表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『TLS 第一話』  作者: 黒田純能介
2/20

都内の一室

『Zzz…』


都内、とある一室。


一人の男がソファで居眠りをしていた。


男が目を覚ます気配は無い。そんな時だった。


ダダダダダ…ガチャリ!ギィィィ…バタダダダッ!


「おい!大変だ!」


短髪の青年が部屋に入って来るなり叫んだ。


「五月蠅いぞ…(スメラギ)


皇と呼ばれた青年は呆れ顔を浮かべながら男の向かいにあるパイプイスに腰を降ろした。


「よくも毎日そんなボロソファに寝てられるよな。布津よぉ」


ソファに寝ていた男、布津はボサボサの寝癖が付いた金髪を掻き揚げながら身体を起こした。


「何処で俺が寝てようと勝手だ…。で?何かあったのか?アレだけ騒々しいって事は余程の事だろうな?」


布津はギロリと皇を睨む。当の皇は慣れたものか、涼しい顔をしつつも、直ぐに真面目な顔に戻って切り出した。


「あぁ。それがな…。例の学園で昼頃に、殺人事件が発生したらしい」


「…。その昼過ぎに確認した時、午後の授業は休講にはなっていなかった筈だが…?」


布津はフン、と鼻を鳴らすと脚を組んで身体を後ろへ反らし、大きく伸びをした。


「学長が手回ししたんだとよ。もちろん現場は隔離された上で警官が入ってるらしい」


「学長もご苦労な事で。それで?」


「あぁ。その死んでた奴がな、俺達の調べていた組織の一員だって話でよ、ボスから事実関係を調べて来いってさ」


「…つまりは。『お前達、ヘマをしたんじゃないだろうな?』って事か?」


布津はニヒルな笑みを浮かべると立ち上がった。


「そ、そう言うなよ…。不安になるだろ…」


皇は言葉同様、あからさまに不安げな表情を浮かべながら布津の動きを視線で追った。


ガラガラガラ…。


布津は窓を開けると、だいぶ日も傾きかけ、日差しの温もりが消え始めた外の空気を吸い込んだ。…寝起きの目覚ましには丁度良い。


布津は窓を背に振り向くと皇に投げ掛けた。


「行くか」

「…あぁ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ