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優が王都を出て、しばらく走ると、森が見えてきた。優は、その森の中に入る。
この森だが、この国の中でも有名で、【死の森】と呼ばれていて、優たちが潜った迷宮とは比べ物にならないぐらい危険なところだ。
もちろん優が知っているはずもなく、身を隠すためにその森に入る。
「うああああああああああああああああああ!!!」
優は、何度目かもわからない叫び声をあげる。
泣き叫ぶ優は、次第にあたりに当たり散らす。
「くそ!くそ!くそ!」
火の玉が木々を焼き、水の波が気をなぎ倒す。
優に周囲は次第に荒れ地と化してきた。
もちろん、そのように大きな音を出せば魔物も寄ってくるわけで、
「グルァー!」
大きな、熊野魔物が魔法の雨をかいくぐり、優に襲うかかってきた。
「ガア!」
熊は風を手にまとい、優を切り裂こうとする。
「うるせえ!」
優にクマの爪が届く寸前、優が熊を一瞥し、持っていた剣を下から上へ振り上げる。それだけで、熊は絶命し、その場に倒れた。
「グラァ!」「ギュイ!」「ゴアァ!」
音につられたのか、熊の血に誘われたのか、魔物たちが集まってくる。
「丁度いい。今俺は苛々してたところだ俺の。八つ当たりに付き合え!魔物ども!」
そこから先、優は魔物を片っ端から切り殺し、焼き殺し、溺死させた。
途中から、魔物が使っていた風魔法や、雷魔法を使い、魔物を殲滅していった。
どれくらいの時間がたったのだろうか?優の周りが、魔物の死体で埋め尽くされたころ、魔物たちとの戦闘が終わった。
「ヒール。」
優は、ゴブリンヒーラーから奪った治癒魔法で自身の傷を治療する。
(なんなんだ?この森は。ゴブリンでさえ上位種のゴブリンジェネラルや、ゴブリンソーサラーしかいない。)
優は魔物の異常な強さに驚愕しながら、城の宮廷魔導士から奪った【収納】のスキルを使い、食べられそうな魔物の肉を収納していく。
(これから、どうやって生きていくにせよ、まずは目先の問題、食料を確保しないと。)
優は暴れたことで、だいぶ冷静になっていた。
(まず、この森で食料や水を集めて、隣の大陸に渡る。隣の大陸は魔族が支配しているらしいけど、人間から追われている俺なら受け入れてくれるだろう。)
優は自嘲気味に笑うと、その場を後にする。園香に言われたとおり、今は生きることだけを考える。
(隣の大陸に行くってことは、海を渡るんだよな。移動手段をどうするか考えてなかったが、召喚魔法で何とかならないか?)
優はさっき王城で殺した魔術師が持っていた、召喚魔法を試してみることにした。
地面に魔方陣を書き、詠唱を開始する。
「我、ユウ・ウミハラの名のもとに、いでよ我が盟友よ!」
優がやろうと思えば、魔法陣の書き方も、詠唱も、自然と頭の中に出てきた。
詠唱しながら魔法陣に流した魔力が、あたりに吹き荒れる。
ドウ!
魔法陣が目も明けられないほどに光り輝き、あたりを照らした。
(そなたが我を呼んだのか?)
光が収まると、そこには銀色の鱗で覆われた、一軒家と同じぐらいの大きさの、ドラゴンがいた。さらにそのドラゴンは、優の頭の中に直接語り掛けてきた。
(おい、おぬし聞いているのか?)
ドラゴンが再度優に問いかける。
「あ、ああ。スマン、あまりの美しさに、言葉を失っていた。」
優が正直にそういうと、ドラゴンが嬉しそうに羽をパタパタ…、いや、バタバタさせて、優に言った。
(ほう、お主わかっているではないか。)
ドラゴンは上機嫌に自分がいかに美しいか自慢してきた。
「分かった分かった。で?お前は俺と契約してくれるのか?」
ドラゴンは、(むう、くえないのう。)などとぼやいていたが、きりっと顔を引き締めると、威厳のある声で答えた。
(我は龍帝ボヴァルキア。人間ごときと契約するほどやわでわないわ!と、言おうと思っとったんじゃが、正直、お主には勝てる気がせん。契約を受け入れよう。)
最初のほうは威勢がよかったのだが、だんだん声に覇気がなくなっていった。
「ん?でも、お前相当強いよな?ステータスがせいぜい2000程度したない俺が勝てるとは思えないのだが。」
ちなみに、ボヴァルキアのステータスはこんな感じだ。
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名前:ボヴァルキア
性別:女
種族:古龍種
レベル:296
生命力:5622410/5622410
魔力:10054260/10054260
筋力:883140
敏捷:650070
防御:1063960
魔攻:1270920
魔防:1167450
運:40
スキル:竜魔法、人化、全属性魔法、無詠唱、魔力操作、竜眼
称号:千年種、龍帝、魔物の天敵、最強の龍
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優とでは、勝負にもならない。優が勝てるのは、運だけだろう。
するとボヴァルキアは、少しの間ポカンとした後、恐る恐る聞いてきた。
(えーと、最後にステータスを確認したのは?)
「数時間前だ。」
優がそう答えると、ボヴァルキアはまたもポカンとした後、ステータスを確認するよう促してくる。
「何だよ、確かに、いっぱい魔物倒したけど、お前ほどにステータスにはなってねー…よ…。」
優は自分のステータスを確認して、絶句した。
以下が、優の今のステータスである。
===============================================
名前:ユウ・ウミハラ
性別:男
種族:人間?
レベル:56
生命力:567834880/567834880
魔力:562895440/601765430
筋力:78530420
敏捷:80004280
防御:72291050
魔攻:90285560
魔防:81288305
運:6720
武術系スキル:剣術、棒術、体術、身体強化、槌術、刀術、弓術、斧術、跳躍、縮地、槍術、射撃術、盾術、天歩、投擲、ナイフ術、暗殺術、暗器術、隠密、気配遮断、気配察知、空間把握、爪術、風の爪、火の爪、水の爪、雷の爪、氷の爪、限界突破、威圧、擬態、HP回復速度上昇、MP回復速度上昇
魔法系スキル:魔力操作、魔力察知、火魔法、炎魔法、獄炎魔法、水魔法、氷魔法、氷雪魔法、風魔法、雷魔法、嵐魔法、土魔法、岩魔法、大地魔法、光魔法、聖魔法、闇魔法、暗黒魔法、治癒魔法、空間魔法、時空魔法、召喚魔法、収納、生活魔法
生産系スキル:異世界言語、鑑定、武器作成、防具作成、魔道具作成、錬成、家事、修繕、交渉、詐欺
ユニークスキル:還元、武才、魔才、魔法剣、魔剣作成、再現、絶体記憶、重力眼
称号:異世界の勇者、武の天才、魔の天才、魔物の天敵、死を呼ぶもの、破壊の権化
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体術:素手で攻撃するとき、補正。
槌術:槌を扱いやすくなる。
刀術:刀を扱いやすくなる。
斧術:斧を扱いやすくなる。
縮地:目にと留まらぬ速さで移動できる。ただし、直線でしか移動できない。
槍術:槍を扱いやすくなる。
盾術:盾を扱いやすくなる。
天歩:空中に足場を作れる。
投擲:投擲しやすくなる。
射撃術:射撃しやすくなる。
ナイフ術:ナイフを扱いやすくなる。
暗殺術:相手に気づかれずに、殺すことができる。
暗器術:暗器を扱いやすくなる。
隠密:誰にも気づかれずに行動できる。
気配遮断:気配を遮断できる。
気配察知:一定空間内に入ってきた生物の気配を察知できる。
空間把握:一定空間にあるものがすべて手に取るようにわかる。
爪術:鉤爪を扱いやすくなる。
風の爪:風の爪を纏える。
火の爪:火の爪を纏える。
水の爪:水の爪を纏える。
氷の爪:氷の爪を纏える。
雷の爪:雷の爪を纏える。
限界突破:一時的に、自身のステータスの十倍の力を発揮できる。
威圧:相手をひるませることができる。レベル差があれば、気絶させることもできる。
擬態:風景と同化できる。
再生:魔力を使って、傷を自動で回復させる。
HP回復速度上昇:生命力の回復速度が上がる。
MP回復速度上昇:魔力の回復速度が上がる。
魔力察知:一定空間内の生物が発する魔力を感知できる。
炎魔法:火魔法の上位交換。火魔法より強力な魔法が使える。
獄炎魔法:炎魔法の上位交換。炎魔法より強力な魔法を使える。
氷魔法:水魔法の上位交換。水魔法より強力な魔法が使える。
氷雪魔法:氷魔法の上位交換。氷魔法より強力な魔法が使える。
風魔法:風の魔法が使える。
雷魔法:風魔法の上位交換。風魔法より強力な魔法が使える。
嵐魔法:雷魔法の上位交換。雷魔法より強力な魔法が使える。
土魔法:土の魔法が使える。
岩魔法:土魔法の上位交換。土魔法より強力な魔法が使える。
大地魔法:岩魔法の上位交換。岩魔法より強力な魔法が使える。
光魔法:光の魔法が使える。
聖魔法:光魔法の上位交換。光魔法より強力な魔法が使える。
闇魔法:闇の魔法が使える。
暗黒魔法:闇魔法の上位交換。闇魔法より強力な魔法を使える。
治癒魔法:治癒の魔法が使える。
空間魔法:魔力によって空間を支配できる。
時空魔法:空間魔法の上位交換。空間魔法よりも強力な魔法を使える。
召喚魔法:魔法陣を書き、詠唱することで、魔物を呼び出せる。呼び出した魔物を認めさせられれば、従魔にできる。
収納:空間魔法と、時空魔法どちらも持っていなければ習得できないスキル。異空間に物を収納できる。中の時間は止まっているため、生物は入れない。
生活魔法:生活を補助する魔法を使える。
武器作成:武器を作成できる。魔力のみを使って、瞬時に作成することもできるが、普通に作った時と比べると脆くなる。
防具作成:防具を作成できる。魔力のみを使って、瞬時に作成することもできるが、普通に作った時と比べると脆くなる。
魔道具作成:魔道具を作成できる。魔力のみを使って、瞬時に作成することもできるが、普通に作った時と比べると脆くなる。
錬成:ポーションなどを作れるようになる。
家事:家事ができるようになる。
交渉:交渉がうまくできるようになる。
詐欺:相手を騙せる。
魔法剣:剣に魔法纏わせ、相手を攻撃できる。
魔剣作成:任意で魔剣を作成できる。
再現:記憶にあるものを、他のスキルを使って再現できる。(例、魔法でドラゴン。)
絶体記憶:見たもの、聞いたことすべてを記憶できる。
重力眼:魔眼の一種。重力を操作できる。
修繕:武器や防具、魔道具などの修理ができる。
魔物の天敵:魔物を一万体以上倒したものに値られる称号。魔物に対して、攻撃力二倍。
死を呼ぶもの:一分以内に、生物を百体以上殺したものに値られる称号。生物に対して攻撃力二倍。
破壊の権化:十秒以内に、自分の半径五百メートル以内のすべてのものを壊したものに値られる称号。非生物に対して攻撃力二倍。
もはや、バケモノである。
説明が雑ですみません。
感想待ってます。