。
「斬っていいかって、あなたが私に勝てると?」
マモンは二人の会話を聞いて、不愉快になった。
こんな小僧に何ができる。
「え、だって弱いじゃんお前」
マモンは憤慨した。
「んだと!?このクソガキがぁ!」
目の前のガキを殺そうとしたが、すでにいなかった。
「な、どこに・・・」
その瞬間、視界が歪んだ。
「あ・・・・れ・・・?」
マモンが最後に見たのは、離れたところにある胴体と背後に立つ、あの小僧の後ろ姿だった。
『ユニークスキル』
天軍召喚 強欲 全属性魔法
を入手しました。
「あ、強欲か」
それよりも全属性魔法。
エミリアと同じスキルを手に入れた。
これで、魔道具にも炎以外をつけることができる。
「大丈夫?エリス」
口を開けてぼーっとしているエリスに声をかける。
「・・・・・ああ、大丈夫だ」
エリスは何か憑き物が取れたような表情をしていた。
アルベルトは、悪魔の核の時間を止めアイテムボックスにしまった。
ふふっ、これで素材がまた増えた。
ニヤニヤが止まらないアルベルトにエリスが声をかけた。
「今までどこにいた?」
「あー、なんかアイナ様曰く『混沌の大地』ってとこに飛ばされて・・・・・」
「『混沌の大地』だと!?」
エリスがものすごい勢いで詰め寄ってきた。
「それで、アイナ様は!?」
「大丈夫ですよ。今、王城の方に行ってますから」
そうか、と安心したように息を漏らした。
「それで?飛ばされたとはどういうことだ?」
アルベルトは、これまでの経緯を簡単に説明した。
「つまり、悪魔たちの協力者がこの国にいて、そいつらが全ての元凶だと?」
「うん。今から王城に行くんだけど一緒に行かない?」
マモンが死んだことで天門は消えたがまだ地上には天使が残っていた。
しかし、戦える騎士や冒険者が次々と撃破しているので心配はないだろうと、提案をした。
「そうだな。行こうか」
二人は、戦場を後にし、王城へ向かった。
全ての元凶を断罪するために。
◆王城にて◆
王城には、国王の命令で貴族が集められていた。
「陛下これはどういう状況ですか?」
「少し待て」
アレクは、娘のアイナの無事を確認するまで、説明する気はなかった。
少ししたところで、王の隣に二つの影が現れた。
一人はガルム。もう一人は・・・・
「アイナ!!」
「お父様!」
二人は、お互いの安全を確認し、何があったのか互いに報告しあった。
「そうか、アルベルト君には世話になったな」
「ええ、本当に」
アレクは、アイナに別の部屋にいるハンナに会っておいでと言って別れた。
「では、早速皆に話したいことがある」
アレクは、この場にいる貴族に対してアイナの悪魔憑きの事件から今日まで何があったのかを話した。
「・・・・・・・・・」
貴族たちは口を閉し静かに聞いていた。
「陛下、何が起きているかは理解しました。しかし、ここにブライトリヒ家がいないのはなぜですか?」
ある貴族が疑問を口にした。
ブライトリヒ家は、爵位は低いが発言力のある貴族だった。
「そのことだが、娘の件から今回の件、人間側に裏切り者の協力者がいることがわかった」
「な・・・・・!!」
貴族たちは信じられないと席をたった。
そして、ここにブライトリヒ家がいない理由についても理解した。
会議に参加した貴族たちが口を重く閉していると
「おや、遅れたようで申し訳ございません」
当の本人が、会議室に入ってきた。
「ん、これは、なんの会議ですか?外の件は解決したようですが」
「お前の処罰を決める場だ」
国王アレクは、単刀直入に言い放った。
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