1/49
始
再掲。
「…はぁ…今日はどうしようか…」
(さっさと帰れ)
「えぇ…」
「また独り言だぜあいつ…」
「よく飽きないな…」
(うるせぇ!)
「聞こえてないよ、ルイン」
俺は泡沫カゲロウ。独り言とか言われているがそうではない。厨二的だがれっきとした裏人格のルインと会話しているだけだ。
(今日はあいつらが来る日だろ?)
「そういえば…そうだったね」
ルインの言うあいつらとは俺の数少ない友達である。
わし座の星の名を冠する翼を持つ少年アルタイル。
こいぬ座の名を冠する獣の耳が生えた少年プロキオン。
珍しい紫色の髪と目をもつ羽と角を持つ少女ユナ。
人ならざる彼ら3人だけが俺達の友人なのである。
「それなら早く帰ろうか」
そうして、俺は1人帰路についた。
一方その頃
「…どうすんだ?」
「もちろん…カゲロウにこれを渡すよ」
「受け取ってくれるかな〜?」
「受け取るだろ」
「『欠陥製品』…受け取ってもらわなきゃ困るんだけどね」