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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第二章 シナーラ
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87 買い物

 今日は、日曜日。ヘルスーナ魔法学院の休日だ。


 いや、日曜日だと、全ての学校が休日か。


 とりあえず、俺は学院が休みだと言うこともあって、ショッピングモール前の噴水である人物たちと待ち合わせをしている。


 「あ、椎名君早いですね!」


 俺が考え事をしていると、丁度良く待ち合わせをしていた人物の最初の一人、紫音がやってきた。


 紫音は白いワンピースを着ており、いつものおとなしい印象を、さらに強調させている。


 「まあ、俺が呼び出したんだからな、早く来るさ。」


 俺は肩をすくめてそう返す。


 ちなみに今日の俺の服装だが、ラフなズボンに、黒い上着を羽織っただけだ。


 「二人とも早いね!」


 次に来たのは、スミレだ。彼女はショートパンツに、パーカーと言う、いつもの彼女らしい動きやすい恰好をしていた。


 「あれ?お前髪型・・・。」


 スミレはいつもなら肩まで伸びた髪をそのまま垂らしていたのだが、今日はウサギのピンでとめていた。


 「あ、気づいちゃった?」


 スミレは俺が指摘すると、嬉しそうに顔を綻ばせる。


 「むぅ。やりますね。」


 「ん?紫音何か言ったか?」


 「いえ、何も言ってませんよ。」


 紫音が何かを言っていた気がしたが、気のせいだったらしい。


 「あなたたち、早いのね。」


 最後に来たのは楓だ。


 彼女は今日は、水色を基調とした上着と、それに合った薄い茶色のスカートをはいていた。


 「じゃあ、全員そろったし、行くぞ。」


 そう言って、俺はショッピングモールに入っていく。


 今日ショッピングモールに来たのは、今度開催される学院の学園祭のためだ。


 俺たちのクラス、五組は、学院際の出し物で、定番のコスプレ喫茶をすることになった。


 そこで俺は何を血迷ったのか知らないが、クラスの女子の大半から、動物のコスプレを勧められ、反論しようものならものすごい勢いでにらまれたため、うなずくしかなかった。


 それをチームメイトに話したところ、あれよあれよとあっという間に週末に衣装を買いに行くことになってしまったのだ。


 「どこから行く?」


 そういうわけで、俺は若干あきらめ気味で三人に聞く。


 「まずは服屋よ!」


 楓が何処か張り切った様子でそう宣言する。


 「分かった。じゃあ、行こうか。」


 ショッピングモールの服屋に入り、俺はメンズのコーナーに行く。


 「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」


 すると、店員が話しかけてくる。


 「ああ、服を探している。」


 「まあ、お父様にプレゼントですか?」


 「いや、俺の服だ。」


 「そうですか。では、こちらのほうにお客様に似合いそうな服だあると思うので、ついてきてください。」


 店員は、そう言って俺たちを先導する。


 そうして店員が案内したのは、子供服のコーナーだった。


 俺の身長は、中学校に入入学してもあまり伸びず、今はまだ小学四年生ほどの身長しかない。


 「・・・・・・・・ありがとうございます。」


 俺は抗議したかったが、さっきちらりと見たところ、メンズのコーナーには俺が着れるような服はなかった。


 俺はプルプルと震え、拳を固く握りしめて店員に礼を述べる。


 「プッ!椎名君、気にしないで。店員さんも、悪気があったわけじゃないから。」


 楓は、笑いをこらえながらそう諭してきた。


 「俺は中一だ。」


 俺は心に大きなダメージを負ってしまったため、自分に言い聞かせるようにそう言う。


 「そうは見えないけどね。精々、小学四年生ぐらいだよ。」


 「グフッ!」


 俺はスミレの一言に、胸を押さえつける。


 「椎名君!そ、そんなことないよ!椎名君は中学生に見えるよ!」


 紫音がとっさにフォローしてくれる。


 「まあ確かに、女子としてみたら中学生に見えなくもないわね。それでもちょっと小さいかしら?」


 楓の言葉がとどめとなり、俺は完全に崩れ落ちた。


 「もうヤダ。」


 俺は、小さくなっていじけた。



 俺が立ち直ったら、早速服を選びにかかる。


 今回は動物のコスプレをするので、毛皮のようなものが良い。


 そして、それはすぐに見つかった。


 なんと、動物なりきりセットなるものが売っていたのだ。


 それを見つけたのはスミレで、それを持ってきて俺に試着するように言う。


 そのセットは、キツネのセットだ。


 入っていたのは、キツネの手をかたどった手袋、ベルトについている尻尾、キツネの耳のカチューシャ、それと、キツネを模したシャツにズボンだ。


 俺が着替え終わって試着室のカーテンを開けると、三人はそれを無言で見つめ、おもむろにケータイを取り出した。


 カシャカシャカシャカシャ。


 そして、取り出したケータイで俺を激写しだした。


 「ちょ、ちょっと待て!撮るな!」


 「いや、だってねぇ~。」


 三人は視線を交わすと、一斉に口を開いた。


 「「「可愛いんだもん。」」」


 その後も、オオカミ、猫など、様々なセットを試着した。そのたび、三人は俺を撮影しまくっていた。


 そして、三人はそのセットを全て買った。


 「よかったのか?」


 俺の質問に、三人は笑って答える。


 「「「いつか使うかもしれないもん!」」」


 俺は、若干引きながら、服屋を後にした。


 ちなみに、服屋の店員も俺の姿を見て写メを取っていた。



 時間も時間なので、俺達は昼飯を食べるためにショッピングモール近くのカフェに入る。


 「はぁ。疲れた。」


 「大丈夫?」


 「お前らのせいだから。」


 「そんなことないよ!」


 俺が溜息を吐きながらそう言うと、楓が気遣い、スミレが否定する。


 「ご注文は起きまりで・・・・あら?椎名?」


 店員が注文を取りに来たが、言葉が途中で止まり、俺に話しかける。


 「雪姉?」


 なんと、俺は雪姉がバイトしているカフェに入ったようだ。

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