暗闇
本編31話。
どこまで出すか悩んだ回。
それでは本編、どうぞ。
そこは暗闇だった。光もなく、影もなく、あるのは闇だけ。
「…ここは…一体…」
そう呟いた途端、世界は色付いた。けど、そこは見慣れた外の世界でも、少しだけ覚え出した幻想郷の景色でもなかった。
「…どこの景色…なんだ?」
その風景は、燃え盛る町だった。何もかもが燃え、残っているのは逃げ惑う人々の姿と、宙に浮く…
「…8つ首の…龍?いや…蛇…八岐大蛇…なのかな…」
俺は、そう思った。それが正解だと無意識に感じていた。
「これは…この光景は…何なんだ…過去なのか?それとも、未来なのか?」
そこまで言って、俺は疑問に思った。俺は、何を言った?過去か、未来か?そんなの…分かるわけがないじゃないか。俺は、こんな光景を知らないし、今後起こるとも思えない。思いたくない。
「…っ…馬鹿らしいな…」
そして、また場面が変わった。そこに映っていたのは、群青色の髪をした少年と、大きな赤いリボンをした、巫女服の少女だった。二人とも、とても笑顔だった。まるで誰かに笑顔を向けているかのような構図だったが、それが誰かはわからなかった。
「…君たちは…誰…?」
自然とそう問いを呟いた時、巨大な影が視界を覆った。
「ぐ…止まったか…?」
地面が砕けるほど大きな地震はおさまったようだが、その被害は甚大だ。何せ、目の前の地面の3分の1は崩落している。
「あ…危なかった…」
「だな、俺達は大丈夫だったが…アイツは?」
そう言いながらアイツらがいる方を見ると…
「くっ…そぅ…」
「クハハ!無様ダナァ!」
そこには、崖に掴まっているちびっ子と、それを見下ろすアイツの姿があった。
「…まさか…あいつ!」
「あのまま落とす気なのか!?」
「サァテ…モウ落チロヤ、クソ餓鬼」
「っ!妹紅、止めるぞ!破滅「消え去る思い」!!」
「あぁ!焔符「自傷火焔大旋風」!」
「邪魔スンジャネェ!!」
そいつは、一太刀で俺達の攻撃を薙ぎ払った。
「邪魔スルナラ、テメェラカラ先ニ壊シテヤンヨ!!」
「くっ…時効「月のいはかさの呪い」!!」
「隠蔽「知られたくない罪」!!」
「シャラクセェ!!黙ッテブッ壊レロォ!!!」
俺達の攻撃などまったく意に介さず、そいつは突っ込んできた。
「しまっ…!!」
そして、その凶刃が俺達を捉え──
今回は少し問題を出してみる。
Q.カゲロウの見た映像に出てきた、赤いリボンをした巫女服の少女は誰でしょうか
わかった人は今後の展開を楽しみにしたりしてください。




