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いい加減にしやがれ!

 魔王の幹部の一人である『ユミナ・ブラッドドレイン』の屋敷で【メイドカフェ レインボー】を開いた俺たち。

 この世界にいる魔王を倒すことが、俺に与えられた使命なのだが、ルルナたちが乗り気でないため、それは保留となっている。

 俺しか料理を作るやつがいなかったため、人員募集をかけたが、やってきたのは、元気の良い返事しかできない、『座敷わらし』の兄妹であった。

 俺は店長であるユミナに、二人をどうするのかは俺に任せると言われた。

 俺は、一度、二人を不採用にしようと思ったが、二人を【見習い】として、この店で働かせることにした。

 俺たちが高校に行っている間、つまり午前中の間は二人に昼までにやっておいてほしい仕事をさせるというものだ。

 え? 高校が午前中で終わるわけがないだって? それは、異世界と俺の世界とでは、時間の流れ方が違うからだ。

 だいたい5時間ほどの時差があるため、高校が終わってから異世界に行くと、異世界は昼である。

 さて、今日も働くとしよう。6人分の食費を稼ぐために……。


 夏休み……俺の家……マリアの部屋に向かっている……。

 俺は今、恋という名の病にかかっている(らしい)5人の義理の妹を満足させるために頑張っている。

 ちなみにそれはあと3回……つまりあと3人を満足させなければならない。

 まあ、なるようになるさ……。

 俺はそんなことを考えながら、マリアの部屋の扉の前に立った。すると……。


「た○ようけん!」


 その直後、俺の目の前が真っ白になった。


「グアアアアアアアア!!」


 両腕で両目を覆い隠したが、もう遅かった……。


 *


 意識を取り戻した俺は、目隠しをされた状態でどこかに横になっていた……。

 というか、四肢を縛られているせいでまともに動けない。

 今の俺の体勢はサイコロの五の目みたいな状態だから、多分、ベッドの上で横になっている……。


「お、お兄ちゃん……ごめんなさい……」


 金髪ロングと赤い瞳が特徴的な美少女……いや美幼女『マリア・ルクス』はそう言った。


「その声は……マリアか?」


「うん……」


「そうか。なら、俺をこんな風にしたのはお前か?」


「うん……」


「そっか。じゃあ、今すぐ解いてくれ」


「それは嫌だ」


「即答だな、おい。じゃあ、その理由を聞かせてもらおうか」


「それは……その……お兄ちゃんのことが……好きで好きでたまらないから」


「その気持ちは嬉しいが、こんなことする必要ないんじゃないか?」


「……お兄ちゃん」


「ん? なんだ?」


「お兄ちゃんは私みたいな幼女は嫌い?」


「それ、今言わなきゃいけないのか?」


「うん……」


「そう……だな。お前の無邪気な笑顔は、好きだぞ」


「そういうことじゃなくて……その……一人の女としてどう思ってるってことだよ」


 マリアの口からそんな言葉が出るとは思っていなかったが……ここは、ちゃんと答えてやらないといけないよな。


「うーん、そうだな……。お前は心身ともに、もうちょっと成長しないとなんとも言えないが、俺は一人の妹としてなら、お前のことは好きだぞ」


「そう……なんだ。じゃあ、これなら、どうかな……」


「おい、マリア。いったい何を……」


 その時、俺の口を柔らかいものが塞いだ。

 その感触と熱と形から導き出された答えは……くちびるであった。

 つまり、俺とマリアは今、キスをしているのである。


「……お兄ちゃん……好き……大好き……愛してる」


 マリアは、時々そんなことを言いながら、何度も……何度も……俺の唇に自分の唇を重ねてきた。


「マリ……ア……もう……やめて……くれ」


「じゃあ……舌……出して……」


「な、なんで……そんなこと……しないと……いけないんだ?」


「私の……言うことを聞けない……悪い子には……お仕置き……しなくちゃ……ね」


「ま、待て……マリア……。まだ……心の準備が……」


「い、いただきます……はむっ……!」


 その後、マリアは俺の舌を自分の口の中に入れる度に吸ったり噛んだりしていた。

 それから、数十分後……。


「はぁ……はぁ……はぁ……も……もっと……! もっと……! もっと……!」


 マリアはついに俺の服を脱がそうとしていた。

 俺は抵抗しようとしたが、四肢を縛られているせいでまともに動けない……。

 しかし、その時……。


「いい加減にしやがれ!」


「あうっ!!」


 マリアは、何者かによって倒されてしまった。

 その直後、俺は解放された。


「勘違いするなよ、バカ兄貴。あたしがここに来たのは、たまたまだ。だから、このことは誰にも言うなよ?」


 ピンク髪ロングと赤い瞳が特徴的な美少女『アヤノ・サイクロン』はそう言った。(アヤノは俺のYシャツを着ている……下着は……わからない。だって、見えそうで見えないのだから……)


「あ、ああ、わかった」


「よし、なら、あたしの部屋に来い」


「俺がもし、嫌だと言ったら?」


「あたしの奴隷になるまで殴り続ける」


「はぁ……わかったよ。じゃあ、行くか」


「ああ」


 俺はその時、マリアがスクール水着を着ていることに気づいた。

 誰だよ、こんな服をマリアに勧めたやつは……。

 けど、なんでこんなに嬉しそうな顔をしてるんだろうな……。

 俺は、半ばアヤノに引きずられながら、アヤノの部屋に向かった……。






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