迷い込む
本編43話。
うだうだと悩み、リアルも忙しく、遅くなりました。
それでは本編、どうぞ。
「私が…カゲロウに…?」
「気付かなかったのか?」
でも…確かにカゲロウがいなかった時は凄く不安だったし…帰ってきた時は安心して抱きついちゃったし…
「………」
思い出したら…すごく恥ずかしいことやってたのね…
「で、でも…慧音の言ってることが当たってるかなんて…」
「今まで、私が間違ったことを言ったか?」
「…言ってない…」
「なら、今回も合っているのではないか?」
「何よその無茶苦茶な理論…」
でも…本当に間違ってはいないのかもしれない…
(…私は…カゲロウが好き…なの?)
答えは、すぐには出そうに無かった。
「あーくそ、ダーメだ」
「見失っちゃったね〜」
俺達は寺子屋から出ていったカゲロウを追っていたのだが、ユナがフラフラしている内に見失ってしまった。
「ユナが遊び呆けるから見失っちまったんだぞ!」
「あはは〜ごめんね〜♪」
まぁ、ユナが反省するとは思ってないから関係ないがな。
「あれ、ユナ?」
「あ、ばんきっき!」
「その呼び方、やめて」
「ばんきっき?誰だ?」
「…赤蛮奇。よろしく」
「俺はルインだ。よろしくな、ばんきっき!」
「君も、なんだね…」
「あ、そーだ。ばんきっき、カゲロウ見てねぇか?」
「…誰、それ」
そうだった、ばんきっきとは初めて会ったんだった。カゲロウを知ってるわけねぇわな。とりあえず、容姿を説明したが…
「…知らないよ」
「うぁー、知らねぇかぁ…」
まぁ当然だわな。
「でも、探すのは、手伝ってあげる」
「ありがとー♪」
「じゃあ、どこから、探すの?」
「あー、寺子屋出たところから見失ったからなー。基本手当り次第か?」
「それは、時間が、かかるね」
そう言われても、どこに行ったのか知らねぇんだがな…
「…慧音に、聞く?」
急に知らねぇ名前が…
「寺子屋から出ていったのに、けーちゃんに行先聞いて分かるかな〜?」
「…そうだね。なんか、分からなそう」
「ちょいまち。慧音て誰だ?」
「ごめん、忘れていい」
なんつーか…すっげぇ不安なんだが…ホントに大丈夫なのか…?
その日、見慣れない少年が私の元を訪れていた。
「うー…人里にいたはずなのに…ここはどこなんだろう…」
(いや…どうやったら人里からここまで来れるんですか…?)
そう思っていると、その少年が話しかけてきた。
「あ、すいません。あの、ここってどこですか?」
「ここですか?ここは白玉楼です」
「ハクギョクロー…聞いたことないです…」
(白玉楼を知らないんですか…?)
「…で、どうすればここから人里に戻れますか…?」
「それは…」
「まぁまぁ、そんなに焦らなくてもいいじゃない。少しお茶しましょうよ」
白玉楼の奥から、1人の女性が現れた。
「幽々子様!?」
「…えっと…あなたは?」
「私はここの主、西行寺幽々子よ。そこにいるのは私の従者」
「…魂魄妖夢です」
「ところで、あなたは?どうやってここまで来たのかしら?」
幽々子様の問に、少々意外な答えが返ってきた。
「俺はカゲロウって言うらしいです。それで…俺は…人里を歩いてたら、いつの間にかここにいました」
(だからなんでですか!?)
誰かが連れてきたのかも、と淡い期待を抱いていたのに、真っ向から打ち破られた感じがします。いや、初めにも人里にいたと言っていましたけれど…
「あら…災難だったわねぇ。ゆっくりしていっていいのよ」
「では…お言葉に甘えて…」
「妖夢ちゃん、お茶とお菓子をお願いね」
「分かりました」
主の命には逆らえないので、私はお茶とお茶請けのお菓子を用意することにした。
次回はカゲロウ、白玉楼で幽々子と話します。
そろそろ記憶戻さないと、これ以上続けられる気がしない…




