狂気
本編30話。
超狂った人が出ます、はい。
それでは本編、どうぞ。
「くっそ、野郎!」
「落ち着け!二の舞になるぞ!」
俺はカゲロウがやられて頭にきていたが、妹紅の正論にも少しイラッとした。
「るせぇ!この状況でそんな事言ってられっかよ!!」
「だとしてもだ!」
「消えろ!消えろ!!みんなまとめて消えろぉ!!」
「だーっ!攻撃してんのはお前じゃねーだろちびっ子ぉ!」
実際、あのちびっ子は命令を出しているだけであり、攻撃しているのはちびっ子よりさらに小さな妖精だった。
「くそっ、あの毒さえ無けりゃ!」
「流石に私でも、毒はきついぞ…」
「…フン、クズハ下ガッテロ」
「な…なんで立ててるのよ…あんた…」
俺達は、その声の主が誰か分からなかったが、あのちびっ子の反応で誰かを察した。
「ま…さか…」
「嘘…だろう?」
後ろを振り返り見てみると、やはりそこに立っていたのはカゲロウだった。そして恐らく、先の声の主もカゲロウだろう。だが、カゲロウには出せないほど枯れて低い声だったのだが…
「…ナンダ、チョウドイイ物ガアルジャネェカ」
そう言ってカゲロウのような何かが取り出したのは、複数枚の白紙のスペルカードだった。
「…ナ…」
そいつは、白紙のスペルカードを見て心底驚いていたようだ。いや、そいつが持った瞬間に色付いたようにも見えたが…
「クッ…クハハ…クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
「な…なんだ…急に?」
「ナルホド!ソウカ、ソウイウ事カ!テメェノ仕業カ、ニーズヘッグ!ファフニール!クハハハハ!余計ナコトシヤガッテ!アイツラ、今度会ッタラ絶対ブットバシテヤラァ!!!」
何を言っているのか、意味を全く理解できない。が、これだけは言える。こいつはヤバい、確実に狂ってやがる。
「アァ…久々ナンダ、多少暴レテモ文句ァネェヨナァ」
「な…何をする気なのよ!」
「コースンダヨ!魔剣「総てを断つ剣」!」
そいつが使ったのはスペルカード…なのだろうか。いやまぁスペルカードなのだろうが、剣を呼び出すスペルカードなどアリスの説明には無かった。
「マダマダ!魔剣「定まらぬ剣」!」
「な…レーヴァテインだと!?」
「妹紅、知ってんのか?」
「知っているも何も…あれはフランドールのスペルカードのはずだ!」
「アノ餓鬼ノコト知ッテンノカ。ツッテモアノ餓鬼ノハ禁忌「レーヴァテイン」ダケドナ」
「…違うスペルカードってことか…」
「マ、ブッ壊スッテ点ジャ同ジダガナァ!」
そういうが早いか、そいつは2本の剣をかざしてちびっ子に突進した。その時…
「なっ…!?」
「うわっ…!!」
「きゃあ!」
「ナ…ンダ!?」
謎の地震が起き、地面が砕けた。
所々漢字を使っているのは、カタカナばっかで読みにくくなるからです。あの狂人が平仮名で喋れるようになるのはもっと先の話だったり。




