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乱暴すぎるだろ!

 ____その日の夜。異世界での特訓が終わった俺とルルナとマキナとマリアは俺の家に戻った瞬間、風呂等を急いで済ませた。そして……。


「……狭い」


 俺のベッドは妹たちにほぼ占領されてしまった。俺の右側にルルナ。左側にマキナ。俺の腹の上にマリアがいる。


「なあ、ちょっと狭すぎやしないか?」


「えー、そんなことないよー。えへへ♪」


 銀髪ショートと水色の瞳が特徴的な美少女ルルナは、俺の腕に膨らみかけの胸を押し当てながら、そう言った。


「お兄様、もっとくっついてもいいですか? 私……お兄様にくっついてないと調子が悪くなるんです」


「俺はお前のサプリメントか何かなのか? まあ、俺は別にくっつかれても、大丈夫だから、好きにしていいぞ」


「本当ですか! では遠慮なく! えいっ!!」


 赤髪ロングと緑色の瞳が特徴的な美少女マキナ・フレイムは、中くらいの胸を押し当ててきた。うーん、Cカップくらいかな?

 マキナは俺の体を舐め始めそうだったが、俺の勘違いだったようだ。頬を俺の腕に擦り付けてくるだけ……って、こいつは猫か何かなのか?


「お兄さん! お兄さん!」


「んー? なんだー? マリア」


「そ、その……お兄さんの心臓の音を聞いてもいいかな?」


「え? お前って、そういう……」


「ち、違うよ! ただ、お兄さんが生きているかどうか確認するだけだよ!」


「あー、そういうことか。てっきり心臓フェチなのかと思った」


「もうー! お兄さんは私をなんだと思ってるの!」


「小学四年生?」


「もうー! 私、そんなに幼くないよー! えいっ!!」


 金髪ロングと赤い瞳が特徴的な美少女……いや、美幼女マリア・ルクスは、俺の心臓がある左胸に耳を当てると、満足そうな声を出しながら、俺を抱きしめた。


「……なあ、明日から別々の部屋で寝……」


 俺が提案しかけた時、三人はそれを拒否するかのように、俺をギュッ!と抱きしめた。


「……あー、分かったよ。とりあえず、あと二人、妹候補が来たら、決めるからそんなに抱きしめないでくれよ。く、苦しいから〜」


 三人はそれを聞くと、自分専用の抱き枕であるのかのように俺のあんなところやこんなところを……いや、寝相が悪いと言っておこう。

 このままだと規制されてしまう可能性が高くなってしまうからな……。

 俺は仕方なく、そのまま寝ることにした……。


「お兄ちゃ〜ん♪」


「お兄様〜♪」


「お兄さ〜ん♪」


 三人の腕が俺めがけて伸びてくる。や、やめろ。俺に何をする気だ! え? 俺の大切なものを奪うからじっとしてて……って、お前らまさか、俺の……あっ、こら! なんで俺の服を脱がそうするんだ! あと、なんで病院のベッドがあるんだよ!

 はぁ……はぁ……なんでこんなことを……って、どうしてお前らはナース服を着ているんだ? ま、まさかお前ら、俺に変な薬でも注射するつもりか?

 ま、待て、やめろ。やめてくれ。お願いだから、それ以上近づくな。

 いや、本当、謝るから。俺がお前らに何をしたのかは分からないけど、俺にできることなら、なんでもするから……って、なら、俺の大切なものをよこせだって?

 な、なんの話だ? 俺にそんなものなんてないぞ……って、お、おい、まさか……そういうことなのか?

 俺の大切なものって、そういう……いや、それだけはやめてくれ。

 それは、好きな人に捧げるつもりなんだ! だから、やめてくれ! あっ、あっ! や、やめろ! やめてくれ!

 そ、そんなに激しくされたら、俺……おかしく……あああああああああああああああああああああああああ!!


「うわああああああああああああああああああ!!」


 ベッドから勢いよく起き上がった俺が最初に見たのは、いつもと何も変わらない部屋の扉だった。


「は、ははは。な、なあんだ。夢だったのか。あはははは。そうだよな。あんなの夢に決まって……」


 その時、自分が服を着ていないことに気づいた。そして、自分の周りには服を着ていない三人の姿があった……。


「う……うわあああああああああああああああ!!」


 その時、俺はあまりのショックで気を失ってしまった……。


「お兄ちゃん、大丈夫ー?」


「はっ! あ、あれ? ルルナ? お前、なんで服着てるんだ?」


「なにそれー、私、裸族じゃないよー。それより、早く起きないと遅刻しちゃうよー」


 俺はゆっくりとベッドから体を起こすと、自分の体を確認した。服は着ているし、イカ臭くない……。

 はぁ……よかった。


「あ、ああ、そうだな。今起きるから、待っててく……」


 その時、ルルナはいきなり俺の首筋に噛み付いてきた。『兄妹契約』をした時と同じように俺の血を吸っている。


「ル、ルルナ。やめ……ろ!」


 ルルナは、俺の声に反応したのか、ぱっと俺から離れ、自分の口元に少しついた俺の血を色っぽく舐め取った。


「ら、乱暴すぎるだろ! いきなりなにすんだよ!」


「なにって、ただの栄養補給だよー?」


「栄養補給? どういう意味だ?」


「『兄妹契約』の副作用覚えてる?」


「えっと、別々に行動しちゃいけなくなるんだよな?」


「それは人数が増えたから、もう大丈夫だよー。あと、もう一つはー?」


「えーっと、俺とお前らの命が一つになるから、どちらかが死ねばどちらも死ぬだったか?」


「そう……だから、お兄ちゃんは一生、私たちに血を与えないといけないんだよー?」


「えっと、それってつまり……」


「そう! お兄ちゃんは、私たちの食料になっちゃったって、わけー」


「う……嘘だああああああああああああ!!」


「うん、嘘だよー」


「……え?」


「ちょっと遅めのエイプリルフールだよー」


「な、なあんだ、そういうことだったのか。朝からそういうことするなよ」


「えへへー、お兄ちゃんがどういう反応するのか見てみたかったから、ついやっちゃったよー。あ、でもねー……」


 ルルナは俺の耳元でこう囁いた。


「私たちがお兄ちゃんのことが大好きなのは本当だから、安心してねー♪」


「お、おう……」


 ルルナはさっと俺から離れると。


「それじゃあ、早く支度してよねー。お兄ちゃん♪」


 そう言うと、俺の部屋から出ていった。はぁ……どこまでが夢だったのか全然わからなかったなあ……。まあ、でも夢でよかった……。

 彼は急いでベッドから離れ、身支度をし、必要な荷物だけ持って部屋から出ていった……。しかし、彼の部屋のゴミ箱の中に『コ○ドーム』が三つあったのは、なぜだろうか?

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