メランコーリッシュ、夏から秋への移ろいを感じる
メランコーリッシュ、ついにシエルがフェンリルだと知る
今日はニタとシエルと中庭を散策しています。つい先日まで暑い日が続いていましたが、やっと涼しくなってきました。散策もより楽しめます。中庭の木々も紅葉が見頃で、なんだかとても楽しいです。春から夏、夏から秋と、塔に閉じ込められていた頃から憧れていた『四季を感じる』という当たり前のことがやっと叶ってとても幸せです。
「やっと涼しくなってきましたね、ニタ」
「ああ。過ごしやすい季節だな、シュシュ」
ニタと手を繋いで寄り添って歩きます。シエルはそんな私達にのんびりとついて来ます。
「紅葉ってこんなに綺麗なんですね」
「季節の移ろいを感じるな」
「わんっ」
シエルがガサゴソと何かを口にくわえて持ってきました。
「あら、可愛らしいお花ね、シエル」
「わん」
「…もしかして、くれるの?」
「わんっ!」
私が花を受け取ると尻尾を振って嬉しそうなシエル。可愛らしいシエルの頭を撫でて、褒めちぎります。
「シエルは優しい子ね、ありがとう。とっても嬉しいわ!可愛いシエル、本当にありがとう。こんな素敵な子と一緒にいられて、私は幸せだわ!」
「わんっ!わんっ!」
私に飛びついて戯れてくるシエルを抱きしめます。本当に可愛いです。
「よかったな、シエル」
「わんっ」
ニタがさりげなくシエルの頭を撫でます。シエルはニタを一瞥して、お好きにどうぞと頭を預けました。
「シエルもだんだんニタに慣れてきましたね」
「まあ、たまにとはいえ稽古をつけている仲だしな」
ニタはシエルを私のための番犬として躾けてくれています。しっかりと躾けられたおかげでお行儀も良く、強くてかっこいい頼りになるお供になってくれました。シエルがいれば怖いものなしです。
「そういえば、シエルはなんだかとても大きくなってきましたね。大型犬なんでしょうか?」
「大型犬、というか…シュシュ、落ち着いて聞いてくれ。シエルはフェンリルなんだ」
確か幻獣という存在にフェンリルという魔犬がいましたが、それにあやかった犬種でしょうか?
「フェンリルという犬種ですか?」
「いや、幻獣の一種だな。魔犬フェンリル。聞いたことはないか?」
「えっ…え、シエルが幻獣なんですか?本当に?」
シエルはそんなにすごい子なのですね。びっくりです。
「本当だ。怖いか?」
「え?怖いって何がですか?」
「シエルがだ。幻獣なんだぞ?」
「でも、シエルはシエルですよ?幻獣だとしても何も変わらないです」
ニタは私の言葉に何故か目を丸くします。
「…シュシュは強いな」
「え?」
「いや、なんでもない。ほら、そろそろ散策に戻ろう。シエルが待ってる」
「そうですね。行こう、シエル」
「わんっ!」
メランコーリッシュはシエルがなんであれ可愛いのです




