学園にて
ここは都内に隣接する、とある県の学園。
その一角にある、所謂授業告知の掲示板前に布津の姿があった。
「今日の授業は無し、か…」
布津は掲示板に背を向けると、直ぐ側にある食堂へ入って行った。
「…でさ、教授に言ってやったんだよ、『それに対する萌えってどう表現するんですか?』ってね!そしたら教授黙っちゃってさぁ~!」
食堂では皇が女学生を相手に話題の花を咲かせていた。皇は人気があるのか女学生に持てはやされている。
「………………。」
そんな楽しい空間も、布津が皇の脇に立った事で全て崩れ去ってしまったのだが…。
「あ、ちょっ…、」
そそくさと去って行く学生達。皇は諦めたのか大人しく席に座り直す。
「ったくよ~。折角盛り上がってきたトコだってのに」
「知らん。それより何か手掛かりは?」
皇は首を横に振る。
「いや…。サッパリだ。さっきの娘達も何も知らないってさ」
「うむ…こっちも収穫ゼロだ。まぁそう簡単に見つかるとは思えんがな…って何をしている」
皇はいつの間に頼んでいたのか、ラーメンを啜っていた。
「あ?ラーメン食ってる。ここの学食旨いんだぜ~?食うか?」
布津はいらん、とでも言うように皇に背を向けた。
「食うのは結構だが…。仕事を忘れるな」
「わーってるって!終わったらまた手掛かり探すからよ!」
布津は皇の声を背に、食堂を後にした。
一方その頃…
…ジャリッ。
学園の裏門に人影があった。主要道路に面していない為、人の出入りは滅多に無い場所だ。そこにいたのは、ラフな服装に着替え、指令を実行する為に現れた神崎だった。
「敵主要拠点の『偵察』ね。大層な任務だな」
神崎は皮肉っぽく喋ったが、側の大柄な人物、一条は何も答えない。
「相変わらず一条サンはだんまり、か。格好良い事で。んじゃ行きますか」
二人はそれぞれ二手に分かれ、偵察任務を開始したのだった…。