異変の時・・外伝 リジャの独白・・
・・この御話はアーシュの実母リジャの独白・・・
・・古代・・
いしにえの時代・・アーシュの実母であった
人族の娘 女性リジャ・・
彼女は そのままの姿と名前で約千年後の現世に転生した
・・リジャは前世の事を覚えていて・・
亡くなる少し前に死期を悟って・・・
彼女はアリステアとステラ教授に
自分が覚えている全てを話して聞かせた・・
・・・一番愛したのは・・セルト様と私のアーシュラン様です
そして・・ナーリン・・アーシュ様の父王様・・黄金の竜の王アージェント様・・
今は現世で出会ったアーシュ様の息子・・前世の私の孫になる
もう一人のアーシュ様も好きです・・ふふ
姿は父の方によく似てますが 性格や目元は 母のエイル様に似てますね・・
見事なオッド・アイ
瞳は片方はお母様の天空の青の色・・片方は父になるアーシュ様の赤い宝石のような火炎色ですね
・・今はアーシュ様の瞳の色が変わりましたから 三人とも オッド・アイですね・・
アーシュ様の父王様は・・愛するのは・・少し時間がかかりました
・・・しばらくは愛する事は出来ませんでした・・
・・アーシュ様が産まれる頃には・・
とても深く 愛していました・・・
・・アーシュ様の父王アージェント様は・・私にとって恐ろしい方でした
セルト様の結婚直前に・・私は奪い去られました・・
・・私を奪い去った時は発情期でしたし・・長く続いていました
・・時に荒く乱暴に扱われました・・でも・・落ち着くと詫びを言って
・・優しくしてくれた・・でもまた 乱暴にされて・・また詫びを言われて
その繰り返し・・・怖かったです・・あの時は・・監禁状態に近かったし・・
・・2年間の売春宿でのトラウマもありましたから・・
五か月後にやっと発情期が終わるなり とても優しく接せしてくれました
美しい場所にも何度も連れていってくれました・・黒の王宮以外は・・
リュース公様の湖畔の城にも連れて行ってくれました・・
・・・リュース公様達も優しかった・・
当時は あの戦士で警護役だった美しい妻の姫君もおられました
・・・魔法の技と剣にすぐれて・・
リュース家の親戚の姫だったとか・・
ああ・・そうだ・・
まだ・・あのアルテイシア姫は生まれていませんでした・・
アーシュ様が産まれる
一年か二,三年前にアルテイシア姫は産まれました・・
・・・残念ながら 逢う機会はなかったです・・
・・・その頃から・・セルト様やナーリンに申し訳ないと思いながら
私は・・あの御方を愛しだしました・・
二年も最低の売春宿にいた・・穢れた・・ただの人族の女の私を・・
大貴族の娘の姫のように
真心を込めて大切にしてくれました・・壊れやすい繊細な物を扱うように・・
大切にされた・・
アーシュ様を身ごもった事を知った時は 本当に嬉しかった・・
・・セルト様は私を子供時分からとても愛してくれましたし・・
優しかった・・たった一度だけ・・結ばれました・・
あの地獄の2年間を過ごした最低の売春宿からも助けてくれたのに
私は結果的に セルト様を裏切りました・・
時の安息の時間や現世で・・セルト様やナーリンが追放された後の事
巨人族の手下のヴァン伯爵に・・心を封じられて 操り人形となり
・・父王様を殺して首を刎ねた事も知りました・・
・・・最後の戦争で壮絶な最後・・死んだ事を知って・・
私は絶句して蒼白になりました・・
しばらくショックで口がきけませんでした
・・・救いは・・私のアーシュ様が
セルト様を激しい戦いの末に・・あの方を呪縛の魔法の魔具を壊して
解放してくれた事・・
囚われて十数年も
魔法の水晶玉に閉じ込めらていたナーリンも助けてくれた事・・
父王の首を刎ね・・味方のリュース公の城を幾つも灰塵に還したのに
まるでなかったかのように・・彼を信頼して・・大事な部下にしました
彼の名誉を回復した・・最高地位の将軍にしました・・
・・後・・セルト様を許さなかったリュース公が
解放当時・・水牢獄に閉じ込められて 危うく処刑されかけた
セルト様を助けてくれました・・・
・・・覚え書きの日記も見ましたが・・
その為にリュース公に高い代償を支払ったとか・・
何の事だったのでしょうか? 知りませんか?
・・互いの顔を見るアリステアとステラ教授・・
いえ・・わかりません・・今・・安息の時間に居られている
アーシュ様もわからないでしょう・・・
本来の記憶の殆どを失われたから
・・知っているのは リュース公のみです・・
・・そうですか・・
・・安息の時間に入った時に捜してみましたが・・
・・何故だか見つけられませんでした・・・
・・・その後の貴方の事をお聞ききしても構いませんか??
無理なら次回でもです・・話たくなければ・・ここで終わりにしてもいいです
・・いえ・・今すぐにここで御話をせねば・・私は長くありません・・
死期が近い・・
ゆえにか 前世の事も・・つかの間の安息の時間の事も思い出しました
・・すべて・・御話します・・次回・・安息の時間に入ったら・・
恐らく・・転生は出来ない・・消えるかもしれない・・
・・私をアーシュ様や父王様アージェント様にただ一度 逢わせる為に時の力が・・
情けをかけたのでしょう・・
・・今度は普通の人間として生まれて・・
いにしえの古代の時代とそっくりな容姿になった・・
名前も同じ名がつけられた・・
・・・引き寄せられるように・・呼びだされるように・・
選ばれて・・この時の神殿の副長になりました・・・
もうアーシュ様を身ごもった時点で・・人としての力の使い果たした・・
・・繰り返して転生出来たのは・・その時のアーシュ様の魔力のおかげ
・・でも同時に人としての力も奪い去った・・・
私の無意識に強く焼き付き・・転生しても 記憶が残ったのは・・そのせい・・
今の私には・・癒しと予知の力がある・・
過去見もわずかですが・・少し
・・叔父がにやんこな人で・・
バルド地方にある・・時の神殿の長をしていましたから・・
・・前世でも・・幾度転生を繰り返しても 必ず時の神殿と深い縁がある
前は・・にやんこな人間で・・
父親はこの近くにあるアルデナの地の時の神殿の高い位の神官でした・・
人間の国にも・・
今回・同様・・二度程 生まれましたが・・
・・やはり時の神殿の長の姪か娘か・・
重要な地位にある関係者の近い親戚の子でした・・
・・・姿は 全て・・今の私に似ていました・・
でも・・ここまで そっくりそのままになったのは初めてです・・
一度だけ銀の髪の娘にもなりました
そして・・毎回・・30歳前に死んでいます・・
10代の時も一度ありました・・
・・・アーシュ様が時の神殿を作られた 創設者
そのせいかも知れません・・
アーシュ様の父王・・アージェント様・・
あの御方を本当に深く愛しました・・
アーシュ様は利発でかしこく・・頭もよかった・・
・・父王様がスパルタで・・
魔法も剣も・・体術も・・白の言語を教えましたが
・・ちゃんとついて入った・・飲み込みも早かった
あんなに まだ幼ったのに・・砂が水を吸い込むようだった・・・
黒の王族も 白の王族同様に美しい方は多い・・
あの方は戦の為・・片眼でしたが・・アーシュ様に面差しが似て 整ったお顔立ちに
・・鍛えられた筋肉質の素敵なお身体をされていましたし・・美丈夫でした・・
・・・アーシュ様を身ごもった時・・本当に幸せでした・・・
・・・難産でしたが・・幸せでした・・心から愛おしかった・・
あの二人・・父王様アージェト様と私のアーシュ様・・・
・・アーシュ様は父王アージェント様によく似ている・・親の私が言うのも
なんですが・・美男子です・・美丈夫になりました・・・
大人の姿と結婚の儀の二人の妻の姫様との肖像画のコピーを
部屋に大事に飾っています・・うふふ・・もちろん子供姿も・・
他にもセルト様に大人姿のナーリンの肖像画のコピー・・
アーシュ様の父王様の肖像画のコピーも
・・・私が覚えている ナーリンの少女姿の肖像画は後世には残っていません
とても・・可愛く美少女でした・・ちょっと残念です・・
アーシュ様は・・
ただ・・少々 目元がきついですね・・
時々 わん子さんやエイル様がふざけて・・鬼瓦と・・
呼ばれそうです・・ふふ・・確かに・・うふふふ
・・・私に・・とても豪華な大きな屋敷をくれました・・
広い寝室には 豪華で高価な家具・・天蓋付きの広々としたベット
毛布も高級な物・・小物から家具すべて・・食器類・・
・・・食事はほとんど召使いの者達が作りました・・スイーツも美味しかった
何度かレシピを貰った事があります・・
・・私は 料理は得意でしたから・・父王アージェントさまに御出しますと
大変喜んで褒めてくださいました・・
広い庭には小さな噴水一つに沢山の小さな花畑・・
雪花の樹や他の花々の樹
屋根のついた小さなスペース・・ベンチにテーブル
・・庭を愛でながら お茶やお菓子を食べる為の場所・・
・・広い地面だけの何もない場所がありました・・
・・そこはアーシュ様の魔法や剣の練習用に用意された物でした
・・アーシュ様が産まれるまで知りませんでした
・・・王様や・・側近の者や竜人達がアーシュ様の指導をされました・・
・・・そこにチューリップや水仙など花を植えたいと言いましたら
・・そこは必要だから 地面のままにしている・・時が来ればわかるから
そのままにするように言われました・・
別の場所を選び 私には植えさせませんでした・・
手が荒れる・・悪い虫に刺されて
その白い白磁の肌が腫れたらどうする・・それは召使いの仕事だ
好きなだけ 種を選べ・・
庭師達が植えるからと・・配置も庭師にまかせるようにと・・
それに黒の大貴族の娘の様にふるまえ・・
・・淑女として正式な礼儀作法を学ぶようにとも・・
あの側近のタルベリイ様がじきじきに
家庭教師として指導してくれました・・・
側近のタルべリイ様には全て打ち明けられて
私を大事に扱うようにと命令されていました
私だけでなく・・タルベリイ様は アーシュ様にも
・・必要な礼儀作法や勉強を教えました・・
・・・・あの親切で優しかったテルベリイ様の最後も
悲劇でしたね・・気の毒です・・
父王様アージェント様は・・
・・・他にも沢山の贈り物を下さいました・・
・・豪華で美しい衣装が沢山・・それに合わせた沢山の宝飾品
城が一つ買える程の宝石のついた指輪に首飾りもありました・・
それらの衣装に合わせた靴も沢山・・・
・・・黒の国の王の側室に・・
相応しい物だから 受けとれと言われました
他にも 細々とした物も用意してくれました
お気に入りだった手鏡・・
黄金で出来て宝石がついていました・・・
沢山の高価な物・・日用品・・・高価な化粧品・・細々な物・・
最高の絹で出来た・・下着類や寝間着・・刺繍の施されたハンカチ・・
・・月に一、二度・・黒の王族や大貴族しか相手にしない
大きな店の者達が来て・・商品を持ってきたりしました・・
・・・・欲しいだけ 買えと言われました・・
衣装や靴の店も者達には・・王様が直々に衣装のデザインを選び
特注品を注文されました・・・専門の者に衣装をデザインさせる事も多かった・・
何よりの気使いは・・口の堅い 優しい者達を特別に選び
私の召使いにしてくれました事・・・
決して たまに趣味程度で作る料理以外の家事はさせませんでした・・
息子のアーシュ様に対しては・・
スパルタ式の勉強や訓練を教える以外はあまり声もかけませんでいた
・・抱かれる事もなかった・・少々冷たかった・・
案外とアーシュ様には無関心でしたが・・
アーシュ様の運命を知っておられたせいかも知れません・・
これは伝記や時の狭間・・つかの間の安息の時間で知った事ですが・・
随分あっさりと・・
まだ子供のアーシュ様を白の国の人質に出されましたね・・
・・・家族の肖像画にも入れてくれてない・・
ああ・・私の遺体ですが・・丁寧に埋葬してくれたようです
・・多分・・黒の王族の墓には入れていません・・
アリアン王妃様の手前もありますから
恐らくどこかの神殿か・・
リュース公に頼んで・・リュース家の縁者として埋葬したのでしょう・・
・・・どなたかご存知の方に聞いてください・・
リュース公なら知っているでしょう・・
アーシュ様か・・・もしくはリアン様に聞かれてください
御二方が・・
安息の時間に戻られる時に
リュース公か父王様から聞いてくれるでしょうから・・
アーシュ様を・・私が死んだ後は・・
おもに勉強や訓練はタルベリイ様か側近の方に任せたようですね
・・・・訓練は 何度かされていたようです・・・
・・・伝記などや安息の時間で知りましたが
・・黒の王宮では アリアン王妃をはじめ召使い達にも
かなり苛められそうです・・
毒殺未遂に・・高い階段の上から突き落とされたも・・
王妃様にぶたれたり・・物を投げつけられたり
売女の息子とののしられたり・・陰口も日常だった
・・・私のせいでもあります・・私はただの人族・・
黒の貴族でもなんでもない・・
それに2年もあの最低な売春宿で・・
・・酒に酔った最低の男達相手に・・身体を好き放題に扱われた・・
・・・一度だけ 逃げようとした事もある・・
すぐに捕まり 一晩中・・鞭打たれた・・以来・・大人しく従いました
・・・早く死にたいと何度も思った・・セルト様が宿の主を斬り殺して
あの時に私を手籠めにしていた二人を
斬り殺して助けてくれた時は本当に嬉しかった
我を忘れて・・私は半ば半裸で彼の腕に飛び込んだ・・
・・彼は黙ったまま私を抱きしめてキスしてくれた・・
抱き上げて 毛布に包んで まず薬師の家に連れて行った
・・・薬師の方はセルト様の御友達・・すべて知っていた
優しかったです・・あの方も・・結婚式にも呼ばれていた
お祝いにと・・沢山の贈り物を準備してくれていた・・
あの日以来・・私はやっと懐かしい家に帰りました
・・・何度も彼やナーリンは私を慰めてくれた・・
その時の事を悪夢として思い出して真夜中に泣き叫んだ私を慰めた・・
・・・・父王様アージェント様の隠れた側室になった後でも・・悪夢は何度も現れた
・・幼いアーシュ様は訳もわかりませんでいたが・・
抱きしめて お母様泣かないで・・ずっと付き添い慰めてくれた・・
・・・アーシュ様の父王アージエント様も同じように抱きしめて慰めてくれました・・
息子のアーシュ様は・・・
黒の王子として・・ひきとれらて・・すぐに正式に認められても・・
苛めや毒殺未遂も多かった・・ますます・・もっと酷くなった
殺されたかけた事も多かった・・
逆に・・黒の大貴族さえ・・命を狙うことさえあった・・
・・あの御方アーシュ様の性格が少々ひねくれて 口も悪くなりました
寂し気な顔に・・冷たい表情・・無表情な顔をされるようになった・・
・・・呼応したかのように・・破壊の力・・火焔の魔力は増していった
大地と風の力にも引でていた・・破壊の力が・・ますます増していった・・
体術も剣も・・どんどん上達していった・・
その頃 仕えていた竜人相手の剣の練習試合にも
よく勝っていました・・
父王様の魔法の練習試合も・・
ほぼ互角に戦えるようにもなっていた
父王は・・・・それは当たり前と思っていたらしく・・
褒めたりはなさらなかった
・・でも以外ですね・・
アーシュ様の初恋の相手が あのアリアン王妃様とは・・
確かにあの御方は美しい極上の美貌に美しい肢体をされている
・・衣装も華やかで・・装いも御上手・・
安息の時間で視た事です
・・・ほんのひとときだけでした・・僅か一時間足らずの出来事でした
私が死んだすぐ後で・・
黒の王宮に連れて来られたアーシュ様に偶然 初めて会った時には
戦争か疫病で身寄りがなくなった貴族の子供だと勘違いされて・・
あの子に同情した・・会話を聞きました・・残らず・・
・・黒の王宮では・・よく そうした黒の貴族の子供達が
別棟で・・育てられていました・・
戦乱の時代でしたから・・内乱も多かった・・
一族が皆殺しになる事は多かった・・疫病も多かった・・
王や王族達の側近か・・警護の騎士となるように養育されていました・・
とくに気に入ったらしく・・優しく微笑まれて・・連れ添って
離れの東屋でお茶やお菓子を一緒に仲良く食べておられていた
小一時間後にタルベリイ殿が来られて・・
アーシュ様の素情を知って豹変した・・恐ろしい敵になった・・
アーシュ様も・・その時に 始めて・・自分が黒の王子と知りました
叔父で・・母親の恋人と思っていた者が・・実の父親であると知りました・・
・・・それまでは 何も知らなかった・・
タルベリイ様は 何度も 私達の屋敷でアーシュ様と逢っていましたが・・
・・・・父王様は素状を隠していました・・
自分は・・アーシュ様の父親の叔父としていました・・
母親の私はただの人族だが・・父親は黒の王族の血を引く大貴族だと
・・・愛人だから・・まだ正式には認められないが そのうちに
身分を保証すると・・・
そして実の父親は私の弟・・私はそなたの母を愛している
・・・今は恋人でもあると・・
私にはそっと 告げました・・万が一・・王妃アリアンに子が授かったら
アーシュ様はリュース公か・・黒の王族の自分の弟の養子にすると・・・
・・もしリュース公の養子になっていたら・・あのアルテイシア姫は
アーシュ様の姉になっていたのですね・・アーシュ様より 1つか2つ年上です
アルテイシア姫は・・・・ふふ
・・・本当は その方がアーシュ様にとって・・幸せだったと思います
リュース公は愛する者達は絶対守る方・・子供にも優しい方・・
・・・きっと アルテイシア姫一人と結ばれたと思います・・
黒の王宮の中で・・
庇ってくれて味方のなったのは側近のタルベリイ様とリュース公
・・・それに・・その後に産まれた異母兄妹の幼いテインタル王女のみ・・
・・・少し年上のリュース公の一人娘・・のちの第二王妃の
アルテイシア姫とは・・逢われてない・・初めて会うのは
黒の王国が滅ばされて 白の国で処刑寸前となり
逃げ出した時のすぐ後での事・・・
・・・優しく よく遊んだのは・・
あの異母姉妹のテインタル王女様と幼い弟のアジュアリ様のみ・・
王妃のいない時をねらって・・
テインタル王女は自分一人かアジュアリ様を連れて遊んでいました
・・・・アーシュ様も時々笑顔を見せていた・・
・・・その後のアーシュ様とテインタル様の事を考えると
・・惨いものですね・・テインタル王女は目の前で家族を惨殺されて
呪いの入れ墨を彫られ・・アーシュ様の敵となった・・
・・雪花祭りの事件で・・アーシュ様は深くテインタル王女の事を
憎んだ・・再会した時にまた戦いあって・・何度か殺しかけた・・
・・・詳しくは解りませんが・・
突然 態度が軟化して テインタル王女の頬を優しくなでたり
無駄に終わりましたが・・テインタル王女を取り戻そうとされた時もあった
・・・それを安息の時間で視て・・ほっとしました
・・・全て視たわけではありません・・私はただの人族です・・
まあ・・他にも安息の時間で視たのですが
父王はかばいもせずに・・相変わらず あまり口も聞かなかった
・・ただ 黒の王宮での毒殺未遂は・・
毒を消すか・・わざと食器を落として未然に防いでくれたようです・・
・・・他の他の者達の暗殺未遂も防ぎました・・
・・二度程 予知を外されて 毒を飲んでしまいましたが
運よくアーシュ様は助かりました
この事はアーシュ様は知りませんが・・・
一度 白の国で人質になった時には暗殺未遂まであった
真犯人はアリアン王妃・・暗殺者達に左腕を折られて
大怪我もおった・・傍にいた あのエルトニア姫も怪我をした
さんざん苦労して・・どうにか黒の王国を奪還した
戦いも・・戦争も・・その後の煉獄の8年・・最後の数か月
・・・まだあんなに若いのに・・天寿もまっとう出来ずに
苦しみあげき・・力尽きて死んでしまった・・
・・・・泣きました・・ずっとずっと・・泣きました・・
アーシュ様にとって・・・幸せだった時間は・・
幼いテインタル王女達と遊んだ時間に
白の国の人質として滞在した子供の時代の日々・・
世話をしたエルトニア姫の父王は・・とても細やかに大切にしてくれた
・・・あの方は・・アーシュ様の処刑を命じられていました
・・捕らえる事が出来たのに・・・わざと・・手を抜いた・・
・・・最愛のエルトニア姫やまだ少年だったリアン様とも仲良く過ごした
・・ただ・・黒の王宮で苛められたトラウマに加え
いつ・・事情が変化して 処刑されるかと恐れていたから・・
・・相変わらず冷たい無表情な顔をしていた・・
まだ子供のリアン様やエルトニア姫と過ごされて時に
たまに かすかな笑みを浮かべていた・・あまり顔に出されませでしたが
幸せそうでした・・
黒の国を奪還して 再建して 黒の王として即位して
しばらくの間と・・
白の国の姫・・エルトニア姫を奪い去り
愛するエイル様・・エルトニア姫に
アルテイシア姫や白の国の武官だったリアン様
わん子さんと過ごされた日々・・
二人の姫と結婚した日々・・
最後の戦争と煉獄の8年が始まるまでの・・新婚生活・・
・・・わずか一年足らずでしたが・・
・・・そして趣味のお料理作り・・本当に楽しそうでした
・・煉獄の8年から救われて最後の数か月
身動きも出来ずに苦しみ寝たきり・・でもアルテイシア姫
一人息子の小さなアーシュ様にリアン様
・・わん子さんもいたから・・それなりに少し幸せだったと思います
・・・・安息の時間に入られる時には
私はすでに安息の時間で眠っていましたし・・
・・アーシュ様も安息の時間に入られるなり・・
すぐに眠られてしまいました
・・・安息の時間で逢った事はありません・・
・・私は死後・・百年足らずの時に
安息の時間で殺されそうになりました・・
・・・安息の時間で・・あの黒の王妃アリアン様に
危うく消滅させられた時に 時の番人バステイルとレグルスに
助けられました・・セルト様にはナーリンが結婚していましたから
・・・安息の時間でセルト様とナーリンには逢ってません・・
二人は眠っていたから・・
・・・私は全てを忘れる為にも・・転生を選びました・・
ここでステラ教授が問う
・・・副長・・もっと貴方の事が知りたいのですが・・
前世の両親は早くに亡くなりました・・・
祖父母や叔父は・・先の戦乱で巻き込まれて 死んだそうです
・・・その時は赤ん坊でしたから・・よくわかりません
・・・・両親が亡くなった時は
まだ幼かったし・・記憶が薄れましたから
・・・両親の顔も覚えていません・・名前も・・
・・・どうしても御知りになりたければ・・
バステイル様に聞かれてください・・あの方は時の番人
・・全ての過去の時間を視る事が出来る・・・
答えてくれるかはわかりませんが・・
身よりがなかった・・
年の離れたナーリンと共に
セルト様の両親に育てられました・・・
父がセルト様の父様の側近でしたから・・・
御存じの通り
ナーリンはセルト様の父様が再婚して連れてきた子供
血の繋がらない兄のセルト様と結婚して一人息子を生みました・・
・・・私は クッキーと林檎のコンポートをよく作り
まだ上手く言葉も喋れなかった子供だった頃の
アーシュ様に食べさせました
・・アーシュ様は本当に林檎が好きでした・・ふふ
クッキーの焼き方は私が教えました・・・
後は教える事が出来ませんでした
タタン・タルトとか・・教えたかったけど・・あれは難しい
まだ 幼いアーシュ様には クッキーがやっと・・・
・・・・幼いアーシュ様を残して私は死にましたから・・
・・・私の事を知った アリアン王妃の実家にあたるヴァン伯爵に
毒殺されました・・・病死扱いになったはずです・・
まだ・・アーシュが引き取られまでは
私の事は・・アリアン王妃は知らなかったですから・・
・・・現世でのあの再会の夜の晩に父王の竜の王が言われました・・
・・・そして・・思い出したくないはずの・・
あの2年の売春宿での出来事も・・
彼女は話した
・・・祭りの晩の事でした・・たまたまセルト様が小さな内乱で
遠くに行かれて・・ナーリンと二人で祭りに遊びに行きました
・・・行くんじゃかなった・・
ナーリンが屋台で鳥の串焼きを買っている間に
ベンチに座り オレンジジュースを飲んでいたら・・
後ろから襲われて 気を失いました・・
眠りと麻痺の呪文もかけられました
その時に浚われました・・あの地獄の売春宿に連れて行かれました
・・・直接には・・奴隷市場・・人買いの売り場には出されませんでした・・
気がつくと・・裸で・・後ろで両手の縛れていました
口にも布で縛り 舌をかまむようにされていました・・
麻痺の呪文であまり身動きも出来ませんでいた
売春宿の主が私の裸の身体を確かめていました・・
処女かどうか・・
お前・・あまり経験がないようだが・・処女じゃないな
・・・間違いないか・・
・・震えながら・・首を縦にふるなり・・
・・そうか・・処女の水上げの高値はつけられないが・・
美しい顔と肢体をしている・・良い商品になるだろう
稼いでくれよ・・くく・・
・・どれ・・私が直々に仕込んでやる
どうすれば男が喜ぶかを・・
主にそのまま 何度も手籠めにされました・・
それが・・あの2年の地獄の始まり・・
セルト様に救われるまでの・・
・・見張りの者達にも乱暴された事もありました・・
・・他の売春宿の女達同様に何度も泣きました・・
気がふれて半ば狂った娘も数人いました・・・
私は・・幸い妊娠はしませんでいたが・・
売春宿で・・強制的に子を流産させられて死ぬ娘もいました
拷問まがいの乱暴もありました・・何度 鞭うたれた事か
気を失っても・・・
水をかけられたり ぶたれたりして 起こされました
・・・拷問まがいの乱暴は本当に酷かった・・
一人の時もありましたが 大抵・・数人がかりでした・・
・・・鎖に繋がれて・・・惨い扱いだった・・・
奴らは獣のようでした・・地獄の鬼達でした
先程のように・・・
一度に数人の男達の相手もさせられた事も何度もある・・
・・・時に 数度程・・・戦場に連れてゆかれた
酒に・・戦の血の狂乱に酔った兵士達の相手をさせられました
ええ・・本当に・・地獄でした・・
安息の時間でも・・転生しても・・何度も悪夢で現れました
・・アーシュ様と父王様は・・黄金の力がある・・
すべて知っています・・・
二人の力は・・安息の時間中で・・更に魔力を増幅させていた・・
贈り物としてアーシュ様と父王様が魔法をかけてくれました
・・・以来 もう悪夢は見ません・・やっと解放されました・・
・・・売春宿での全ての出来事・・そのままのヴィジョンをアーシュ様は
視られたのです・・それを封じる為に・・
・・また・・アーシュ様に深く重い重荷を背負わせました・・
私の重荷まで・・・私は・・祈っています
再びあの異変が起こらぬように・・
あの壮絶な戦いを繰り返されないように・・
・・・あの古代・・いにしえの時代でアーシュ様達は生涯・・苦しんだ・・
悲しい最後だった・・なのに・・また呼び戻された・・
あの異変の為に・・・道具のように・・・血を流して身体中傷だらけ・・
・・三度も・・・お可哀そうに・・
二度目の戦いの有様を時の神殿の長から詳しく聴きました・・
・・それに最初の白の宗主様と風の王様達からも聞きました・・
あの恐ろしく憎い宿敵・・ですが・・
アーシュ様達はまるで・・あの狂った穢れた神の心が乗りうったかのように
・・信じられぬ程 残酷になぶり殺した・・・地獄の鬼のようだったと・・・
・・・幼い頃のアーシュ様は本当に優しい子でした・・なのに・・
・・・・・長く苦しんだ生涯や残酷な戦争に・・更に・・あの戦いが・・
アーシュ様達の心に・・恐ろしい鬼を植え付けてしまった・・・・
私はもう一つ祈っています・・・アーシュ様達の安息の時間が永遠に
平安で幸せであるように・・安らかな眠りであるように・・・
・・病んだ御心が癒される事を願っています・・・
・・・時にしばし目覚めた時は・・幸せに笑っておられるように・・
・・他に聞きたい事はありますか? 父王様の好物とか・・
私と過ごした幼いアーシュ様の可愛い失敗談とか・・
ぜひお願いします!!話は長く続いた・・
彼女はその御話とともに・・思い出す限りの多くの覚書も残した・・
・・・約100年後に正式に発表され
正史として付け加えられた・・・・
自分の写真 数枚と・・手紙をアリステアに託して
アーシュに渡すようにも頼んでいる
他にも・・
少女時代のナーリンの姿を絵心のある者にデッサンしたものに
自分が覚えている 当時の古代の衣装を 再現して作り
当時の髪形に結い上げて
その姿でB5サイズ前後の肖像画を二枚
同じく写真を二枚作って残している・・
彼女の希望により
アーシュに一枚の肖像画と写真と手紙が渡される
時の神殿に形見として残した 残りの肖像画と写真とデッサンは・・
時の神殿が所有して・・
後の時代に美術館や博物館に他の肖像画とともに飾られる事になる・・・
・・時の神殿での年の終わりの詠唱の祈りにも・・後の時代に
彼女の名もつけ加えられる・・
死んだ彼女は・・疲れたと言い 転生をやめて
安息の時間に入り・・・起きる事はなかった・・・
やがて・・姿が薄くなり・・消え去った・・
・・・本来は ただの人間・・
絶大な魔力を持つアーシュの身体と魂を身ごもり
・・その負担が大きすぎた・・・その記憶が転生を繰り返しても
消えなかったのは そのせい・・・
いにしえの古代の魔力がない人族・・・
アーシュが再び目覚めた時には・・もう姿は消えていた・・
父王が二度ほど・・眠っている彼女にキスをした・・
・・孫である最後の火竜王アーシュの息子もリアンも何度か様子を見にきて
息子の方(孫)は涙ぐんでいた・・風の王や始まりの白の宗主達も・・
・・セルトもナーリン同じく一度・・キスをしている・・
ナーリンは頬に・・
ナーリンはしばらく泣いていた・・
・・・アーシュは二度と彼女に会う事は叶わなかった・・・
FIN
・・アーシュが目が覚めた後の事・・
リジャが託した 形見として残された物・・写真や肖像画などは・・
・・・リジャが安息の時間で消滅したので・・
アーシュの妻達・・エイル達に知られるわけにはいかないと・・
その存在を知られて 彼女達を悲しませる訳にはいかないと思い・・
・・父王の傍には嫉妬深いアリアン王妃がいるので・・
アーシュはセルトとナーリンに預ける事になる・・