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雷帝は修羅の道を歩く  作者: 九日 藤近
第二章 シナーラ
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66 いじめ

そういえば昨日出した刀ですが、その昔日本の神が使った剣です。

 今俺は重大な問題を抱えている。


 それは学校での生活態度だ。


 俺はレムナットで人間に裏切られた事で人間に悪感情しかないうえに、この世界でも父親に日常的に暴力を振るわれたため人に恐怖を感じるようになった。


 普通に生活している上で、人と関わるのは絶対条件だ。


 しかし、俺にはそれができない。人に話しかけられるだけで怯えてしまう俺にろくに友達はできない。


 まあ、何が言いたいかというと、俺はボッチになった。


 勿論、孤児院の子供たちや、詩帆とは交流があるが、それ以外の子供との交流はゼロだった。


 一人孤立している人間がクラスにいる。そしてそのクラスメイトは容姿も優れ、頭もよく、スポーツもできるときた。


 勿論始まるのはいじめだ。


 まあ、所詮は小学一年生だ。いじめと言っても陰で悪口を言う、持ち物に落書きをする、ものを隠すなどだ。


 「おい、椎名。」


 俺が授業が終わってボーッとしていると、いじめの主犯格、夜橋春樹が話しかけてきた。


 「何?」


 俺はこいつにはもう慣れたためあまり怖がることはない。何かされても俺には意味がないことが分かったからだ。


 「お前の家貧乏なんだって?」


 春樹は心底楽しそうにそう笑う。


 ちなみに家--孤児院--は全然貧乏ではない。むしろそこら辺の家庭よりも裕福だ。


 それは、優先生の旦那さん、正人君が大企業の役員だからだ。


 正人君はいわゆる御曹司で、さらに能力も伴っている。そのため会社に入社してすぐに役員になったそうだ。


 それでも正人君は変わらず優先生のことを愛し、孤児院を作ったらしい。孤児院のことも、良く手伝ったりしてくれている。


 話を戻すが春樹の発言が理解できなくて俺は首をかしげる。


 「は?」


 普通に考えたら俺の家が貧乏だなんて思うはずがない。持ち物は全て新品だし、身なりもきれいだからだ。


 春樹はまたニヤッと笑うと、俺が気にしていることを言った。


 「お前、家が貧乏すぎてろくに飯も食えないからそんなに背が低いんだろ?」


 体の成長は男より女のほうが最初は早いと言う。なのでこのクラスでも男子より女子の平均身長のほうが高い。


 そして俺の場合、男子の中でもダントツで小さい。たまに幼稚園児と間違われると言えば俺がどれぐらい小さいかわかるか?


 とにかくそれは俺が一番気にしていることだった。勿論、ご飯などはちゃんと食べている。多いとは言えないかもしれないが、それなりに食べている。


 なのになぜか身長は伸びないのだ。


 「黙れよ。」


 俺は低い--と俺は思っている--声で春樹に言い返す。


 「ああ?低いのは本当だろ?」


 「俺の背が低いとお前に何か不都合があるのか?この底辺野郎。」


 俺は小学一年生が知らないであろう言葉でののしる。


 「底辺?なんだそりゃ。」


 「お前みたいなバカには一生理解できねーよ。」


 「何だと!?」


 春樹はすぐに頭に血が上る。案の定殴りかかってきたので、足をかけて転ばせた。


 「雑魚はやっぱり雑魚だな。」


 「雑魚ってなんだ!?」


 「それも知らないのか。本当にバカなんだな。」


 「この野郎!」


 春樹がもう一度俺を殴ろうと突進してくると、先生がドアを開けて教室に入ってきた。


 俺はニヤリと笑うと、春樹のパンチをわざと受ける。


 「な!?」


 春樹は俺にパンチが当たったのに驚く。まあ、当然だろう。今まで何度パンチをしても全て躱すか、受けるかしていた。パンチが俺に当たるのはこれが初めてなのだ。


 「な!?夜橋!何をしている!?」


 現場はしっかりと教師の目にも入っていたらしい。


 「い、いや。これは…。」


 春樹はしどろもどろに言い訳をする。


 「椎名、大丈夫か?」


 春樹に大体のあらましを聞いた教師は俺を立たせるために手を差し出してきた。


 「自分で立てます。」


 俺は自力で立ち上がり、保健室に行く旨を教師に伝え、教室を出た。


 この後、色々教師から話を聞かれ、優先生にも殴られた傷を見てものすごく心配されたりと色々あったが、結果として春樹は俺をいじめることが前よりはなくなった。

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