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『TLS 第一話』  作者: 黒田純能介
13/20

開戦


暗がりの通路に、布津と皇の姿があった。


「…場所は頭に叩き込んだか?」


「おぅ。もちろんだぜ!」


布津はニヒルな笑みを浮かべる。


「なら良いのだが。…フッ…死ぬなよ」


皇は怪訝な顔をして返す。


「なんだそりゃ。普段は鉄面皮の布津さんにしては珍しい事で」


間髪を入れず布津が返す。


「お前が死んだら死体の処理が面倒なだけだ」


皇は引きつった笑いを浮かべる。


「そ…そうですか…」


おもむろに布津は立ち止まると時刻を確認した。


「…時間だ。行くぞ」


「おぅ。また後でな」


皇は右手へ曲がると闇へと掻き消える。布津はそれを見届けると、音も無く歩みを進めていった…。



正門付近。柱にもたれかかる布津の姿。


―――見つけた。


神崎は左手に握る特殊警棒に力を込め、間合いを詰める為一気に疾駆!勢いに乗り飛び上がりざま上段から一気に警棒を振り下ろす!!


『ガギィィン!』


お互いの獲物が金属質の悲鳴を上げる。


―――コイツ、刀使いか…。


神崎はリーチの不利を悟ったが、懐に入ればこちらが有利な事にも気付いていた。


「初めまして『CROW』…私、神崎 柳夜と申します」


「…布津 純能介…。いくぞ」


ガギギッ、と鈍い音を立てながら鍔競り合いを解く。お互い距離を取り間合いを測る。


先に動いたのは神崎。低い姿勢からの薙払い。それを刀身で受け――


「ぐふっ!?」


突然の脇腹への激痛。神崎の薙払いは囮。布津の脇腹にめり込んだ脚が本命だった。


無様に転がるが、そのまま距離を取り立ち上がる。


――センスは相当。修羅場を潜っているな…。


脇腹に手を当てる。骨は大丈夫だ。正面に立つ神崎を見据える。


「流石。そうこなくっちゃ面白くない。ちゃんと受け身取ってたし。もっと楽しませてくれよ?」


布津は正眼に構えると、両足に神経を集中。


「…その減らず口、あの世に取っておけ」


言い終わるが早いか、一息とも言える時間で間合いを詰める!


袈裟逆袈裟薙払い斬り払い斬り上げ!斬る斬る斬る斬るッ!


息を吐かせぬ斬撃!流石の神崎も防戦一方だ。


…パワーは上だが…スピードなら俺に有利!


………?


布津の斬撃を受け流しつつも、いなしきれず神崎の身体は少しずつ刻まれていく。



…笑っている。楽しむかの様に。



…危険な男だ。布津は攻撃の手を休める事なく、相手の反応に注視していた。


夜の学園に、鳴り止まない剣檄が響く。


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