100曲目
まさかの100曲目(話)です。
正直こんな長くなるとは予想外です。
完結目指して、頑張ります!
あれ、どうしてこうなった?
音楽が繁栄している自然と都会の郷”白神郷”にある喫茶店兼楽器スタジオ"エテジラソーレ"の店内で、バンドの方向性やら強敵となる稔たちと話をしてはなにかとお騒がせして、お店の貢献と自分の音楽人生にさらなるレベルアップという2つの意味を込めて、僅かに暗ぼったくなった店内で俺がアコギ弾き語りライブを始めてから約30分前後が経過した。
店のメニュー表とは違うそのタイトルは"熱川陽太の弾き語り"と記載され、お客さんたちや暁幸らが稔たちから手渡されたその摩訶不思議なメニュー表の中身には"雰囲気"と書かれており、それぞれ"熱く""ゆったり""楽しい"などといった、普通の喫茶店メニュー表ではあまり見慣れない文字などが書かれてある。
生アコギライブリクエスト曲と書かれたページにはロック系統の洋楽に邦楽系のアニメやゲーム楽曲と、故郷である"白神郷"から誕生し世に存在を知らしめて革命を起こした【Starlight:Platinum】と、最後に熱川陽太オリジナルと書かれてある。
マスターの成り行きにも近い生ライブを始め、エテジラソーレの常連で昔っから俺のことを知っている人からは、大体洋楽のカバー曲やらアニメやゲームソングなどのカバー曲を弾き語りをしてだいたい30分前後くらい経った。
初来店となるお客さんたちはただ常連さんらが提示するリクエスト曲を出し、それに応えて譜面台に乗せた手書きの楽譜でその楽曲のページを開いて、アコギに合うオープンコードやバレーコードを掻き鳴らしたりアルペジオを1本1本弾いて生声で歌っている俺の姿をただ黙って聴いている。
俺が言うのもなんだが、俺の弾き語りはお世辞でも上手いと言えない。
暁幸も言ったが歌はがなるし、ギターも荒々しいし、おかしな点が目立つ。
普通なら優雅なひと時の邪魔するな、と怒り狂ってもいいだろうと思える。
だけど、それはバンド慣れしていない俺の実力での意味だ。
小学高学年のころからずっとソロで活動し、路上ライブやソロでライブハウスにてアコギ1本のみで出演し続けて得た経験や実績から、如何に"俺の喉と腹から出る生の歌声をお客のために聴かせられるか"や"どんな力加減で弾けばジャンルごとに合うストロークやアルペジオを弾けるだろうか"などの感覚が頭ではなく体に染み付いている。
"俺は生きているんだ"という思いを込め、人々の楽しみを願い弾き語る。
そんなソロで得た経験を、バンドでも生かせればなと常日頃考えさせられる。
今のところ、俺の知り合いたちからのリクエスト曲は無い。
俺が横目で見てみると稔やケンはなんか俺がアコギ1本抱えて歌っている姿を嬉しそうに、宗介は最初こそ驚いていたが今はまた悟りを開いたように静観し、暁幸と結理は面白おかしそうな視線とバカにする笑いをしてはみんな俺の歌っている姿を見てる。
しかも喫茶店の隣のトビラから続く通路がありその道なりの壁側にそれぞれ喫茶店の壁と同様に楽器が飾られてはいくつかのスタジオのトビラがあるのだが、そこからバンド練習やソロで入ってから演奏れる時間が終わって喫茶店の方まで出てくるバンドマンやシンガーソングライター、それに学生バンドなどの人が出てくるのも俺の方からは見える。
入り口近くは外の光が漏れて顔も良く見え、こういうライブのことを知らないヤツは"なんだ?"といった感じなのだが、俺のことを知っている古株のバンドマンなどは"おお、アレ陽太じゃん"とか"また生アコギライブ演奏ってるな"と言える顔色がうかがえて、マスターに小声でなにか話してから空いている席に座っては俺のアコギ生ライブを聴く。
入り口以外は薄暗い喫茶店内、俺の上から光が照らされている。
そんな中俺は、コードを最後まで弾き今流行のアニメソングを歌い終わる。
直後、喫茶店内にいる人々からまばらやら大きいやらの拍手がそれぞれ上がる。
室内は"いいぞー!"や"よくやった!"などの言葉も飛び、中々悪い気はしない。
「えっと、どうもどうも。さっきから店内でうるさくし騒いじゃったり、荒削りでがなる弾き語りなのに、皆様がたご清聴。誠にアザッス! 弾き語りの時間も、ああ、時間がいいッスよね。んじゃま、そろそろお開きってことで……後は、マスターの作るコーヒーと軽食で、優雅なひと時の続きに酔いしれてくださいッス」
ロックを演奏り始めてから、店に来るお客さんらにも支えて貰えたもんだ。
俺なりに愛想のよいであろうセリフを吐いてから、そのまま弾き語りに使用させてもらってたアコースティックギターをギタースタンドに立て掛けようとした、そのときだった。
「ねえ、陽君! いつものオリジナル、【DREAM SKY】歌ってよ!」
ひと段落でき椅子に座ろうとした時、喫茶店のリピーターで女性の声が届く。
すると他の稔のお店によく訪れるリピーターさんも彼女の言った提案に賛同するように「そうだ!」「歌ってくれ!」と答え出し、まるで一輪に咲いた向日葵に影響されて、一気に煌びやかなひまわり畑のように、人々の笑顔で溢れかえる……。
その曲名に稔がビクッと驚き、こくこくと首を縦に振っては笑顔でいる。
結理とケンもそんな稔を見てはふふっと小さく笑い、手拍子をしてくる。
常連のお客さんも"夢を描き広がる空の想い"を聴きたくアンコールをし出す。
そんな合唱の手拍子を見て聞いては"なんか面白そうなものが見れそうだ"と顔に書いている暁幸もニヤニヤし『おお! オリジナル曲というの聴かせろやーっ』と野次を飛ばしながら手を叩き、なにやらソロで俺の弾き語りを聴いてからなにかと感心している宗介も手を叩いて期待するお客さんたちと混ざる。
いきなり自分のオリジナルをリクエストされて頭を掻いてしまう。
しかし昔からソロ活動として利用させてもらったお店のお客さんからそう言われては流石にやらないと不味いよな、とバツが悪そうな顔を出してから譜面台に置かれた手書きの楽譜へと手を伸ばし、マスターの手書きで描かれた【DREAM SKY】のページを開いてから近くに置かれてあるギタースタンドに立て掛けているアコギを取り、もう1度ギタイスに腰を据えてコードの確認を取る。
「……良し、確認完了。んじゃ行くぜ!」
そう意気込むと俺は自分の好きなアニメソングをカバーした曲調に合わせてアコギを弾き、そしてそのまま、夢を描いた思いを空に向かって投げる晴天な気持ちのまま歌い出す。
俺が小学高学年以降から稔の実家である喫茶店で弾き語りをしてる理由をマスターがリピーターの人達に思わず漏らしてしまい、お客さん全員が俺の夢を追い続ける奮励行動に感銘を受けたらしく、ある時から「お店の貢献と自分の夢を追う陽太の弾き語りを聴きながら、豆から作る本格的コーヒーを飲んで、ケーキやサンドイッチを食べたい」というお客さんが増えたとのことだ。
俺が喫茶店兼楽器スタジオ【エテジラソーレ】店内でこうして弾き語りをするようになってからは、【珈琲の旨味とケーキの甘みにアコギと歌の暖かさを提供する喫茶店兼楽器スタジオ――エテジラソーレ】として周辺に噂が広まってしまった。
最初に手掛けて、数ある独創的曲の中消え、未だに息をし生きてる楽曲。
店の貢献をする弾き語りをリクエストから、時間は40分くらい続くだろうか。
別に疲れも汗もかかないが、もう仕事の邪魔になると感じ、ここで止めておく。
「んじゃ、ご清聴……じゃねぇ! みなさん、ご楽聴。アザッした!」
歌い終わりシンと静まり返る中、俺はあのときの気持ちのまま店内を見据える。
俺がアコギを抱えたまま頭を下げると、店の中全体から拍手と口笛を送られた。
金と欲望に塗れて、薄汚れた音楽に渡す、声援と口笛に拍手なんかじゃない。
本当に俺が目指して、腐敗した世界に幸せを注がせる自由と似ている気がした。
ご愛読まことにありがとうございます!
感想やブックマークなど、宜しくお願いします!




