幕間〜カゲロウの剣術修行〜
20話。
サブタイ通りの幕間。
それでは本編、どうぞ。
栞さんが仲間に加わってから五日後。俺はようやく動けるようになった。よくわからないけど能力の関係で治癒能力が上昇しているらしい。
「うぅーん…久しぶりに起きるなぁ…」
そう言いつつ永琳さんの所に行くと…
「何者だ!!」
長めのポニーテールの女性に刀を突きつけられました。
「うわぁ!!」
「あら、カゲロウじゃない。案外すんなり動けたのね」
「こちらの方は八意様のお知り合いですか?」
金髪の女性が永琳さんにそう聞いた。
「と言うより、患者よ」
「へっ?患者…ですか?」
永琳さんと金髪さん(仮)とポニーテールさん(仮)の会話に、俺は困惑していた。
(この人たち…誰?)
事情説明後…
「申し訳ございませんでした…」
「い…いえ…」
座って話していたので、土下座に近い形で謝られた。ポニーテールの人は綿月依姫さん、金髪の人は綿月豊姫さんと言うらしい。
「依姫は気を張りすぎなのよ」
「姉様は気を張らなさすぎです」
「人前で喧嘩するのはやめなさい」
俺はそんなことは気にならず、依姫さんの刀だけを見ていた。
「…刀に興味があるんですか?」
「あぁ、いえ…俺も一応小太刀を持ってるので…」
そこまで言って、俺は不意に思いついたことを頼んでみることにした。
「…あの、依姫さん。お願いがあります」
「なんですか?私に出来ることならお手伝いします」
「俺は刀の扱い方が分かりません。なので、俺に刀の扱い方を…剣を教えて下さい!!」
「…構いませんが、少し厳しいかもしれませんよ?」
「大丈夫です!!」
「…で、今はあぁなってると…」
「えぇ…そうなんです…」
俺と兎っ子が見ている方向には、依姫とやらにフルボッコにされてボロボロのカゲロウが倒れていた。
「これじゃ剣術修行っつーより、サンドバッグだろ」
「ま…まぁ…依姫様も言ってましたし…『思ってた以上に剣に関して無知だったから痛めつける感じになってしまいました』って…」
「それってつまり手加減してねぇってことじゃねえか…」
「依姫様も一応は手加減してるみたいなんですが…カゲロウさんが剣の扱いを知らなさすぎたってことですかね…」
「そりゃそうだろ…つい最近まで平和ボケした一般人だったんだぜ?そんなんで剣の扱い知ってる方が怖ぇよ」
俺はため息をついた。こんなんじゃ当分は使い物になんねぇな…
「カゲロウはやるっつったらとことんやり込むからな…こりゃ当分長引くのは覚悟するか…」
結果、カゲロウは依姫から1本取るまで諦めず、修行は1週間も続いた。まぁ、依姫曰く『1週間でここまで上達するのは異常』らしいが、カゲロウは元々精神異常者だから問題ない。
「…まぁ、結局怪我が思いのほか酷くて、また4日は安静にしなきゃならねぇんだがな」
このことで依姫が心底申し訳なさそうにしていたのは言うまでもない(兎っ子と一緒につきっきりで看病してるし)。
「さーて…いつになったら霊夢が見つかんのかね…」
俺は小さくため息をついた。
書ききって気づいたこと。
(豊姫の出番少なくね?)




