表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/321

神様語解読

 この世界にはどういった魔法があるのか?

 どのような現象を引き起こすのか?

 どう使われているのか?

 魔法大全の読み込みもだいぶ進み、魔法の概要はおおよそ理解できてきた。

 私の魔法についての勉強も、概ね順調と言える。

 問題は、呪文に使われている言葉の意味なんだよねぇ……。

 これが分かれば魔法の仕組みなんかも分かるかもしれないし、そうすれば新たな魔法を作り出すことも可能かもしれない。

 魔法大全には世界中から集められた呪文の原文とその訳や、実際の効果が書かれているから、それらを比較しながら単語の意味を類推しているんだけど……。

 いくつかの単語については、ほぼ単語の意味を限定することができた。

 でも、よく分からないものも依然多い。

 例えば、“炎槍”という呪文。

 これは、槍の形をした炎を作り出して、相手にぶつける魔法だ。

 呪文はこうだ。


 『炎よ、我が魔力喰らいて槍となせ』


 これ、実際に叫ぶのは恥ずかしいよね。

 どうせ私には使えないけど。

 ただ、実際にはこういう内容の神様語(呪文)を唱えるだけで、幸い直接この台詞を叫ぶわけではない。

 もし、お父様がこんな台詞を真顔で叫んでいるところとか見たら、私は悶死してしまうだろう。

 まあ、それはどうでもいい。

 問題は呪文だ。

 炎槍の呪文は以下の通り。


『Умножьте тепло и магию.Формируйте тепло в нужную вам форму.』


 で、次の呪文が、“ファイアボール”。


『Умножьте тепло и магию.』

 (我が魔力よ、炎となれ)


 呪文の前半は全く同じだ。

 ファイアボールと炎槍の違いは、炎をそのまま飛ばすか槍の形にして飛ばすかの違いだけだから、多分呪文の前半で炎を作って、呪文の後半で槍の形に加工するのだろうと推測できる。

 で、次に同じように物を加工する魔法をチェック。


 まずは金魔法。

 金属を思い通りの形に加工する魔法なんだけど、呪文はこうだ。


『Формируйте неорганические материалы в нужную вам форму.』

 (命無き者よ、我が命に従い新たなる形を成せ)


 次に木魔法。

 木材を思い通りの形に加工する魔法で、呪文はこう。


『Формируйте органические материалы в нужную вам форму.』

 (生在る緑の息吹よ、我の求めに応じその形を変えよ)


 炎槍の後半部分と金魔法、木魔法は、一部の単語を除いて全て同じ。

 つまり、これらは3つとも同じ呪文で、違いは加工する物が何かということだけなんだと思う。

 そうすると、それぞれの違う単語が加工する物を指しているということで、

『тепло』が槍で、

『неорганические материалы』が金属、

『органические материалы』が木材ということになる。

 “命無き者”とか“生在る緑の息吹”とかあるけど、呪文の用途を考えると、これって金属と木材で間違いないんじゃないかと……。

 何となくイメージというか、言いたいことは伝わるんだけどね。

 これってもっとシンプルに、“金属よ、思った通りの形に変われ”とかじゃ駄目なのかなぁ……。

 なんか、一々言い方が大袈裟なんだよね。

 で、ここでよく分からないのが、槍を表す『тепло』だ。

 この単語って、ファイアボールの呪文にも入っているんだよね。

 そう考えると、『тепло』は“槍”ではなく、むしろ“炎”ではないかと思うのだ。

 “炎を加工する”ということで、金魔法、木魔法とも辻褄(つじつま)が合うしね。

 ただ、そうなると“槍”はどこに行った?、ということになる。

 呪文の訳文にはっきりと“槍”という名詞が使われている以上、どこかに“槍”という言葉があるはずなのに……??


 こんな作業を繰り返しながら、私は神様語の解読を着々と進めていくのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生幼女は教育したい!2巻
 書籍2巻10月10日発売です!!

転生幼女は教育したい!1巻
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ