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ヘソの洞窟の6英雄  作者: 卓
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赤き賢者ハンターディーン

 王国ノクナロウの首都ミッドナルド

 

 そのミッドナルドの近郊に洞窟ができたのが3年前だ。


 ーー洞窟からモンスターが湧き出て人々は多いに苦しんだーー



 時の王ベルドは討伐隊を何度も送り込むが全て無駄だった

 

 そこで王は全国の強者どもを集め討伐させることにする



ーー洞窟を散策し力の元を断つ者に巨万の富と強力なマジックアイテムを与えると……



「最強のパーティーがやられてしまったとは……」

 国王ベルドが苦悶の表情で話しかける。


「申し訳ありませんベルド王、まさかあれほどの物とは……」

 王の前でひざまずくのはホワイトドラゴンのブレスを浴びて壊滅したパーティ唯一の生き残りの女メイジだ。


「赤き賢者ハンターディーンよ、そなただけでも生き延びて良かった、生きていればこそだ」

「ありがたきお言葉」


 ーーーーーーー


 ケンカする者、大声で笑う者、歌って踊る者

 ここは紅の翼亭くれないのつばさてい冒険者が集う酒場でありギルドもかねている。


「マスター、屈強な戦士を紹介してくれ」

「赤き賢者ハンターディーンよ、お前の気持ちは分かるがあの5人の代わりが効く者などいないよ」

 ドワーフの亭主は首を振る。


「誰か! モンスター退治をしてくれないか?お礼は50万ゴールドだ!」

 小柄な中年の男が叫んでいる。


「乗った、俺がやる!」

 こちらも小柄な男だが若い。

「私も乗るわ!」

 ハンターディーンは小走りに近づいて行った。


「俺はロン、シーフだ、お宝を隠していた場所にモンスターが住み着いて近づけなくなったんだ、協力してくれたら50万ゴールド渡す」


「俺は戦士のアーサー、背は低いが力はあるよ」

「私はハンターディーン、メイジよ、よろしく」

 シーフ、ファイター、メイジ、皆人間だ。


「先ずは一杯やろうじゃないか、俺のおごりだ、おーいエールを3つくれ」

 ロンは上機嫌に店員を呼びつけた。


 ーーーーーーー


 3人は山道を行く、先頭はファイターのアーサーだ。

 顔は男前だが背が低い、プレートメイルにオープンメット、武器はロングソードだ。


 次はシーフのロンだ、鼻の下に髭を生やしている。

 レザーアーマーにナイフの装備だ。


 最後はハンターディーン、赤い髪の美人だ、黒いローブを羽織っている、武器は魔法のナイフだ。


 一本道の向こうから5人の人影が見える。

「どうする? 山賊かもしれないぞ!」

 ロンが心配そうに2人に話す。


「大丈夫よ山賊くらい……」

(山賊くらいでオドオドしないでよね)

「2人とも気を抜くなよ」

 アーサーはリーダー気取りだ。


 やがてその5人と目と鼻の先になる。

「やぁ、この先はモンスターが多いから気をつけなよ」

 リーダーらしき男がにこやかに話しかけてくる。


 しかしその後ろの男がナイフを飛ばす。

 ロンの腹に刺さる。

「うっ、くそ……」


 ちょうどレザーアーマーでカバーしていない部分だ。


「ロン! くそっふざけやがって!」

 アーサーがロングソードを抜いて振り回す、しかし敵に当たらない。


 敵はそれぞれショートソードを抜いている。


(乱戦になる前に……アーサーが邪魔だわ……でも……)


「ファィアーボール!」


 ハンターディーンが呪文を唱える、真っ赤な巨大な火の玉が敵に向かって飛んでいく。


ーードカーンーー


 その巨大な火の玉が爆発し敵を葬り去る。


「ふう、不意打ちは怖いわね」

 爆発の後には黒焦げの死体が六体転がっていた……



 薬草を塗りつぶしてロンの傷口に塗り込む。

「ぎゃーっ、し、浸みるっ!」

「我慢してよ、命には別状ないわよ」


(この女……アーサーを巻き込みやがった)


「大丈夫? 歩ける?」

「今日はもう無理だ、引き返そう」

「隠し場所は近いの?」


(俺の宝を……狙ってやがる……)


「いや、まだまだ遠い……一度戻ろう、傷が癒えてからでも遅くはない」


 ハンターディーンは少し考え込む。


(な、何を考えてやがるんだ……俺は……人選を誤った)


「そうね、戻りましょう、でも報酬はもらうわよ」

「な、なに言ってんだよ、隠し場所の宝を取り返したら報酬を払う、だからそれまで待ってくれよ!」


「今日はただ働きって事? 怒らせる気?」

 ロンは命あっての物種だと判断する、しかしこのまま帰って金だけ取られるのもシャクだ


「よ、よく考えたら近いよ、ここから隠し場所まで近いよ」

「そうなの? 歩ける?」


「ああ、歩けるとも」

 2人は宝の隠し場所へ向かって行った。


 ーー隠し場所の洞窟ーー


「ここだ、この奥に隠してあるんだ」

「モンスターはオークよね?」


「確かめてないけど恐らくそうだ……たぶん」


(確かめてないのになんで分かるのよ、あてにならないわね)


 ハンターディーンは灯りの呪文を唱えてロンを先に歩かせて洞窟へ入って行った。








 





 

 


 






 



 


 


 





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