『砂の迷宮』/『私――砂粒』
200文字以上ないと投稿できないため、二編の詩を載せました
ご了承ください
『砂の迷宮』
砂の獣が孤りーー
塵が暗闇に煙り、
迷い込むものとて僅か。
涙が張りつき喉も嗄れる。
寂しさに押し潰されて孤り、
約束された大地の底で
果てなき静寂にこそ死せる。
* * *
『私――砂粒』
身体中に空いた無数の穴から、
砂粒が零れ落ちていく
ぽろぽろと、さらさらと
私の中身が消えていく
私の中身が空っぽになっていく
止めどなく零れていく私
空っぽの私はただそれを傍観している
なにを思うこともなく
なにを嘆くでもなく
私はただただ私を傍観する
空っぽの私だから
私は中身のない伽藍堂だから
そして零れ落ちた砂粒は、
私の外で私以上に私となる
どちらがほんとうの私なのか、
私にはもうわからない