その1
「うわ~、ナスのおひたしって魔王なんだよ♥」
ペリ浜が感動のまま銃を乱射します。
「美味しいって素直にいいなさい?」
りんごちゃんが無敵バリアで銃弾を弾きながら、たしなめるみたいなこと言いました。
これにキレちゃったのは夜死子です。
「うるせーな、ペリ浜だって生きてんだぞ? 悪口とか耐えられないかんな? ころすぞ?」
「それって悪口に入らないの?」
冷静なりんごちゃんは、心まで無敵みたいでした。
ちなみに、ペリ浜はナスのおひたしを半分ぐらいは食べ残しました。臭くて不味かったので仕方ありませんね。
お昼ご飯を済ませた三人は、学校に戻ります。
他にも外食に行ってたわるーい高校生がいっぱいいるので、校門前は大人気です。
「うーん、入るのに時間がかかりそうね。遅刻しちゃうかも」
「じゃあ殺そーぜ」
「ひどいし、時間かかるから意味ないわよ?」
「じゃあ殺しちゃうほうが楽しいから幸せなんだよ♥」
手近な距離にいた学生はスパッと真っ二つになり、死にました。ペリ浜の特技、大切断超波動攻撃エックス解ですね。
「だめよ、そういうことしちゃ」
慌ててりんごちゃんが真っ二つになった学生さんに無敵バリアを張ってあげます。
真っ二つになった後でも無敵なんで無事で済みました。
「あざす! 葛宮パイセン!」
「これからは気をつけてね?」
「りょっっっす!!」
そう言って、真っ二つになった学生さんは、真っ二つのままどこかに行ってしまいます。
不思議だなぁ、と思いながら夜死子はそいつのことを見逃してやりました。
「あれ、どうなってんだろーな。普通しぬだろ」
「試してみるんだよ♥」
ペリ浜が夜死子に大切断超波動攻撃エックス解をぶちかましました!
夜死子は真っ二つにされるまえに、みずから真っ二つになってからくっつくことで事なきを得ました。
「あぶねー! おいペリ浜、アタシが真っ二つにならなきゃ真っ二つになるとこだっただろーが!」
「ごめんなんだよ♥」
「言いたいことは分かるけど、言ってることが意味不明よ貴女」
りんごちゃんが夜死子に細かいことを指摘します。うっざいですね。
こういう上司が居たらやだな、と思いながらも、夜死子はりんごにかまってもらえて嬉しいので顔が赤くなります。
「な、なんだよそれ。おめーアタシのこと好きか?」
「はいはい、好きよ好きよ大好き」
呆れたみたいに、りんごちゃんは適当に応えます。でも、そんな言葉でもうれしくって夜死子はハッピーになります。
ハッピーになりすぎて、覚醒剤が耳から吹き出します。
「あっ、やべ!」
「ぬ! 貴様! 覚醒剤出したな!? 御用だ!!」
たまたまそこにいた生活指導の先生が、夜死子を捕まえに来ます。
そして十手を使ってうまいこと夜死子を確保しました。
「ちくしょう……ちょっと性欲が強かっただけでこんなことに……」
「まじ許さんからな。高校生のくせに覚醒剤作りやがって。組織に売りさばいてやる!」
生活指導の先生もわるいこと考えてました。
「いやだめでしょ」
りんごちゃんがバシッとツッコミを入れます。
すると無敵バリアに弾かれて、生活指導の先生は肉片になって周囲に飛び散りました。
「うわぁ~、きれいな花火なんだよ♥」
「そうかしら?」
「ひええ、でも助かったわ、サンキューなりんご!」
「……まあ、友達がわるい人に捕まりそうになったら、助けるのが普通でしょ?」
その過程で先生殺したって、りんごちゃん的には普通でした。
「あー、なんか先生死んだしやる気でねぇ! 帰るか!」
「そうね。コロナだし自宅で自粛してお勉強にしましょう?」
「いっぱい病気貰ってきたんだよ♥」
ペリ浜はコロナウイルスをおせんべに加工して食べながら言いました。