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おかえりなさいませ!

 今から魔王の幹部の一人『ユミナ・ブラッドドレイン』が告げた、彼女のこれからについて、説明していくからよーく聞けよ?


 *


「お兄ちゃ〜ん、そっち持ってー」


「はいよー」


「違うよー。私を運んでほしいんだよー♪」


「……あー、はいはい、抱っこなら、あとにしてくれ。今はユミナのために頑張ることが先決だろ?」


「うん、そうだねー。それじゃあ、このテーブル、早く運ぼうかー」


「ああ、そうだな」


 え? 何をしているのか分からない? まあ、待て。もう少ししたら、分かるから……。

 それから、1時間後……。


「これでよしっと……。ルルナー、いいぞー」


「はーい! それじゃあ、行くよー! それー!」


 銀髪ショートと水色の瞳が特徴的な美少女ルルナ・リキッドは、ユミナの屋敷を覆っていた布をバサー!と空中で剥ぎ取ると、頭の上にユミナ(黒猫形態)を乗せた俺のとなりに着地した。


「よしよし、これで大丈夫だな。どうだ? ユミナ。これでいいか?」


「うん! バッチリだよ! 完璧な仕上がりだよ! ありがとう!」


「そうか、それはよかった。それじゃあ、また明日な」


「えー、もう行っちゃうの? ゆっくりしていったらいいのにー」


「悪いな、俺、一応高校生だから、明日、起きれないとまずいんだよ」


「そっかー。それは仕方ないね。でも、毎日学校があるなんて変わってるね」


「入学した時に、それを聞かされたから、俺もびっくりしたけど、土日は午前中だけだから、なんとかやれてるのさ」


「そっかー。じゃあ、また明日ね」


「ああ、またな」


 俺の頭の上から飛び降りたユミナ(黒猫形態)はルルナのところへ行き、ニャーと鳴いた。

 すると、ルルナはよしよし、とユミナ(黒猫形態)の頭を撫でていた。

 さて、魔王の幹部の一人『ユミナ・ブラッドドレイン』が俺たちの何になったのかというと……。


 *


 数時間前……。ユミナは俺たちにこう言った。


「私はこの屋敷で『カフェ』をやりたいから手伝ってくれない?」


 それは今まで魔王の幹部の一人として生きてきたユミナがやりたかったことであり、同時に憧れでもあった……。

 だから、俺たちはそれに賛同し、今に至るというわけだ。

 ということで、正解は俺たちの店の『店長』になった、だ。正解者にはどら焼きをプレゼントするから、言ってくれよな? (それはもう作者が食べたそうだから、何か別のものを送ろうかな……)


「それじゃあ、ルルナ。そろそろ帰るぞ」


「あー、うん、わかったー。じゃあねー、店長」


「ニャー(また明日ねー)」


「それじゃあ、お兄ちゃん、ほら、手を繋いでー」


「……あのさ、毎回、思うけど、手を繋ぐ必要あるのか?」


「んー? あー、座標が狂わないようにするためだよー……多分ねー」


「多分って……まあ、いいか。じゃあな、ユミナ。また明日」


「ニャ〜(絶対に来てね〜)」


 こうして俺とルルナは異世界から俺の家へと帰ったのであった……。(他の四人は先に帰っている)


 *


 次の日の……午後。

 俺は【ユミナの屋敷の中】に行ける呪文を昨日、教えてもらっていたため、それを言って転移した。

 ちなみに、今日まで異世界のモンスターを素手で倒しまくっていたおかげで自力で異世界に転移できるぐらい強くなっていた……。

 というのは嘘で、俺がユミナに教えてもらった呪文が特別なおかげでユミナの屋敷の中、限定で転移できるのだそうだ……。

 どんな呪文かって? うーん、それは、まあ、また今度な……。


「おーい、来たぞー、ユミナー。いるかー?」


「はい、はーい! いますよー! 待ってたよー!」


「おっとと、猫の姿になってるからって、2階から飛び降りるなよ」


「えへへへー、嬉しくて、つい」


「そうか、そうか。なら、早く準備始めるぞ。あー、それとだな、ルルナたちがうまく着替えられてるかどうか見てきてくれないか?」


「分かったー。それじゃあ、あと、よろしくねー」


「ああ、任せとけ」


 ユミナ(黒猫形態)はテテテテッとルルナたちが着替えている部屋へと走っていった……。

 さてと、じゃあ、そろそろ準備するか。こうして、俺は店の準備を始めたのであった。

 開店には、まだ時間はあるが、やれることは全てやっておきたいという衝動に駆られた俺は、人生で一番几帳面に店の準備をした……と思う。


「お兄ちゃ〜ん!」


「お兄様ー!」


「お兄さーん!」


「バカ兄貴ー!」


「ケンジー!」


 五人の義理妹に呼ばれたため、俺は何事かと思い、ダッシュでルルナたちがいる部屋へ向かった。

 俺が扉を勢いよく開けると、メイド服と猫耳とシッポを身につけたルルナ、マキナ、マリア、アヤノ、ミーナがいた。(俺の足元にユミナがいる)

 なるほど……これはなかなか……って、何を考えているんだ! 俺は! 異世界からやってきた義理の妹とはいえ、メイド服姿を見て、いかがわしいことを想像するなんて! 俺はなんて大バカ者なんだ!!

 俺がそんなことを考えていると、五人はこちらにやってきて、俺に服の感想をいてきた。

 よ、よかった。これで気が紛れる。というか、みんな可愛いな。

 俺は、そんな彼女らの頭を撫でたくなる衝動に駆られたが、ぐっと我慢して、それぞれの服の感想を述べた。

 それを聞いた五人は、とても嬉しそうにしていた。というか、この服、誰が作ったんだろうな……。まあ、いいか。(俺の執事服もだけどな……)

 俺たちは、開店時間になると屋敷の外に横一列に並んだ。すると、屋敷の前に長蛇の列ができていた。

 これが……魔王の幹部の力か! いや、単に物珍しいから集まってきたのかもしれないな。

 まあ、まさか魔王の幹部の一人が『カフェ』を始めたなんて、誰も思わないだろうな……。

 そんなことを一瞬、考えたが、ここで働いていれば、6人分の食費等を稼げる……ため、俺にとっても好都合なので、それ以上考えるのをやめた。

 俺たちは、とりあえず昨日の特訓通りに笑顔で客を招き入れることにした。


『おかえりなさいませ! ご主人様! お嬢様! どうぞ心ゆくまでお楽しみくださいませ!!』


 こうして、俺たちは魔王の幹部の一人である『ユミナ・ブラッドドレイン』の屋敷で【メイドカフェ レインボー】を開くこととなった。

 あれ? 俺なんか、本来の目的を忘れているような……まあ、今は仕事に集中するとしよう。


「お兄ちゃ〜ん、【レインボーパフェ・スーパーノヴァ】まだー?」


「あー、はいはい、ただいまー!」


 とりあえず仕事が終わるまで、仕事に集中しなくちゃな! と店の料理を一人で作りながら彼は考えていたのであった……。(当面の目標、人員の確保!)






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