63 友達
そういえば、前の話は小学生らしさを出したつもりだったんですが、どうでしたか?
ま、とりあえずこの話も楽しんでください。
「ただいまー。」
俺は真弘と真央と一緒に玄関の扉を開ける。
「あらおかえり。どうだった?学校は?」
優先生が優しい笑みを浮かべながら聞いてきた。
「ああ、友達ができたよ。」
俺が代表してそう言うと、そこにいた全員の動きが止まった。
「え?友達?」
「うん。小鳥遊詩帆っていうんだ。」
それを聞いた優先生はプルプルと震え始める。
「えーと、先生?」
俺はちょっと不安になった。まさか彼女はブラックリストか何かに乗っているのか?!俺の脳内にそんな馬鹿な憶測が出てきた。
「椎名君が友達を作ってきたわ!」
次の瞬間、優先生は俺に抱き着いてきた。
「ここの子供たち意外と全然仲よくしようとしないから心配してたのよ!」
優先生は本当にうれしそうにそう言った。
「俺だって怖くないってわかれば友達だって作るよ。」
俺はちょっと怒ったような口調でそう言う。
「で、その子可愛かった?」
しかしそれは優先生たちには聞こえていなかったようだ。
「うん。可愛かったよ。でも、それ以上に変わってる子だったよ。」
「あー、なるほど。変わり者同士馬があったのね。」
真央がそんなことを言う。
「ちょっと待って。俺は変わりものじゃないよ。」
「あー、なるほど。確かに、椎名君の友達になるくらいだから、相当の変わり者なのね。」
俺の主張は当然のように無視された。
「納得できん。」
俺はそう言って口を尖らせる。
「あ、ごめん。言い過ぎた?」
真っ先に誤ってきたのは真弘だ。
「別に怒ってないけど、ちょっと傷ついた。」
俺は正直に言う。それに対し真弘たちは笑って謝った。
「あはは!ごめんごめん。椎名が初日に友達を作るなんて意外だったからさ。」
「それ謝ってなくないか?」
俺の鋭い突込みは笑顔でごまかされた。
「そんなことないよ。」
「そうか。」
そうして会話は終わったが、俺はこの後孤児院のほぼ全員に友達ができたことを驚かれた。
そして今日の夕飯はすごく豪華だった。そんなに俺に友達ができたことが意外だったのか。と、俺は少し落ち込んだ。




