望まれぬ王女
メランコーリッシュはいい子になる予定です。よろしくお願いします
はじめまして。私は、メランコーリッシュ・パラディースと申します。小国、パラディースの王女です。この世界には人族と亜人族がいるのですが、我がパラディースは人族の治める国です。我がパラディースでは亜人族は奴隷とされています。もちろん、人族と亜人族の共生する国や、亜人族の治める国もありますが、我が国では亜人族はそういう扱いです。ただ、この世界では多くの大国は亜人族の治める国なので、最近では亜人族を奴隷とすることに反発する者も多いようです。
さて、私の話に戻りますが、私の母は、旅の踊り子で人族だったそうで、私は両親とも人族なので人族です。
母は父に迫られ、望まぬ妊娠で私を産んだ後、王家に私を押し付けて旅に戻りました。父は私を王家のスペアとしてしか考えず、私は祝福の名も与えられず王家の直轄領にある塔に幽閉されました。
塔には両親は当然のこと、王妃様や腹違いの兄弟達が来ることもありませんでした。孤独な私の側には、私を生かすためだけに雇われた侍女達しかいませんでした。しかし、その侍女達も義務的に私に接するだけでした。純粋な王族ではない私には、何も期待出来ないからでしょう。
さらに、侍女長は姉である第一王女の侍女になりたかったらしく、私が生まれてきたせいだと私に殴る蹴るの暴行を働きます。
私は誰にも助けを求めることも出来ず、ただ暴力に耐える日々を送っていました。
これはそんな私に、嘘みたいな奇跡が起こったお話です。もしよろしければお付き合いくださいませ。
次はもう一人の主人公