第12話 復活
遅れて申し訳ございません!!
資格試験が迫ってて、なかなか進みませんでした!!
〜アーサー視点〜
「起きないね」
「そうね。そろそろ起きてもいいと思うんだけど」
だれ?
起きないって誰が・・・・・。
私は起きているぞ。
だからいつもみたいに腕の感覚はほとんどないはずだ。
「君たちは・・・・・?」
「あ、起きた。腕は大丈夫?」
「何を言って・・・・・」
そこでようやく気がついた。
幼少期の頃からほとんど感覚がなかった腕に確かに力が入り、触った感覚がある。
「これは一体・・・・・」
「アイナが治してたよ。結構酷かったみたいだね」
「この腕を?」
「うん」
この腕は、すでに壊れきっていたはず。
到達者と呼ばれる境地に入っても治ることはなかった。
理由はわかっている。
真の持ち主では無いにもかかわらず、王の剣を振り続けてきたのだ。
あの剣は、持ち主以外が使おうとすれば、とんでもない重さとなり、さらには触れたものの腕を少しずつ破壊していく。
それを、十年。
すでに、破壊し尽くされたと言っても過言では無いこの腕をたった1日で、見知らぬ者が治した。
そんなことは信じられなかった。
「そのアイナという者はどこに・・・・・」
「あー、今ね・・・・・」
「あら、ちょうどよかったわね。とりあえず落ち着くために食事でもしましょうか」
いい匂いとともに現れた女性は、まるで聖母のような雰囲気を醸し出した人。
彼女の持つ料理に、床で寝転がっていた幼女や赤髪の女性やエルフの女性が飛びつく。
しかし、幼女だけは本気で飛び込んでいたのか、袴姿の女性に首根っこを掴まれ、やるではないか、などと言っていた。
「あなたも食べる?」
「・・・・・ああ、いただく」
こんなにも落ち着くのはいつぶりだろうか。
それにいつの間にか、あの武神と名乗ったものも体の中から消えているし、何があったのだろうか。
とりあえずは、なくなりそうな料理をいただくとしよう。
〜アルベルトvsオリジン〜
二人の戦いは、圧倒的にオリジンの優勢で進んでいた。
「神威も神位も通じない。さあ、あとは何がある?」
「・・・・・・・・」
ちょっとは、通用すると思ったんだけどな。
全力を出してもまったく敵わない。
「ここまで、手も足も出ないのか・・・・・・!!」
辛うじて目を開けると、青髪の長身の男がオリジンの後ろに立っている。
「コウタロウに託された小僧。情けないな」
「!?」
オリジンを無視しているかのように、普通の会話をしてくる。
「あ、あなたは・・・・・」
なんだ、この人。
まったく魔力というものを感じない。
「サクラという女に言われて来てみれば、久しいな自称神よ」
嘲笑うかのように、オリジンに声を掛ける。
「貴様はっ!!」
返事をすることなく、いきなり攻撃を仕掛ける。
長身の男は、避けることなくその拳を自らの拳で迎え撃つ。
その衝撃波で、力が入らないアルベルトの体は、運よく宿の方へと吹き飛んでいく。
「なぜ、お前が出てくる!?」
「なに、『鍵』が狙われているのなら無関係ではいられまい」
「くそっ、これは予定外だっ・・・・・」
「神なのにか?不思議なこともあるんだな」
神ならば、なんでもお見通しだろうと、馬鹿にした笑いにオリジンは怒りを募らせる。
「相変わらずだな。お前は」
敵であるにもかかわらず、変わらないオリジンを見て戦いを楽しんでいた。
「うおっ!!」
衝撃波で飛ばされ宿に向けて飛んでいく。
「やば、宿にぶつかるっ!!」
墜落地点が分かり焦り始めるアルベルト。
しかし、体に力が入らないのとあまりにも時間がなさすぎでどうしようもない。
「うあああああああ・・・・・・あ?」
あと少しで屋根にぶつかるところで、体が停止していた。
「え、なに、これ」
自分は、魔法を使っていない。
というか、使う気力がない。
「でも、これで少しは時間がああああ!?」
止まったと思ったら急に動き始め、顔から屋根に突っ込みアリスたちのいる部屋に落ちた。
「ぐえっ」
ドシャっと、うつ伏せの格好で床に叩きつけられ変な声が出た。
「あ、おかえり」
「た、ただいま・・・・・・・」
アリスたちは、ご飯を食べながら迎えてくれた。
「あのー、体が動かないので手伝ってもらってよろしいですか?」
アイナが体を動かし、仰向けにして、さらには膝枕までしてくれた。
「ど、どうも」
「いいのよ。それよりなんで空から?」
「・・・・・吹き飛ばされました」
そう言って、サクラを見る。
こちらの視線に気付き、察したのか説明を始めた。
ダンジョンに行ったこと、イノリ様という日の国の創建者の幽霊にあったこと。
その後、地上に戻る前に海龍『リヴァイアサン』に会ったこと。
なぜか気に入られ力を貸してくれると約束したこと。
「なんか、すごい経験したね」
「そうね。じゃあ、今外にいるのは海龍なの?」
「ああ、確かにあの人の気配じゃな」
「え、ラキナ気配がわかるの?」
目の前にいてもまったくわからなかったけど。
「ああ、あの人の魔力は大海そのものだぞ」
「つまり・・・・?」
「本来海にあるはずの海水の一滴が陸に上がっていることがわかれば、あの人が地上にいることがわかる」
「ほ〜・・・・」
それでも、レイアさんが一番なんだろ?
どんだけだよ、あの人。
もしかして、そら自体があの人の魔力とか?
「ちなみに母は、大気全てがその魔力だぞ」
「ですよねー」
そりゃ、全力なんて出せないよなー。
多分戦ったら天変地異どころじゃない。
世界が無くなるなー。
「よいしょっと。それで、アーサーさんはもう大丈夫?」
だいぶマシになってきた体を起こし、アーサーさんに声を掛ける。
「そうだな。とんでもないほど迷惑をかけたからな。まずはこの子たちに報いたい」
そう言って、いまだに気を失っているティアとキリカを見る。
「じゃあ、これあげるよ」
即席だが、とてつもなく頑丈さだけを追求した剣をアーサーに渡す。
「なんで、私に?」
「あの剣、使えないんでしょ?」
アーサーさんと対峙した時、本気を出せていない気がした。
身体を武神が乗っ取っていたとはいえ、剣が合っていなかった。
「まあな。あの剣はティアの物だ。・・・・ありがたくいただく」
それを裏付けるかのように、剣はティア様の隣で光り輝いていた。
ズドオオオオオン!!
先程まで響いていた戦闘音が終わりを告げるように一際大きな音が響いた。
「終わったのか」
アルベルトたちは宿から外に出て、様子を伺った。
「すげえ・・・・・」
オリジンは先程の俺のように力つき地面に倒れ込んでいた。
俺とオリジンの差は、あいつとリヴァイアサンとの差。
「よお、終わったぞ。これでいいか、サクラとやら」
「ありがとうございます」
オリジンは、地上に降りてきた時と同じように天から光が差し、元いた場所に送還されていった。
「おい、小僧」
「は、はい」
「それから、そこの女」
「私か?」
海龍は、アルベルトとアーサーに声をかける。
「本気で戦え。俺がアドバイスしてやる」
「「え?」」
いやいや、勝てるわけないじゃん。
本気じゃないアーサーさんにも敵わなかったのに。
「あいつは、まだ死んではいない。小僧、お前がやらなくてはならないんだ。さっさとやれ」
「分かりました・・・・・」
「よくわからないが、君が了承してくれるのなら」
アーサーさんは、元からやる気なのか剣を馴染ませていた。
「がんばれー」
他人事だと思いやがって。
この女性が、どんだけ強いか知らないだろ?
とんでもないんだぞ?
「さあ、再戦だな。手応えのある奴との戦いは初めてだ」
「は、はは・・・・・・」
口元がひくつくのがわかる。
数分後・・・・・。
「うおっ、ちょっ、まっ」
「ここまで戦えたのは初めてだよ。礼を言う、アル」
「なら、ちょっとは手加減してくれないかな!!」
こっちは神威を使っているのに、互角の勝負を繰り広げられていた。
「アーサーさん、すごいね」
「ええ、アルが押されるなんて初めてじゃない?」
「あやつ、すごいの。あれは天災と言われるのも頷けるな」
「精霊が自ら集まっている。相当祝福されてる」
「あの剣技、知りたいですね」
みんな言いたい放題だな。
感心してないで助けてほしいんですけど。
「おいおい、旦那大丈夫かよ」
「ピンチじゃないですかー?」
「アルベルトさんもすごく強くなりましたね」
治療に当たっていたシルビアさんたちもアリスたちと観戦し始めた。
「ふんっ!」
アーサーが剣を振る。
空気が押され、圧縮され飛んでくる。
村正で、その斬撃を弾いても今度は直接斬りかかってくる。
もう腕すら見えないんですけど!?
振る腕が早すぎて神眼でも追えないってなんなんだよ。
すでにギリギリなんですけど・・・・・。
ぴちゃん・・・・・・。
後ろに下がり、いつも間にか港まで追い込まれた。
足に当たり転がった石が海に落ちる。
「魔法も使っていいぞ?」
「ほお・・・・・・」
明らかな挑発だが、使わないと勝てないことは十分わかった。
だったら・・・・・
「大海魔法:大海波動!!」
最近手に入れて使っていなかった魔法の試し打ちをした。
どんな威力があるかわからない魔法を打ち込むのに最適な相手だからな。
後ろの海面が浮き上がり、波動砲となってアーサーに迫る。
「円卓領域:カリバーン!!」
アーサーもマルスのエクスカリバーに似た光の奔流を放つ。
大海波動とカリバーンがぶつかり合う。
「「はあああああああ!!」」
互いに威力をなくし、奔流は消える。
夜が明け、太陽が姿を現す。
二人はかき消え、再び剣を交え、今度は魔法も混じった激しい戦いに発展していく。
そんな中、息子の亡骸のそばでその親がある魔法を発動させていた。
それは、禁忌魔法の中でも最高機密の魔法。
”死者蘇生”
本来覆せない人の死を超越化する以外の方法で乗り越える魔法。
その代償は、発動者の命。
その親は、自らの命を犠牲に死んだ息子に魔法を発動した。
太陽の出現とともに太陽の子が、騎士が復活する。




