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欠陥製品の幻想入り  作者: カゲロウ
3章
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微かな疑念

本編42話。

多少真実に近づく回。

それでは本編、どうぞ。

「カゲロウの…ご両親かい?」

「おぉ。もしアルタイルの言う通り、カゲロウが幻想郷(こっち)の人間なら、幻想郷(こっち)に親がいるはずだろ?でもって、カゲロウが急にいなくなったら、誰かに探してもらおうと思うはずだろ?」

「…確かに、そうだね。そして私達は、()()()()()()()()()()()()()

「…けど、こいつはカゲロウが幻想郷(こっち)の人間だって前提だ。もしカゲロウが外の人間で、あの写真が捏造なら、一番いいんだがな」

俺は、自分の意見をそう締め括った。

「けれど、主様の記憶が戻らなければ、意味はありませんよね」

「確かめようもないしね」

「…そろそろ帰っていい?もう用はないよね」

「んぁ?帰すわけねーじゃん。しばらくはここにいてもらうぜ?」

「はぁ!?」

「プロキオン、ふざけないで」

アルタイルにひっぱたかれた。滅茶苦茶痛てぇ…

「心配しなくても、君には帰ってもらうさ。君を縛る理由は私達にはない」

「…あっそ」

素っ気ない返答をして、ルーツは立ち去った。

「……あいつのこと、よろしく」

最後にそう言い残して。

「まったく、素直じゃないね」

「心配なら残りゃいいのにな」

「そうですね。主様が心配なのは私達も同じですから」

…なんだろうな。こいつの声音的に、何か知ってる気がする。ルーツは多分、なんだかんだ言って何も知らないんじゃないかと思う。

「では、私もこれで」

「あぁ、すまなかったね」

栞もどこかへ立ち去って行った。

「私達は、再び結界を維持するとしよう」

「しゃーなし。あとのことはあいつらに任せっかなぁ」

(さて…栞がどうでるか、楽しみだな)


所変わって、寺子屋。


「ふむ…つまり、彼は記憶喪失の状態なのか」

「えぇ…流石に慧音にどうにかしてもらおうと思ってきた訳では無いけど、知恵を貸してくれないかしら?」

「無論だ。困っている者は助けなければな」

流石は慧音。こんな無理難題に等しい問題にも手を貸してくれる。

「…流石に私の能力ではどうにもならないだろうから、そこは期待しないでくれ」

「わかってるわよ」

「…やっぱり俺、色んな人に迷惑かけてます?」

「そんなことないわよ。私は好きでやってるんだから」

「私も、誰かの力になれるなら本望だ」

私も慧音も、カゲロウのためにやっているのだから、気にしなくていい。そんな気持ちは伝わったかしら。

「…すいません、ありがとうございます」

「礼はいいんだがな…」

うーん…このカゲロウの下手に出る感じ…慣れないわね。慧音も何だか調子が狂うみたい。

「ほら、カゲロウは少し外を見て回ってきたら?」

「…分かりました。それじゃあ、1,2時間したら戻ってきますね」

そう言ってカゲロウは外に出かけて行った。

「…なぁ、アリス」

「どうしたの、慧音?」

「彼は時計を持っているのか?」

「……………………………持ってない」

「はぁ…まぁ人里には阿求達もいるし大丈夫だろうが…」

何でだろう…すごく不安になってきたわ…カゲロウ、大丈夫かしら…

「そう言えば、アリスは何故彼を治そうとしているのだ?」

「…居候だから…かしら…いえ、違うわね……」

「自分でも分からないのか?」

「えぇ…よく考えてみたら、私はなんでカゲロウの為にやっているのか…具体的な理由が無いわね…」

「…理由もなく助ける…か」

「あ、でも。カゲロウを見ていると、何だか安心するのよね。それに、放っておけないの」

「…………」

何故か慧音が苦笑いしている。何か変なこと言ったかしら?

「アリス…気付いていないのか?」

「…何が?」

そして慧音は、私自身気付かなかった本心を言い当てた。

「…どうやらアリスは、彼に惚れたようだな」

慧音さんはこのために出したようなもの。

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