分断-4
本編27話。
分断最終。カゲロウ回。
それでは本編、どうぞ。
「…うぅん…」
再び落ちた先で俺は目を覚ました。どうやら何かがクッションになったらしい。少し暖かくてふかふかしている。
「……暖かくて…ふかふか?」
なんだろう、凄いテンプレな流れになる気がしてきた。
「ウググググ…」
やっぱり、下にいたのは熊に似た獣でした。魔獣と言うのが正しい気もする。
「…ごめんなさーい…」
俺は謝りつつそっと降りた。
「グラァァァ!!!」
まぁ謝っても許してくれるはずもなく。
「だよねぇ!!!」
そして魔獣は暴れ出した。逃げようにも相手の方が速そうだったので思考を逃走から迎撃に切りかえた。
「グルラァァァァ!!!」
「っ!!」
俺は魔獣の一撃を躱し、代わりに『欠陥製品』で斬りつけた。そして、色々な意味で驚いた。
「身体が…動く…!あと斬れた!!」
〔そりゃあそうだよ。僕は人を斬れないだけ。モノや動物は斬れるよ〕
「でも…浅い…そんな気がする」
〔どうして?〕
「なんて言うか…何か違う感じがするんだよ…依姫さんとの時とは違う…違和感があるんだ…あと一歩が踏み込めてない、そんな感じ…」
そう悶々と考え込んでいると、魔獣が起き上がった。どうやら浅いと感じたのは本当に浅かったらしい。
「グルルルル…」
「…まだまだ未熟ってこと…かな…?」
〔そんなことより、来るよ〕
「ルルルラァ!!」
「っ!」
今度は、ギリギリで躱して一撃与えた。
「…やっぱりなんか違う…避けれるけど、相手がワンテンポ遅い…そんな感じだな…」
〔そうなの?てかスペルカード使えばいいのに〕
「永琳さんに禁止令出されてるんだよ…魔力が馴染むまでスペルカード使うなって…まぁあと2、3日もすれば使えるだろうけど…」
〔ふぅん…それより、来るよ〕
「グララララァァァ!!!」
魔獣の一撃は何とか避けれたが、体制を崩してしまった。
「うわっ…とと…危ない危ない…」
〔カゲロウ、後ろ〕
「えっ…?」
「グルルルルルラララァ!!!」
「っ!」
俺は直撃すると思い目を瞑ったが、その一撃はいつまで経っても来なかった。
「…?」
そして目を開けると、そこには固まって動かない魔獣がいた。
「えっ…?」
「ったく…やーっぱ厄介な事になってんじゃねぇか」
「その声…ルイン!」
「おぉさ!いやー、探したぜ…」
「誰のせいだと…」
「悪かったっての」
再会したルインと話していると、奥の方から小さな何かが大群でやってきた。
「…なんだありゃ」
「なんなんだろ…あれ…」
そして、何故か俺だけがその大群に巻き込まれた。
「…え?」
「はっ?」
そのまま止まることなく、俺諸共どこかへ行ってしまった。
「……はぁぁぁぁ!?!?」
「あいつら、首尾よく捕まえたみたいね…やれば出来るじゃん。これで…ソラの居場所が…」
次回はルインと妹紅の回かな。
てかこの2人の絡みは2度目かね




