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ヘソの洞窟の6英雄  作者: 卓
4/14

妖刀、真村正!

 そのヴァルキリーはアーリンと名乗った


「アーリン分かったわ、あなたの力になる」

 ハンターディーンは報酬よりもヴァルキリーを選んだ


 ーーーーーー


 オークロードは異論がないようだった、ハンターディーンには逆らわないと決めているのだ。


 このオークロードだが名前が無かった、オークには名前を付ける習慣がないのだ、しかし仲間が名無しなのは困るとハンターディーンは思った。


「ジークフリート、あなたはジークフリートよ」

「ジークフリートか? 悪くはないな」

 ジークフリートは気に入ったようだ


 ーーーーー


 ここはロンハという小さな町、アーリンが言っていた町だ


「部屋は空いてますよ、別々ですね、一人8000ゴールドです」

 1階がギルドを兼ねた酒場の宿屋だ


「俺はエールを飲んでくるよ」

「飲みすぎないでね」

 ハンターディーンがジークフリートに釘をさす


「私は疲れたので寝るわね」

 アーリンが2階へ上がっていく


(領主の件は明日からね)

 ハンターディーンは酒場を見回す


 そこに明らかに異風な一人の人間の女がいた、上半身は真紅の着物風の服を着て前を開けている、そして胸にはサラシを巻き、美しい縦長のお臍を出している、下はやはり真紅のパンツで柄物だ。


 髪はロングの黒髪でカウンターに座っていながらも背筋をピンと張り凛としたオーラを放つ美女


(ただ者ではない……)

 ハンターディーンはよくよく観察をして女に近寄って行く


 その女は右腰に刀を差していた

(貴重だわ……サムライ……)


「隣いいかしら?」

 女が無視をする

「お待ちどおさま」

 マスターがその女に飲み物を出す


「えっ? ミルク?」

 チラッとその女がこちらを見た


「ああ、ごめんなさい、あなたに話があるのよ」

「話?」

「ええ、ああ、そのミルクはおごるわよ、ぷっ」


 ハンターディーンは酒場でミルクを飲むシチュエーションが面白くてつい笑ってしまった


「おい! 表にでろ!」

 その女が立ち上がり怒鳴る


「ごめんなさい、そんなつもりじゃ……つい……」

「俺が相手になるぜ、姉ちゃん」

 いつの間にかジークフリートが来ていた。


 ーーそして酒場の外ーー


「俺は女にゃ手を出さない主義なんだが仲間が危ない目にあうのを黙って見ているわけには行かないからな」


「謝れば今なら許してやる、謝れ」

 女は静かに告げる


 騒ぎを聞きつけてアーリンも駆けつける

「ハンターディーン、ジークフリートに加勢するわよ!」


「待て待て、あんたが謝ればすむ話だ、どうする?」

 肝の座った女だ


「謝らないよ、俺が謝るのはハンターディーンだけさ、ハンターディーン!手だしは無用だ、俺の力を見せるよ」


「そうか……それは残念だ……それから俺は女じゃないからな」


「!! どう見ても……しかし……付いてるのか?」


「当たり前だ、男だからな」

 微かにその女にしか見えない男を名乗る者の顔が赤くなる。


「まあ良い、これで遠慮は要らなくなったわけだ」


ーーギンッと魔法の剣をジークフリートが抜くーー


 それはキラリと光り魔法を帯びているのが分かった。


 その“おとこおんな“も腰の刀を抜く。


「この妖刀、真村正!の餌食にしてくれる」

 その刀は鈍い光を放つ、辺りの場が変わる。


「!!真村正!」

 ハンターディーンはその刀についての知識を持っていた


「待って待って! ごめんなさいごめんなさい、私がみんな悪いのよ」

 そう言って土下座をする


 ハンターディーンは名よりも実を取るのだ、こうやって生き延びてきたのだ。







 

 

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