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あー!

 昨日、俺は5人目の妹候補であるミーナ・ノワールと戦い、なんとか勝利した。そのあと、なんとかミーナを説得して俺の妹になってもらった。

 あいつは、人とあまり関わらずに生きてきたから、俺のことを試した……。

 そのことを思うと、あいつの笑顔を見るのが、とても……。


「ケンジ……ケンジ……ねえ、ケンジ。早く起きて」


 俺がそんなことを考えていると、ミーナの声が聞こえた。俺は自分が今、眠っていることに気づくと、ゆっくりと目を開けた。


「あ……お、おはよう。ミーナ……もう朝か?」


 黒い瞳と黒髪ツインテールと黒いゴスロリ服が特徴的な美少女……いや、美幼女ミーナは、ベッドで寝ている俺に馬乗りでこちらを見ていた。


「ケンジ……悪い夢でも見たの? 今のケンジはとても悲しそうに見えるよ?」


 俺はそっと自分の目尻に触れると、ほんの少しだけ透明なしずくが俺の指に付着した。

 俺はそれを払うように拭うと、苦笑いをしながらこう言った。


「い、いやあ、ちょっと俺の死んだ両親のことを思い出してたからかな? なんか寝ながら泣いてたみたいだ。あはははは」


 その時、ミーナは真剣な眼差しで。


「嘘……つかないでよ」


 俺に向かってそう言った。俺は、ミーナに隠し事をするのは不可能だと悟ったため、苦笑いではなく、少し悲しそうな顔になった……。


「やっぱりお前には、隠し事はできないみたいだな」


「そんなの当たり前でしょ? 『兄妹契約』を結んだ仲なんだから、ケンジのことはなんでもわかるよ」


「そうか……厄介だな……」


「そ、そのかわり、私のこともわかるから、ちょっと恥ずかしい……けどね」


 目をパチクリさせながら、そう言ったミーナの顔を見ていると、なんだか自分が先ほどまで考えていたことがバカらしく思えた。


「そうか……なら、俺はこれから少しずつお前の……いや、お前たちのことを今以上に理解していかないといけないな」


「うん、そうだね……」


 なんだか朝からレアな体験をしていた、その時……。


「お兄ちゃ〜ん、朝ごはんできたよ〜……って、あー、ごめんね〜。お邪魔だったかな〜?」


 異世界から俺のところへやってきた最初の妹候補『ルルナ・リキッド』が部屋に入ったきた瞬間、俺は今の状況を脳内で整理し始めた。

 朝、ベッド、目の前に馬乗り状態の美少女……いや、美幼女、それを見て戸惑っている兄……あっ!

 だが、俺が気づいた時には、ルルナはもうそこにはいなかった。そして、数秒後に他の3人が階段をものすごい勢いで上がってきた。


「お兄様! 私というものがありながら、ミーナさんのような幼女に手を出すなんて、あんまりです!」


「お兄さん! 私だって幼女なのに、どうして私には手を出さないの! 金髪より黒髪がいいの!?」


「おい、バカ兄貴! あたしには手を出さずに幼女に手を出すとはいい度胸じゃねえか! やるなら、今からでも、あたしとしろ!」


 あーあ。やっぱりこうなったか。

 最初にお兄様と俺を呼んだのは、マキナ・フレイム。ルルナの次に来た妹候補で赤髪ロングと緑色の瞳が特徴的な美少女。(胸はCカップくらい……かな?)

 次に俺をお兄さんと呼んだのは、マリア・ルクス。マキナの次に来た妹候補で金髪ロングと赤い瞳が特徴的な美幼女。(胸は……あるのかわからない……)

 最後にバカ兄貴と俺を呼んだのは、アヤノ・サイクロン。マリアの次に来た妹候補でピンク髪ロングと赤い瞳が特徴的な美少女……か? うーん、不良っぽいけど、そこが可愛いんだよな……。(胸はサラシで隠しているため、本当のサイズはわからない)

 その3人が俺のところにじりじりと迫ってくるのを笑いをこらえながら部屋のドアの近くで見ていたルルナを見つけたが、今の俺には、3人に事情を説明するしかなかったため、ルルナの件は、後に回すことにした……。


「……というわけなんだ。分かってくれたか?」


 俺がベッドの上であぐらをかいて座った状態で話し終えると、3人はなぜか数秒の間、葛藤していたが。


「わ、わかりました。今回はそういうことにしておきます」


「うーん、お兄さんの心拍数が変化してないから、嘘はついてないと思うけど、次からは気をつけてね」


「まっ、バカでヘタレなダメ兄貴のことだから、そんなことだろうと思ったけどな。はははは」


 アヤノはなんでそんなに上から目線なんだ? まったく、覚えとけよ、この野郎……って、たしか、ルルナには俺の心の声が聞こえて……。

 俺はふと、部屋のドア近くに立っているルルナの方を見た。すると、ルルナはとても残酷な笑みを浮かべていた。あー! 今日終わったああああ! いったい何を要求されるのだろう……。

 なんだかんだで朝の一件が片付いたため、俺たちは急いで朝にやらなければならないことを済ました。

 それから、みんなで(二人幼女だが)県立空前絶後高校の2-1教室を目指して、走り始めたのであった。


「……へえ、あれが魔王様を倒せる可能性がある人間か……。見たところ普通の人間だけど、体内に隠し持っている魔力の量が魔王様と同じくらいとはねぇ。これは、一度、魔王様に報告しなくちゃ……」


 電柱のてっぺんから彼らを見下ろしている、存在に気づかないまま……。



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