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マジかよ!

 異世界からやってきたルルナは……割愛。とにかく俺を異世界へと転送させた。ルルナの世界って、どんなところなんだろうな。楽しみだ。

 俺がゆっくりと目を開けると、そこには澄んだ青空とどこまでも続く草原があった。

 空気がおいしい……。俺の世界にもこんな時期があっただろうが、今はそんなことはどうでもいい。

 そう、ここは、【異世界】なのだから!!


「うーん、俺のいる世界とは昼と夜が逆転してるみたいだな……というか、ルルナはどこに行ったんだ? 姿が見えないが……」


 その時、何者かに背後から視界を塞がれた。


「だーれだ♪」


 その声が聞こえた瞬間、俺はルルナの仕業だということに気づいた。


「え、えーっと、ルルナかな?」


「あったりー! さすが、お兄ちゃん! よく私だって、分かったね!」


 俺の目の前に姿を現したルルナはニコニコと嬉しそうに笑っていた。


「いや、別に普通だろ……」


「えー、そうかなあ? 声だけで私が分かるくらいの関係になってると思ったんだけどなあ……」


「いや、どんな関係だよ。というか、俺とお前は最近出会ったばかりでそんな関係じゃ……」


「あー! そうだ! お兄ちゃんの妹候補が会いたがってるから、急がないといけないんだった! ほら、お兄ちゃん。私の手に掴まって!」


「え、あっ、ああ、分かった」


 俺はルルナの言う通り、手を握った。すると……。


「目的地は……うーん、面倒だから、脳内設定でいいや。それじゃあ、行くよ。お兄ちゃん」


「え? 行くって、どこへだ?」


「そんなの決まってるでしょ? 私以外の妹候補がいるところだよ」


「えっと、そこにはどうやって行くのでしょうか?」


「え? 飛んでいくに決まってるでしょう?」


「えーっと、俺、飛行機に乗ったことないんですけど……」


「あー、大丈夫、大丈夫。お兄ちゃんなら、きっと耐えられるよ! まあ……二十パーセントの確率でショック死しちゃうけど……」


「おい、今なんか重要なことを言わなかったか? おい! ルルナ!」


「うるさいなぁ。つべこべ言わずにさっさと行くよ!」


「いや、待て! まだ心の準備が……!」


「ルルナ、飛びまーす!!」


 その直後、俺とルルナは……空を飛んでいた。


「ああー!! 高い! 速い! 足がつかない! 誰か助けてくれー!」


「あー! もう! おとなしくしないと、いくらお兄ちゃんでも手を離すよ!」


「す、すみませんでしたあああ!! 俺を殺さないでくださあああああああい!!」


「よろしい。じゃあ、ちょっとスピード上げるねー」


「え、ちょっ、待っ……あああああああああ!!」


 それからのことはよく覚えていないが、俺たちは無事、目的地に到着したのであった……。

(ルルナが俺の世界に来る前に通っていた学園らしい……)


「な、なあ、ルルナ」


「なあに? お兄ちゃん」


「いや、なんか、女の子たちの視線が気になって、歩きづらいんですけど、なんとかならないか?」


「うーん、まあ、そうだろうねー」


「どういうことだ?」


「だって、この世界の男女比は一対九だもん。こんなところを歩いているお兄ちゃんは……あと五秒以内に襲われちゃうかもしれないねー」


「は、ははは。怖いこと言うなよ。そんなことがあるわけ……」


 その時、俺たちの背後から声が聞こえた。


「もし……そこのあなた」


「……なあ、ルルナ。今、声がしなかったか?」


「えー? 気のせいじゃない?」


「いや、でも確かに聞こえたと思うんだけど……」


「細かいことは気にしなーい」


「そうは言ってもだな……」


 その時、俺は左肩を何者かにものすごい力でつかまれ、身動きがとれなくなってしまった。


「ル、ルルナー! 助けてくれー!」


「もう、気にしすぎだよー、お兄ちゃん……って、あ、あははは、久しぶりだね……マキナちゃん」


 ルルナが振り向くと、そこには赤髪ロングと緑色の瞳が特徴的な美少女がルルナに怒りの感情を向けた状態で立っていた。


「久しぶり……ではありませんわよ! ルルナさん。今までどこに行っていたのですか? 学校をサボってまで、こんな男と一緒にいたいのですか?」


「痛い! 痛い! 痛い! 肩が砕けるからやめてくれ!」


「あなたは黙っていなさい!」


「え……あっ、はい。すみませんでした」


 マキナは咳払いをすると。彼の肩を掴んだまま、ルルナに話しかけた。


「それで? 今までどこで何をしていたのですか? それにこの男はいったいどこから連れてきたのですか?」


 ルルナは観念して、包み隠さず今までのことを話した……。


「……なるほど。この男が魔王を倒せる力を持っている存在だということはわかりました。しかし! 『兄妹契約』までする必要はなかったのではありませんか?」


「うっ……それは……」


「それは?」


「……あー、分かったよ。白状するよ」


 ルルナは深呼吸をすると、大声でこう言った。


「私はその人に一目惚れしちゃったのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 お嬢様学校(?)みたいなところにいる女子生徒たちが一斉にルルナの方を見るくらい大きな声でルルナは叫んだ。

 マキナはルルナの水色の瞳をじーっと見つめると、溜め息をいた。


「そんなことだと思いましたわ。まったく、あなたという人は……」


「だって、本当のことだもん!」

 

「はぁ……ルルナさん、あなたは『兄妹契約』がどんなものか知った上で……」


「一人ぼっちで寂しそうだった、お兄ちゃんと家族になりたかったから、やったんだけど……なんかまずかったかな?」


 マキナは頭を抱えながら、こう言った。


「いいですか? 『兄妹契約』というのは種族や家系のせいで結婚できない者たちを救う措置として作られたものなのですから、好きな人とするのは、おかし……」


「マキナちゃん、何言ってるの? 全然おかしくなんかないよ」


「ルルナさん、あなた、何を言って……」


「私のお兄ちゃんに対する思いは、誰にも負けないし、お兄ちゃんのことを一番、愛しているのも私。だから、やったんだよ」


「『兄妹契約』を結んだその瞬間から、どちらか片方でも死ねば、どちらも死んでしまう関係に……」


「それはさすがに知ってるよ。だけど……私はそれくらいお兄ちゃんのことを好きになっちゃったの……だから……」


「もういいですわ。あなたの気持ちはよーくわかりましたから……。ですが、このことはきっちり学園長に報告するのですよ?」


「うん……分かった。ありがとね、マキナちゃん」


「礼を言われることなどしていませんわよ」


 マキナは俺の肩から手を離した。そして、その後、地面に置いていたカバンを持つと。


「……それでは、ご機嫌よう」


 マキナはただそれだけを言って、その場から離れた……。


「……お兄ちゃん、ごめんね。私、お兄ちゃんのことが好きすぎて、勢いで契約しちゃったの……。許してほしいとは言わない……だけど、私は本当にお兄ちゃんのことが……」


「……もういいんだよ、そんなことは。それよりも俺は、お前の本音が聞けて嬉しかったぞ」


「お兄ちゃん……。も、もう、恥ずかしいこと言わないでよー!」


 ルルナはそう言いながら、俺の胸をポカポカと殴ってきた。


「ははは、ルルナは可愛いな」


 しかし、俺がそう言った直後、ルルナはニコニコしながら、こう言った。


「……でも、男子禁制のこの学園のおさである、学園長さんに報告したら、お兄ちゃんは【切腹】しないといけなくなるかもねー」


 それを聞いた彼の顔は真っ青になり、こう言いながら、ダッシュでその場から逃げ始めた。(ルルナは飛べるから、逃げても無駄なことであることは、知っているのに……)


「マジかよおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

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