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【書籍発売中】転生幼女は教育したい! 〜前世の知識で、異世界の社会常識を変えることにしました〜  作者: Ryoko
第1章 アメリア、領主となる

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アメリア、この世界を知る

 この世界の文字を覚えて以来、私の異世界学習は絶好調だ。

 初め幼児向け絵本の多読精読から始めた私の学習は、既に幼児向け絵本を卒業し児童文学?すら問題なく読めるレベルに達している。

 最近は、更に難易度の高い子供向け教科書にまで手をつけ始めている状況だ。

 ちなみに、書棚にあったのは日本にあった娯楽小説的な児童文学ではなく、この世界の神々や精霊について書かれた神話や、この世界の成り立ちや過去におきた事件等について分かりやすく書かれた歴史書っぽいものだったけどね。

 ただ、そういった話を読む中で、大変な事実が発覚した。

 なんと、この世界には魔法が存在するのだ!

 “かつて、地上にいた神々が今の人類に魔法の言葉を授けた”とか、“神々の言葉で語りかけることで精霊が人の思いに応えてくれる”とか、最初は完全にファンタジー小説を読む感覚だったんだけどね。

 いつものように分からない言葉を確認するついでに、子供らしく本当に魔法があるのかと聞いてみたら、当然のようにyesという答えをいただいた。

 この世界の技術力って結構高度だよねと考えていた大半の物は、実は魔法の力によって作られていたらしい。

 道理で明らかにオーダーメイドの特注品であろう机や椅子が、注文して丸一日とかからず屋敷に届けられるはずだ。

 今私が使っている机も椅子も、ついでに紙なんかも全て魔法で加工されたものなんだって。

 この世界の神話によると、まず光と闇の最高神がいて、その下に火水金木土の五柱の大神、五行説?、さらにその下に様々なものを司る神々が存在するらしい。

 よくありがちな神話体系で、読んでいる時はそれほど真面目に受け取ってはいなかったんだけどね。

 どうもこの五柱の大神が授けた魔法が、この世界の文明を支える基本魔法らしいんだよね。

 火魔法、水魔法はそのまま火や水を生み出す魔法らしいけど、変わっているのが残りの3つ。

 金魔法、木魔法っていうのはどうも金属や木材をイメージ通りに加工する魔法らしい。

 私の机や椅子はどうもこの魔法を使って作られたっぽい。

 最後に土魔法。これは地中から自分が望む地下資源を掘り出す魔法らしい。

 これら5つの基本魔法以外にも様々な魔法があって、この世界の文明はそれらの魔法によって支えられているらしいのだ。

 私がずっと電気だと思っていたこの部屋の明かりも、実は光魔法を使った魔道具なんだって。

 魔道具っていうのは魔石に籠められた魔力によって予め決められた現象を起こす道具で、魔石はその充電池に当たるらしい。

 で、その魔石が採れるのが世界中で私の住むモーシェブニ魔法王国だけらしいのよね。

 国民も貴族をはじめとして魔力の高い人が多くて、だからこの国は魔石に魔力を籠めてそれを他国に売って生計を立てているとのこと。

 だから、ぶっちゃけ大して働かなくても結構何とかなってしまうらしいのだ。

 なに、その某石油産出国的状況!って感じだ。

 だから、この国は基本魔力至上主義らしい。

 魔力が高いほど良い職にもつけるし、収入も上がる。

 貴族が偉いっていうのも別に先祖の功績とかではなくて、魔力の高い子供が生まれる血筋だからってことらしい。

 そう言えば、最近知ったんだけど、私のお父様って今の国王の兄らしいんだよね。

 知った時には、『え、私って国王陛下の姪?』って、びびりまくったんだけど。

 道理で以前王宮に行った時、お母様が王妃様と親しげに話していた訳だ。

 お母様と王妃様って、義理の姉妹ってことだものね。

 それなのに何故他の貴族にあんなに睨まれていたのかは不明だけど……。

 その辺の事情はどうも聞いてはいけない気がして、まだよくわからないんだけどね。

 とにかく、私には実は王家の血が流れているらしいってこと。

 王族。この国で最も魔力の強い血筋ということだ。

 これはいよいよ諦めていた転生チート能力の発現だろうか。

 お祖父様は大賢者と呼ばれているらしいし、これは前世知識と強大な魔力を駆使しての異世界無双というパターンかな。

 この国の子供は3歳になると神殿で魔力量を測り、5歳になると魔法を覚えられるらしいから、私もそろそろ神殿に魔力を測りに行くのではないかと思うんだよね。

 期待し過ぎるのも変なフラグが立っちゃうから困るけど、今回は条件的にいいカードが揃っていると思う。

 大賢者の孫で王家の血筋、そして転生者。

 これは、ちょっといけるのではないだろうか。

 まあ、妄想はこれくらいにして、我が国はそんな感じ。

 で、この国以外にもこの世界には3つの国がある。

 この大陸の西にあるのが今私がいるモーシェブニ魔法王国。

 それで大陸の中央北側にあるのがソルン帝国で南側にあるのがビャバール商業連邦。

 そして、大陸の東側にあるのが()()だ。


 (この辺は本当にお約束な感じなのに、なんで私のスペックに関してだけ期待を裏切るかなぁ)


 とにかく、この4か国が今いる大陸には存在していて、大陸の周りは海に囲まれていてその先は不明。

 つまり、実質上今いる大陸、今ある4つの国がこの世界の全てということ。

 大陸の丁度反対側にある倭国まで数ヵ月はかかるってことだから、この大陸の広さって大体オーストラリア位の大きさなんじゃないかな。

 私の感覚だと何か小さい感じもするけど、飛行機も列車も自動車もないことを考えると、十分に広いのかも。

 元旅人の私としては、いつか残り3つの国にも行ってみたいところだけど、それは大人になってからのお楽しみということで。

 今はこの世界のことをもっと知ることが先決だ。


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